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試合後のコメント

4月14日(金)「NTTリーグワン2022–23」第15節花園近鉄ライナーズ戦試合レポート

4月14日(金)「NTTリーグワン2022–23」第15節花園近鉄ライナーズ戦試合レポート

今季2度目「関西ダービー」、後半に連続トライを奪われ、逆転負けを喫す

第14節終了時点で花園近鉄ライナーズは12位、神戸スティーラーズも負けが先行し9位と、共に苦しいシーズンとなっているが、今季2度目の「関西ダービー」が、4月14日、花園ラグビー場にて行われた。今節は、PR山本がリーグ戦通算100試合目の節目を迎えるゲームである。勝利で祝いたいところではあったが、白熱の一戦は、神戸スティーラーズにとって、応援していただいたSteel Matesにとっても悔しい幕切れとなった。
試合前日にPR具とCTBバックマンの負傷により、司令塔にはワッカ、李がCTBに入った。また、試合前のウォーミングアップでWTBモエアキオラが怪我をし、代わりに中がスタートから出場するというアクシデントにも見舞われた。
SOワッカのキックオフではじまった前半は、立ち上がりこそ反則が立て続けに出て、PGで先制を許すも、以降は神戸スティーラーズが主導権を握る。9分、敵陣10mライン付近のマイボールラインアウトからBKへと展開し、キックを織り交ぜた攻撃で、最後はFB山中がトライラインを駆け抜ける。3分後には、ハーフライン付近のスクラムからWTB山下、CTB李がラインブレイクしチャンスメイクすると、連続攻撃を仕掛けて、SH中嶋がトライをマークする。守っては、キャプテン橋本が気迫のプレーで反則を誘発し、敵陣でのプレーが続く。22分、花園L陣22mライン付近での相手ボールのラインアウトがノットストレートになると、神戸ボールスクラムからFW、BK一体となった攻撃で、最後はゴール前ラックからSH中嶋、PR前田とつなぎ、ラストパスを受けたHO松岡がトライ。ワッカのゴールキックも決まり、19–3とリードを広げる。その後も幾度となくゴール前に迫るも、スコアするまでには至らない。待望の追加得点は、42分。敵陣ゴール前でのマイボールラインアウトが乱れるも、ボールを再獲得し、FWの力強いプレーで前進。ラックからSH中嶋、FB山中とつないで、最後はCTB濱野がトライ。ゴールキックも成功し、26–3で折り返した。

花園Lのキックオフではじまった後半、戦況が一変する。ハーフライン付近での相手ボールスクラムで反則を犯すと、5分、自陣22mライン付近の花園Lボールラインアウトから攻撃を展開されトライを献上。9分、神戸陣10mライン付近での花園Lボールスクラムから素早く繋がれてトライを許すと、14分にも神戸陣22mライン付近の花園Lラインアウトから攻め込まれて失トライ。ゴールキックも決まり、26–24とされる。これ以上の失点が許されない中で、16分、中島から代わったばかりのPR山本のタックルが危険なプレーとみなされ、イエローカードが提示される。相手の勢いが増す中で、反則により、23分、PGで加点され、26–27と逆転を許す。勝利を求めて懸命に戦う神戸スティーラーズは、27分、敵陣10mライン付近のマイボールラインアウトから攻め込む。パスが乱れるも、ボールをつないで、CTB濱野からパスを受けたWTB山下がインゴールへ。ゴールキックも決まり、33–27と試合をひっくり返す。残り10分は、防御の時間に。31分には、花園Lボールのスクラムで反則を取られると、自陣ゴール前での相手ボールラインアウト。花園Lにゴール前まで攻め込まれるも、粘りのディフェンスでゴールラインを死守する。その後も自陣深くまで入られるも、必死のディフェンスで凌ぎ切る。しかし、終了間際に、自陣22mライン付近で反則を犯すと、ゴール前で花園Lボールのラインアウトに。守り切りたいところだったが、モールを押し込まれて前進を許し、トライを献上。ゴールキックも決まり、33–34で勝利を逃した。

後半に4本のトライを許し、逆転負けという結果を受け、ホルテンヘッドコーチは
「前半は自分たちのラグビーができ、スコアを重ねることができたのですが、後半に入り、ミスや規律が守れず、相手にチャンスを与えてしまった。また、前半は優位に進められていたエリアマネジメントも陣地を下げられるなど、相手に勢いを与える状況になってしまった」と後半の戦いを悔やんだ。キャプテンの橋本は、「簡単にトライを取られ過ぎてしまった」と話すと、李は「横の選手とうまくコネクトできなかった」とディフェンス面での反省を述べる。攻撃面については、「セットプレーからのアタックで同じ絵を見ることができなかったですし、絶対にミスしてはいけないシチュエーションで崩れてしまっています」と李。
セットプレーに関して、後半はスクラムがプレッシャーを受ける場面もあった。メンバー変更に伴い、リザーブでの出場となったPR山本は、
「良い準備をして、高いモチベーションで試合に臨みましたが、急な変更に対応できなかったところがありました」と語り、また自身のシンビンに対して「チームを苦しめるようなことをしてしまった」と反省する。
今シーズンは、規律の面やミスで流れを失う試合が多く、なかなかチームとして成長できずにここまで来てしまった。
「課題は常に一緒で…。チームとして見直して、今シーズン最後の試合は、Steel Matesのためにも勝って終わりたい」(李)
今節で神戸スティーラーズは、7点差以内の敗戦で勝ち点「1」を獲得。10位の三菱重工相模原ダイナボアーズが敗れ、勝ち点が「5」差になり、直接対決で勝利していることから、入替戦の回避が確定した。
山本は「シーズン前に目指した目標から大きくかけ離れてしまっています。残り1試合、やるべきことをやって勝利して来シーズンにつなげたい」と気合いを込めた。
最終節は、4月23日(日)花園ラグビー場での横浜キヤノンイーグルスとのホストゲームだ。相手はプレーオフ進出がかかる重要な戦いだが、神戸スティーラーズはSteel Matesにこれ以上悔しい思いをさせるわけにはいかない。今シーズンのラストゲーム、神戸の意地とプライドを賭けて全力でぶつかる。

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