取材日:2026年8月27日
2026-27シーズン 新加入選手インタビュー CTBジョージ・ブリッジ選手
クルセイダーズで6度の優勝経験を持つブリッジ選手。2017年にはスーパーラグビーで8トライを記録し、ルーキー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞、2018年には15トライを挙げ連覇に貢献しました。オールブラックスでもウイングとして活躍し、テストマッチ19試合で12トライをマークしています。その後、センターにポジションチェンジし、神戸Sではミッドフィルダーとして活躍が期待されます。ラグビーワールドカップ2019日本大会に出場した際、素晴らしい経験をしたことから、いつか日本でプレーしたいと思うように。クルセイダーズの先輩でもあるアンドリュー・エリスヘッドコーチ(以下HC)からアプローチを受けて神戸Sへの入団が決まったというブリッジ選手の決意表明をお届けします。
「大の負けず嫌いなので、勝ち続けたい。
神戸Sの連覇に貢献できるよう全力を尽くす」

ジョージ・ブリッジ
GEORGE BRIDGE
PROFILE
- 生年月日/1995年4月1日(31歳)
- 出身地/ニュージーランド・ギズボーン
- 出身校/リンディスファーン・カレッジ
- 過去の所属チーム/クルセイダーズ、モンペリエ、ウェスタン・フォース
- ポジション/CTB、WTB
- 身長・体重/186cm・96kg
- 代表歴/U20ニュージーランド代表、ニュージーランド代表(19キャップ)
ウェイン、そしてアンディと仕事ができてハッピーです
ブリッジ選手のテストマッチデビューは2018年秋、東京で行われた日本代表戦ですね。ラグビーワールドカップ2019日本大会にも出場されましたし、日本に縁がある印象です。
「ファーストキャップという特別な瞬間を日本で迎えられたことは私のラグビーキャリアにおいて大きな出来事になりました。あの時はNPCのファイナルを戦った直後にオールブラックスのツアーに参加し来日、慌ただしくも学びの多い1週間を過ごして、日本代表との一戦で初めてメンバー入りすることができました。ずっとオールブラックスとしてプレーすることを目標にしていたので、とても緊張したことを覚えています。そして試合では後半からピッチに立ちトライを2本取ることができて良いデビュー戦になりました。その後もオールブラックスに選ばれ続け、幸運なことにラグビーワールドカップ2019日本大会に出場することができました。日本で素晴らしい時間を過ごす中でいつかトップリーグ(当時)でプレーしたいという思いが湧き上がってきて、今回その夢が叶って本当に嬉しいですね」
日本のどういうところに惹かれましたか。
「まず人々ですね。オールブラックスとして試合に出場し、ファンの声援が本当に温かくて選手に対して敬意を感じることができました。あと食事も素晴らしい。ニュージーランドとは違う文化にも興味を持ち、日本は魅力ある国だと思いました」
2019年のワールドカップから7年越しに日本でプレーすることが現実に至ったわけですが、どういう経緯でコベルコ神戸スティーラーズへの入団が決まったのでしょうか。
「アンディ(アンドリュー・エリス)からアプローチがありました。彼がクルセイダーズを去った後に入団したのでチームメイトとしてプレーすることはなかったのですが、2017年のアンディが主将を務めたバーバリアンズに私も選ばれて一緒に試合に出場しました。彼が私のプレーを理解した上で神戸Sのラグビーにフィットすると判断し声をかけてくれたことに嬉しく思います。彼の期待に最大限応えないといけないですし、神戸Sでの時間を意味のあるものにできるよう全力を尽くします」
ブリッジ選手から見たエリスHCとは。
「彼は本当に素晴らしい人間ですし、人を惹きつけるものを持っていますよね。神戸Sに入団できたこともハッピーですし、何よりアンディと一緒に仕事ができることも嬉しいです」
ウェイン・スミスヘッド・オブ・コーチング(以下HOC)はどうでしょうか。
