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【ニュージーランド武者修行レポート】前田 翔選手編

ラグビー大国ニュージーランドで鍛錬を重ねる前田 翔選手、日下 太平選手、アタアタ・モエアキオラ選手。武者修行レポート第2回目は、昨シーズン活躍が期待されるも、足の負傷でシーズンを棒に振った若きタイトヘッドプロップ、前田 翔選手。8月9日に幕を開けたニュージーランド州代表選手権(NPC)では、急遽、3戦目のマナワツ・ターボスvsウェリントン・ライオンズにメンバー入り。前田選手は久しぶりに楕円球を追いかけ、自身にとって初めてのニュージーランドで充実した日々を送っています。(取材日:8月26日)

 

昨年10月下旬、アキレス腱を断裂し、昨シーズンはチームの練習に加わることができず、リハビリに明け暮れているうちにシーズンが終了しました。スクラムやコンタクト練習ができるようになったのは、ニュージーランドへ出発する数週間前です。

高校時代にも肩を怪我し半年間ラグビーができないという経験をしましたが、今回は、それよりも長い期間グラウンドに立てなくて。レンズ(デイブ・レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ)から5月頭にニュージーランド派遣を伝えられた時は、2024-25シーズンを待たずにラグビーができる環境を与えていただけることが嬉しかったです。

ニュージーランドでの目標はラグビーを楽しむことを第一に、その上でスクラムの感覚やゲーム勘を取り戻すことです。

2022-23シーズンの最終戦vs横浜Eから試合をしていなかったので、ニュージーランドに来てから初めて出場したマナワツBのプレシーズンマッチは楽しかった!改めて、ラグビーが好きだと思いましたし、楽しいからやっているんだと再認識しました。

ただ、プレシーズンマッチを含めたマナワツB での4試合でのパフォーマンスは、フィールドプレーも、スクラムもまだまだ。特に長い間、試合をしていないのでフィットネス不足を感じて…。ゲームフィットネスを戻していかないといけません。

それに、僕自身、ニュージーランドでラグビーをするのは初めての経験で、スクラムに対しての考え方が日本とはまったく違っていて驚きました。日本ではスクラムは低い姿勢を作ってフォワード8人で組むというイメージですが、ニュージーランドで求められるのはパワーです。もともと僕は『3番』の中では体重が重い方ではないので、スクラムではロックやバックローの力を使って前に出る。それもあってニュージーランドのスクラムに適応するのが難しくて。また、どのチームのグラウンドもぬかるんでいて、スクラムを組む時に足が滑ってしまって。あと、英語でコミュニケーションを取らないといけないので、スクラムを良くするための要求を周りになかなかうまく伝えられない。もちろん、チームミーティングも英語です。戦術を理解するのも大変ですが、スクラムの違いを含めて、すべてが良い経験ですので、充実した日々を過ごしています。

NPCは、8月25日、ウェリントン・ライオンズ戦でリザーブの選手が怪我したこともあり、急遽メンバー入りしました。ウェリントンには中学時代から大阪府選抜などで一緒にプレーしてきた同い年の紙森 陽太選手(S東京ベイ)が期限付き移籍をしています。プレシーズンマッチで対戦した時、僕はメンバー外だったので「NPCで対戦したい」と思っていたのですが、彼がメンバーから外れて。それが叶わなかったことは残念です。試合は後半20分くらいから出場し、スクラムは手応えを感じました。相手には紙森選手と同じS東京ベイの加藤 一希選手がいて、31-39で敗れましたが、日本人対決ができたことも楽しかったです。スクラム以外の面では、やはりゲーム勘やゲームフィットネスが課題だと感じて。自分の現状がよくわかった一戦になりました。これからもNPCの戦いは続くので、出場機会を得られるようにしていきたいと思います。

所属するマナワツ・ターボスについては(日下)太平のレポートにもあったように、若い選手が多いチームで、僕と同じポジションの選手も20代前半ばかりです。みんな、フレンドリーですぐにチームに溶けこむことができました。今、住んでいるところでは、太平がレポートしてくれた時から引越しをして、大学寮のような場所で僕ら3人を含めたチームメイト8人と一緒に暮らしています。顔ぶれは、もともと一緒に生活していたトンガ出身のプロップの選手や、アメリカのメジャーリーグラグビーでプレーしていたカナダ出身やアメリカ出身、ウェールズ出身の選手たち。同世代ということもあって仲良くなり、試合後はキッチンに集まってお酒を飲んだりしています。

食事は自炊しているのですが、僕が作るものはいつも同じ。ブロッコリー、ステーキ、そして白ごはん!毎日、同じメニューなので、太平をはじめチームメイトからは「ベイト(英語でエサの意味)」と言われていて(苦笑)。効率と栄養バランス最優先でこのワンプレートにしていて、1週間に一度、太平が作る日本食を食べさせてもらっています。太平は英語ができるので普段からよく助けてもらっていますし、食事の面でもサポートしてくれて感謝しても仕切れないですね。

ニュージーランドに来てから、マナワツ・ターボスとマナワツBのトレーニングと週末の試合とで、ラグビー一色の生活です。マナワツ・ターボスと神戸スティーラーズでやっているラグビーが違いますし、コーチから求められるものも違うので戸惑うこともありますが、最終的に今シーズンのリーグワンの試合で出ることが、僕の大きなターゲットです。ニュージーランドで経験を積み、スクラムとワークレートという自分の強みをさらに磨いて日本に帰ってくることができるよう頑張ります!

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