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試合後のコメント

【試合レポート】 12月9日(土) NTTリーグワン2023-24第1節VS三重ホンダヒート

【試合レポート】 12月9日(土) NTTリーグワン2023-24第1節VS三重ホンダヒート

前半から怒涛のトライラッシュで大量得点を奪い、3シーズンぶりに開幕戦を勝利で飾る

昨シーズン9位という悔しさを晴らし、神戸のプライドを取り戻すシーズンがついに幕を開けた。開幕戦の相手は、今シーズン、ディビジョン1に昇格した三重ホンダヒート(三重H)だ。ニュージーランド出身で、カナダ代表やイタリア代表を率いたクローリー氏を指揮官に迎えて強化を進める。ヘッドコーチとして同氏とテストマッチで顔を合わせているレニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(以下HC)は「彼は、どのチームに行っても結果を残しています。三重Hでも大きな影響力を与え、良い準備を進めて我々に臨んでくると予想されます」と警戒する。レタリック、サベアという合流したばかりの2人のオールブラックスを先発に据えて、加えてガットランドを司令塔に、李をインサイドセンターに起用し、「現時点でベストだ」(レニーHC)という布陣で大事な開幕戦に臨んだ。
1万1419人の観客が見守る中、三重Hのキックオフで開始された試合はいきなり動く。相手がエリアを獲得するために蹴り出したキックがそれほど距離を稼げず、4分、三重H陣10m ライン付近でのマイボールラインアウト。 BKへと展開すると、CTBラウマペからパスを受けたCTB李がラインブレイク。そこから攻撃を継続し、最後はLOレタリックが中央にグラウンディング。ゴールキックも決まり、7-0。8分にPGを許すも、その直後、FLサベアの好ディフェンスから相手のハンドリングエラーを誘い、三重H陣10mライン付近右中間で神戸Sボールスクラムとなる。テンポよくボールを動かし、CTB李からラストパスを受けたCTBラウマペが左端へとトライ(10分)。難しい角度のゴールキックも決まり、14-3とする。さらに、13分には、キックカウンターから攻撃を仕掛けると、SOガットランドがスペースへとキックを上げる。CTBラウマペが反応しキャッチすると、そこから順目に繋いで、最後はエッジに立つNO8コストリーへパスが渡り、トライをマークする。19分に自陣10mライン付近での相手ボールラインアウトからグラウンドを広く使いながらボールを動かされ、トライを献上。ゴールキックも決まり、19-10とされるも、返す刀で、キックカウンターから素早く攻撃を展開。最後は大きくゲインを切ったCTBラウマペがインゴールへ転がしたボールをWTB山下(楽)が抑えてトライを決める(23分)。さらに、自陣深く入られたところでボールを奪って攻撃に転じると、CTB李がキックを転がし、敵陣深くで追いついたFB山中がさらにボールを蹴り、自らグラウンディングしたかに思えたが、ボールに触れることができなかったと判定され、ノートライに。スコアすることはできなかったが、アグレッシブなラグビーを見せる神戸Sに観客は大いに湧き上がった。残り時間は、三重Hに自陣深くに攻め込まれる場面があるも、守り切り26-10で折り返した。