「私がオールブラックスに選ばれた時、ウェイン(・スミス)はすでにチームを去っていたこともあり一緒に仕事をするのは今回が初めてです。ウェインはコーチとしてレジェンドというべき存在ですが、指導を受けて改めて“レジェンド”たる所以を理解することができました。ウェインはコーチとしてだけでなく、人としても素晴らしい。彼のもとで働けることは光栄ですし、30歳を越えてまた選手として成長できるように思います」
スミスHOCやエリスHCからの期待は感じられますか。
「カテゴリCとして入団していますので、チームのために大きな役割を果たすことが求められていると感じています。オールブラックス、そしてスーパーラグビー、フランスのトップ14でもプレーし、多くの経験を積んでいる選手としてチームの勝利に貢献しないといけないですし、若い選手の成長を後押しできるようにしたい。できることを全力でやり切り、日本での旅路を楽しみながら素晴らしいものにしていきたいと思います」
チームメイトと共に連覇への過程を楽しむ
本格的に練習をはじめてから約2週間が経ちました。チームに対してどのような印象を持っていますか。
「昨シーズン優勝しているチームです。能力の高い選手がそろっていることはチームに合流する前から想像できていましたが、実際にどの選手もスキルが高くて練習に臨む姿勢も素晴らしいと思いました。新体制になって目指すラグビーにも変化がありますが、全員がワクワクした気持ちで練習に参加していることが伝わります。素晴らしいエナジーがチームを包み込んでいて、私もみんなと一緒に連覇への過程を楽しんでいます」
新体制のもとでどんなラグビーを目指すのでしょうか。
「もともと神戸Sはボールを動かすアタッキングラグビーをしていましたが、今シーズンはより自由でエキサイティングなスタイルに変わるように感じています。ボールを動かし続けて、相手に乗り勝っていく。典型的なニュージーランドのスタイルであり、日本的なラグビーだなとも思います。観客はこれまで以上に楽しめるでしょうし、日本人選手に合っているスタイルなので、選手もやっていて面白いと感じられるんじゃないでしょうか。もちろん、そういうラグビーをするためには伸ばしていかなきゃいけないところややるべきことは多いですが、全員でハードワークして、私もセンターとしてオフロードやスペースを作り出すところで貢献していきたいと思います」
チームにはオールブラックスでチームメイトだったブロディ・レタリック選手やニュージーランド出身の選手が数多くいます。
「ガズラ(ブロディ・レタリック)がいることは心強かったですね。けど、私自身、初めての出会いが好きなので、出身地に関係なく、日本人選手でもアイランダーでも全員と仲良くなりたいと思っています。みんなと友情を深められることも楽しみです」
マシュー・ダルトン選手にも質問したのですが、もうチームメイト全員の名前は覚えましたか。
「チーム内でのファンゲームで聞かれた時は始動してすぐだったこともあり、まだまだだったのですが、今はほとんどの選手の名前を覚えましたね。ちなみにファンゲームの際にマット(マシュー・ダルトン)が『彼の名前は?』と聞かれて『よこしま』と答えた(大町)佳生から私は『うどん』と呼ばれています。理由は冬のニュージーランドからチームに合流し日焼けしていないからだそうです(笑)。佳生は面白いですし、スマートですね」
『うどん』ですか(笑)。食べたことはあるのでしょうか。
「ありますよ。美味しいですね。麺類でいうとラーメンも好きです(笑)!」
目立たないところでチームに貢献する
もうすでにチームに馴染んで日本での生活を楽しまれているのが伝わります。ところで、ブリッジ選手のこれまでのラグビーキャリアなどについて伺いたいです。まずポジションですが、クルセイダーズやオールブラックスではウイングで出場されていました。
「クルセイダーズからモンペリエに移籍した後もウイングでプレーしていました。ただ、スピードの面でこのままウイングでプレーするのは厳しいのではないかと感じて、ウェスタンフォースに移った際、ヘッドコーチに新たな挑戦としてフルバックかセンターでプレーしたいと伝えました。ヘッドコーチもセンターでの起用を考えていたようで、それから『13番』でプレーするようになりました。神戸Sでもセンターをやることになると思いますが、コーチ陣は私がウイングやフルバックでもプレーできることを知っています。私がいろいろなポジションをカバーできることはチームにとって1つの強みになると思います」
