9月に開幕する「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」に臨む日本代表は、7月29日(土)東大阪市花園ラグビー場にてトンガ代表と対戦しました。

「リポビタンDチャレンジカップ2023」ALL BLACKS XV（オールブラックスフィフティーン）との2試合、「リポビタンDチャレンジカップ2023パシフィックネーションズシリーズ」サモア代表戦と、日本代表はこれまでの3試合はすべて黒星です。日本代表の勝利を後押ししようと、会場の花園ラグビー場には21,138人が集結しました。

試合は、3戦連続で先発を任されたSO李 承信選手のキックオフでスタート。序盤、フィジカルの強いトンガ代表に攻め込まれ、自陣で守りの時間が続きます。

11分、自陣ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれましたが、固いディフェンスでピンチをしのぐと、FB山中 亮平選手のキックで敵陣へ。ここから日本代表が反撃を開始します。ハーフライン付近でターンオーバーすると攻撃を継続し、敵陣10mライン付近でペナルティを獲得。日本代表はすかさずショットを選択しますが、李選手の蹴ったキックはゴールポストをわずかに外れて失敗に。キックは不発に終わった李選手ですが、WTBセミシ・マシレワ選手（花園近鉄ライナーズ）のキックに対しチェイスをかけ、相手のノックオンを誘うと、20分、敵陣10mライン付近のスクラムから左へと展開し、WTBジョネ・ナイカブラ選手（東芝ブレイブルーパス東京）が先制のトライ。その3分後、カウンターアタックからボールを繋がれトライを許し、5-5とゲームは振り出しに戻るも、日本代表はキックを使って適陣でゲームを進め、32分、PGで加点。前半終了間際にも、トライを奪い、13-5で折り返しました。

トンガ代表のキックオフではじまった後半。日本代表は立て続けに反則を犯し、2分、7分とPGを決められ、13−11に。一進一退の攻防が続く中、13分、敵陣22mライン付近マイボールラインアウトからテンポよくボールをつないでトライをマークし、18-11とリードを広げます。しかし、トンガ代表も食い下がり、17分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、18-16と再び2点差に。どちらに転ぶかわからない拮抗した展開が続く中、日本代表は、27分、PGで加点し、21−16とします。後半38分、トンガ代表にボールを奪われ一気に自陣深くまで走り込まれるシーンもありましたが、山中選手から代わったFB松島 幸太朗選手（東京サントリーサンゴリアス）が追いつき、ピンチの芽を摘むと、最後はベテランのHO堀江 翔太選手（埼玉パナソニックワイルドナイツ）がボールに絡み反則を得て、そのまま21−16でノーサイド。日本代表は満員の観客の期待に応え、2023年初白星を上げました。

山中選手は「サモア代表に負けて、チームは自信を失いかけましたが、スタッツを見たら、サモアより上回っているところも多くて、自分たちのやっていることは間違いないと思うことができました。自分たちを信じて良い準備をして、今日の試合に臨み、勝ち切れたことは嬉しいですし、自信になります」と声を弾ませました。自身のパフォーマンスについては「トライにつながるパスもありましたし、キックも良かったです。自分の役割は果たすことができたと思います」とコメント。また、山中選手は今回初めてトンガ代表と対戦したそうで、「トンガはフィジカルが強いだけでなく、キックのオプションもあり、うまいという印象を持ちました。来週のフィジー代表も僕自身は対戦をしたことがないので、試合に出たいですし、対戦が楽しみです」と話していました。

李選手は「自分の役割であるキックのところで足を引っ張ってしまって…。キックでしっかりスコアすることができていたら、こんな苦しい展開になっていなかったと思いますし、責任を感じています」とまずは反省。続けて「今日の勝利はチームにとって本当に大きいものです。これからさらにジャパンラグビーのスタンダードを上げていきたいと思います。僕もキックのところを修正し、チームを勝利に導く10番になっていきます！」と力強く宣言しました。

具選手は、「今日はリザーブだったので、プレー時間が短いこともあり、最初から思い切ってプレーしました。ボールキャリーも良かったですし、セットプレーも安定していました。何より今日は勝つことができて嬉しいです！」とトレードマークの笑顔を見せていました。

ワールドカップを見据えた国内でのテストマッチは、残り１試合。相手は、「リポビタンDチャレンジカップ2023パシフィックネーションズシリーズ」でトンガ代表、サモア代表を破ったフィジー代表です。タフな試合が予想されますが、熱い声援で日本代表にパワーを送りましょう！

 

日本代表のNEXT GAME
「リポビタンDチャレンジカップ2023　パシフィックネーションズシリーズ」
8月5日(土)19時15分
日本代表vsフィジー代表（東京・秩父宮ラグビー場）