勝負の後半。プレシーズンマッチでは後半に入ると、失速し、流れを失うことが多かったが、その心配は杞憂に終わる。5分、三重H陣22mライン付近での相手スクラムでフリーキックを得ると、スクラムを選択。連続攻撃から最後はLOレタリックがこの日2本目のトライをマークする。その後も、神戸Sが主導権を掌握する。WTB松永のビックゲインからチャンスを作りパスを繋いで敵陣深くへと入ったところで、相手FBがラックからの球出しを妨害し、シンビンの判定が下される。数的優位に立つ中でゴール前でのマイボールラインアウトのチャンス。はじかれたボールをCTB李がキャッチし、そのままインゴールへと突き刺さり、トライをマーク(8分)。三重Hに所属する兄の承爀と協力し招待していた神戸朝鮮小中級学校の生徒や関係者から「承信コール」が湧き上がる前で、李は喜びを爆発させる。SOガットランドが確実にゴールキックを決め、40−10とリードを広げる。さらにアクセルを踏み込む神戸Sは15分、18分に、FLサベアが立て続けにトライをマーク。メンバーを大幅に入れ替えても、流れはそのままだ。23分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込んで、松岡から代わったHO北出がトライを決める。27分に三重Hにスコアを許すも、32分、ゴール前でのラインアウトモールを押し込んで、HO北出がトライ。さらに直後の三重Hのキックオフから攻撃を展開し、FB山中がディフェンスを切り裂き、ビッグゲインすると、CTBラファエレ、WTB山下(楽)と繋ぎ、ゴール前のラックからSH日和佐がパスアウト。CTB李がキックパスすると、右端に立つHO北出がしっかりキャッチし、この日、3本目のトライをマークした。38分にも、WTB松永のインターセプトからチャンスを作り、FB山中がトライを決め、計12トライを奪い、80-15で快勝。SH日和佐の神戸スティーラーズキャップ50試合を勝利で祝った。
試合後の記者会見でレニーHCは
「アタックに関しては80分間、丁寧にやり切ることができました。ディフェンスは、三重Hのアタックが良かったこともあり、前半はゲインを許す場面がありましたが、後半は修正することができ、結果に関してはハッピーですね」と笑顔を見せていた。フル出場を果たしたサベアに関しては、80分間出す予定ではなかったと前置きしながら、「ボールキャリーでも脅威となり、試合を通じて素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。私の中では、アーディ(・サベア)がプレイヤーオブザマッチですね」と絶賛。これには、2トライをマークし、プレイヤーオブザマッチに輝いたレタリックは苦笑する傍ら、続けてレニーHCは「ガズラ(レタリックのニックネーム)とアーディは一緒にプレーしている仲間の力を引き上げてくれる選手です。今後も彼らには良いパフォーマンスを期待したい」と語っていた。
リーグワンデビューを果たしたサベアは、
「前回のワールドカップの時は、大会終了後、4ヶ月ほど休みました。今回は5週間後にラグビーをしたのですが、ファンの声援の後押しもあり、体がよく動いています。若くなった気分ですね」と冗談ぽく話した。ノエビアスタジアム神戸の雰囲気も気に入ったようで「very good!ファンの声援も素晴らしかった」とにっこり。
サベアの日本デビュー、レタリックの神戸復帰戦のほかにも、注目を浴びたのが、李と三重HのHO李 承爀の兄弟対決だ。李は「生まれ育った神戸で兄のいるチームと対戦し、マッチアップも何度かできました。家族が見ている前で対決できたのも嬉しかったです」と頬を緩めた。
試合を通じて神戸Sが圧倒していたが、決して満足はしていない。
レニーHCは「アタックに関してもこれ以上ないくらいトライを取り切ったかというと、ミスで仕留めきれなかったところもあります。ディフェンスに関しても、相手が良いアタックをしてきたこともありますが、ラインスピードを上げることができなかったところもあります。まだまだ成長できると思いますし、タフな大会で勝ち抜くためには成長し続けることが重要です」とさらなる高みを目指す。
FLサベアも「80点を取ることができましたが、15点を取られました。全体的には良いディフェンスができていましたが、15点を取られたことにフォーカスして、すべてにおいて底上げすることが重要です」とチームの伸びしろを強調した。
また、プレシーズンマッチ最終戦である花園L戦に続き、ガットランドと李、2人のスタンドオフが並んでプレーをし、李が何度もゲインを切る場面が見られた。
レニーHCは
「李のパフォーマンスも、ブリン(ガットランド)のパフォーマンスも素晴らしかった。スキルの高い10番が2人、一緒にグラウンドに立つことは、状況判断の面でもチームにとってプラスです」と話す。
李は「ブリンがフォワードをオーガナイズして、僕が外側のバックスとコミュニケーションを取りながら、目の前のスペースなどを伝えています。10番のブリン、13番のナニ(・ラウマペ)とコミュニケーションが取れていますし、僕自身、10番をやっているので、ブリンがどういう状況でどういうコールがほしいか等、よく理解しています。12番でプレーしていて、すごくいい手応えを感じています」と話していた。
ガットランドも「互いにコミュニケーションを取りながら、良い連携が取れていますね」という。2人が一緒にプレーできることもチームの強みになっている。
今日の試合では、2年目の松永の躍動、1年目とは思えぬパフォーマンスを見せていたコストリー、ハットトリックを決めた北出など、グラウンドに立つ全員が生き生きとプレーしていた。
今シーズンの神戸は違う。
そうはっきり感じてもらえた一戦になったのではないだろうか。次節の静岡ブルーレヴズ戦でもSteel Matesに同じ思いを抱いてもらえるよう、神戸Sは良い準備をして戦いに臨む。

〜NEXT GAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第2節
12/17(日)14:00 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズ vs 静岡ブルーレヴズ
@ヤマハスタジアム(静岡)

〜NEXT HOSTGAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第3節
12/24(日)15:00 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズ vs 東芝ブレイブルーパス東京
@ノエビアスタジアム神戸
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