【Road to RWC2027】「リポビタンDチャレンジカップ2026」日本代表 vsフィジー代表レポート
特別なジャージーを着て臨む一戦、だからこそ『結果を残したかった』
10月24日、東京・秩父宮ラグビー場で行われた日本ラグビーフットボール協会創立100周年記念試合「リポビタンDチャレンジカップ2026」に、コベルコ神戸スティーラーズからイノケ・ブルアと植田 和磨の両WTBが先発出場。日本ラグビーの節目を祝う特別な白ジャージーに身を包み、1万5,000人の前でキックオフを迎えたが世界ランキング9位の日本代表は10位のフィジー代表に28-34で惜敗。9月のパシフィック・ネーションズカップ(PNC)決勝に続くフィジー戦連勝とはならず、日本の目指す「超速ラグビー」は不発に終わった。
試合前のオンライン会見でWTB植田は「PNCでフィジーを倒して優勝し、またティア1のフィジーと試合ができる。今後のヨーロッパ遠征を踏まえて、チームでは厳しい練習をしています。特にこの試合は日本ラグビーフットボール協会100周年を記念して行われる試合です。その試合に出られることは光栄です」と高いモチベーションを語り、チーム内でミーティングを重ねる中で、日本ラグビーの歴史や先輩方への感謝を深く胸に刻んだという。さらにジョーンズ日本代表ヘッドコーチ(HC)や共同キャプテンの齋藤(東京SG)から「今後150周年、200周年を迎えた際に、自分たちが歴史をつくったと言われるチームになろう」と言葉をかけられたと明かした。
並々ならぬ決意を持って戦いに臨んだ日本代表は、前半6分、ラインアウトからモールを押し込み、最後はSH齋藤が先制のトライを奪う。難しい位置からのゴールも決まり、7-0と幸先の良いスタートを切った。しかし直後にハンドリングエラーなどのミスを突かれ、フィジー代表に逆転を許す苦しい展開に。その後、LOディアンズ(B武蔵)のトライで応戦するも、再び突き放される。前半34分にフィジー代表のNO8が20分レッドカードで退場すると、日本代表は直後の35分にNO8ファウルア(S東京ベイ)がモールを押し込んでトライを奪い、21-21の同点で前半を折り返した。
数的優位を得た日本だったが、後半は手痛いミスから主導権を失う。後半4分に敵陣深くでのミスからボールを奪われトライを許すと、後半13分にLOディアンズのこの日2本目となるトライで再び同点に追いつく意地を見せたものの、反撃はここまで。フィジー代表が15人に戻ると、ブレイクダウンでの激しい圧力を前にテンポが遅れ、日本の「超速ラグビー」は沈黙。終盤にPGを2本立て続けに決められて28-34でノーサイドとなった。
試合後、共同キャプテンのディアンズは「やりたいラグビーができなくてすごく悔しい。簡単なミスが多くて相手にボールを渡してしまい、超速ラグビーができなかった」と反省。ジョーンズHCは「ブレイクダウンでサポートが出遅れたり、一瞬迷ったりする場面があった」と密集での判断の遅れを最大の課題として挙げつつも、「気持ちのこもったプレーを見せることはできた」と述べた。
WTBブルアも厳しい表情で試合を振り返った。「チームとして非常に良い準備ができていただけに、この敗戦は本当に悔しいです」といい、勝負の分かれ目となった局面について「ブレイクダウンのところで十分に仕事を全うできませんでした」と敗因を語った。
そして、この一戦を心待ちにしていたWTB植田は「白いジャージーを着てピッチに立てたことは本当に特別な経験でした。日本ラグビーの歴史を築いた多くの方々への感謝と特別な空間に立てたことの光栄さを感じました」と振り返る。しかし、敗戦という結果に会場に足を運び、雨の中でも熱い声援を送り続けてくれたファンに対して「勝利をお見せできなかったことを申し訳なく思います。記念すべき試合だからこそ、何としてでも勝ちたかった」と悔しさを露わにした。
次なる歴史をつくる第一歩はほろ苦い結末を迎えたが、日本代表はこの試合で得た多くの教訓と悔しさを胸に、11月7日のウェールズ代表戦から始まる過酷なヨーロッパ遠征へと向かう。
イノケ・ブルア
「試合前の週からとても良い準備ができていただけに、今回の敗戦は本当に悔しく思います。試合の中でのチャンスをうまく生かしきれず、ブレイクダウンでも自分たちの仕事を十分にさせてもらえませんでした。その局面において、やはりフィジーは非常に強かったです。前回の勝利時との違いについてですが、今回も準備自体は決して悪くありませんでした。ただ、今日はそれを出すことができなかったという感じです。個人としてはフィジカルが強い相手にうまく対応できた部分もありましたが、チーム全体としてパスがつながらなかったことが悔やまれます。次のヨーロッパ遠征に向けて、これからもチーム一丸となって良い練習と準備を重ね、全力で頑張りたいと思います。雨の中、スタジアムに足を運び、試合を見に来てくださった日本とフィジー両チームのファン、そしてスティールメイツの皆さまに心から感謝を伝いたいです。ヨーロッパ遠征も頑張りますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします」
植田 和磨
「ウイングとして常にトライを求めているので、チャンスがありながらも得点に繋げられなかったことが本当に悔しいです。ボールタッチが少なかったことに加え、難しいバウンドだったとはいえ、(前半32分)CTBチャーリー・ローレンス(相模原DB)からのキックパスをキャッチできなかった点は今後の課題です。ただ、これまでのテストマッチに比べると、ランで前に出られた場面があったことは収穫でした。世界のトップと戦うためにはスピード、フィジカル、ハイボールの捕球や競り合い、ディフェンスなどあらゆる面でレベルアップしないといけません。一瞬で試合の流れを変えられるような、一流のウイングを目指して成長していきます。今回、白いジャージーを着て戦えたことは特別であり光栄でした。だからこそ、応援に来てくださった方々に勝利という結果で恩返しができなかったことが申し訳なく、悔しさでいっぱいです。チームとして体を張り、通用した部分もありましたが、結果に繋がらなければ意味がありません。これからの日本ラグビーの歴史をつくる世代になれるよう、個人としてもチームとしても強くなります。これからヨーロッパ遠征がはじまります。個人的にはワクワクしています。来年のワールドカップを見据え、代表メンバーに残り続けること、そしてチームとして結果を残すことを強く意識し、一回一回の練習に慢心することなく取り組み続けます!」
<NEXT GAMES>
「ネーションズチャンピオンシップ2026」
11月7日(土)16:40 KICK OFF(現地時間)
日本代表vsウェールズ代表
@プリンシパリティ・スタジアム
11月14日(土)16:40 KICK OFF(現地時間)
日本代表vsイングランド代表
@トゥイッケナム・スタジアム(アリアンツスタジアム)
11月21日(土)14:10 KICK OFF(現地時間)
日本代表vsスコットランド代表
@スコティッシュ・ガス・マレーフィールド・スタジアム