ご自身の持ち味や強みというのは。
「センターとしてディフェンスは常に楽しみながらやっています。アタックでは内側と外側の選手のリンクになることを意識してプレーしていて、視野を広く持ちながらスペースを探してボールをそこに運んで、最終的にウイングにトライを取らせる。リンクプレーは持ち味だと思います。ただ、私自身、何か特別な武器を持っているわけではありません。ハードワークや運動量など目立たないところでチームに貢献することを大切にしています。その上でゲームの理解度、基本スキルには自信を持っているので、そういうベースが良いプレーにつながっているのかなと思います」
もともとウイングでプレーしていたので、外側の選手が求めていることがわかるのではないでしょうか。
「ウイングでプレーしていた時はセンターに向かって『ボールをくれ』や相手のディフェンスについてずっと叫んでいたように思いますね(笑)。センターをするようになり、ウイングからのコールがよく理解できますし、その時の経験は活かすことができています」

神戸Sで勝ち続けることが目標
クルセイダーズに所属していた間にはスーパーラグビー、スーパーラグビー・アオテアロア、スーパーラグビー・パシフィックで6度優勝を経験されています。神戸Sは今シーズン連覇を目指しますが、ブリッジ選手は勝ち続けるために何が大事だと思われますか。
「正しいマインドセットで毎試合ゲームに臨めるかだと思います。相手はチャンピオンチームに対していつもよりパフォーマンスを上げて絶対に倒そうとプレッシャーをかけていきます。そこに対して受け身になってしまうとやられてしまいます。100パーセントの準備をして、正しいマインドセットで戦わないといけません。自分たちから相手にプレッシャーをかけるというイメージを持って臨んでいくことが大事なことの1つだと思います」
ブリッジ選手が神戸Sで達成したいことは何ですか。
「神戸Sで勝ち続けることです!私は大の負けず嫌いです。その気持ちでこれまでやってきました。高校時代にアカデミーの選考に落ちて、家具の搬送などの仕事をしながらクラブチームでプレーしていました。いつかスーパーラグビーでプレーすることを目標に努力し、2年後ようやくクルセイダーズのアカデミーに入ることができたという経緯があります。高校卒業後すぐにアカデミーへ入った選手はレベルが高いので、彼らに追いつけ追い越せでハードワークし続けた結果、2017年にクルセイダーズと契約を結ぶことができました。そして2018年に子どもの頃から憧れだったオールブラックスに選ばれて。負けたくない一心で与えられたチャンスをひとつひとつ大切にして着実にものにしてきたという自負があります。神戸Sでも同じポジションの選手に勝って試合出場を得て、試合でも勝ちたいと思います。まずは今シーズンチームを連覇に導かせることができるよう頑張ります!」
期待しています!では最後にスティールメイツへメッセージをお願いします。
「スティールメイツの皆さん、はじめまして。皆さんと会えること、シーズンがはじまることが待ち遠しくて仕方ありません。チームメイトからスティールメイツは日本一のサポーターだと聞いていて、スタジアムで大きな歓声を聞けることを楽しみにしています。皆様の熱い応援よろしくお願いします」
インタビュー中も終始笑顔を見せながら、丁寧に言葉を紡いでいたブリッジ選手。22歳でスーパーラグビーデビューを飾り、その翌年、オールブラックスへ。華やかなラグビーキャリアの裏には、若い頃に望んでいたアカデミーに入団できず、悔しい思いをした経験があります。そこから努力を重ね、夢をひとつひとつ叶えてきました。その原動力は負けたくないという気持ちだといいます。クルセイダーズで6度の優勝経験を持つ実力者が神戸スティーラーズでどのようなプレーを見せて、チームにどのような影響を与えるのか。連覇へと向かう上でブリッジ選手は欠かせない存在になりそうです。

