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試合後のコメント

4月7日(金)「NTTリーグワン2022–23」第14節東京サントリーサンゴリアス戦試合レポート

4月7日(金)「NTTリーグワン2022–23」第14節東京サントリーサンゴリアス戦試合レポート

悪天候の中で接戦を演じるも今一歩力及ばず、今シーズン9敗目

前節から1週間の休養週を経て、4月7日、神戸スティーラーズは10勝3敗で3位につける東京サントリーサンゴリアスと対戦した。ホストゲームとして行われた第4節では19–39で敗れていることもあり、なんとしても勝利をもぎ取りたいところ。敵地でのリベンジを誓って、東京・秩父宮ラグビー場に乗り込んだ。

直前まで降り続いた雨は小康状態となったが、風は依然として強いまま。コイントスにより神戸スティーラーズは前半、風上に立つことになった。試合は、第9節で負傷し5試合ぶりに戦線へと復帰したSO李のキックオフではじまった。相手の反則により、神戸スティーラーズは開始早々、敵陣ゴール前10m付近でのマイボールラインアウトのチャンスを掴む。しかし、HO松岡の放ったボールは相手の手中に。その後も、雨と強風という難しいコンディションの中で、マイボールラインアウトを立て続けに奪われてしまう。一進一退の攻防の後、
11分、相手のハンドリングエラーにより、敵陣22mライン付近でマイボールスクラムを得る。SH中嶋がCTBラファエレにつなぐと、ラックから中嶋が右サイドへロングパス。タッチライン際に立つNo.8サウマキがパスを受け、インゴールまで走り切り先制のトライをマークする。SO李のゴールキックも決まり、7–0。そのまま自分たちのペースに持ち込みたいところだったが、神戸陣22mライン付近のマイボールスクラムで反則を取られると、18分、ゴール前ラインアウトからサインプレーでトライを献上。ラインアウトと同様にスクラムも安定せずプレッシャーを受ける状況も、SO李やFB山中がキックを巧みに使ってエリアをコントロールする。28分には、敵陣22m付近マイボールラインアウトから攻め込み、SH中嶋からラストパスを受けたWTBモエアキオラがパワフルな走りでインゴールへと飛び込む。ゴールキックも決まり、14–5とリードを広げた。だが、立て続けに不用意な反則が出てしまい、34分、自陣22mライン付近での相手ボールラインアウトになると、そこから展開され、失トライ。ゴールキックも決まり、14–12と2点差に。終了間際、東京SGに自陣深くに入られる場面があるも守り切り、14–12で折り返した。

勝負の後半、先に得点したいところだったが、相手キックオフをキャッチしたところでプレッシャーを受け、反則を犯してしまう。2分、PGで加点され、14–15とリードを許す。7分、神戸スティーラーズは、敵陣10m付近中央でPGのチャンスを得るも、李のキックは強風の影響もあり、ポールに当たって失敗に終わる。再び強い雨が降る中、CTBバックマンの気迫あふれるディフェンスから反則を誘ったり、WTBモエアキオラがラインブレイクしたりと好プレーがあるも、なかなかスコアに結びつかない。15分には、相手のキーマンの1人、WTBリーに走られ、トライを奪われてしまう。ゴールキックも決まり、14–22に。その直後、GO GO!KOBEの後押しを受けて、神戸スティーラーズがアタッキングラグビーを展開。フェイズを重ねて、ゴール前まで攻め込み、最後はCTBラファエレが裏へとキックを転がす。ここはトライにつながらなかったが、大きな歓声が湧き上がった。その後も敵陣でプレーし続け、69分、PGで得点し、17–22と5点差にまで迫る。雨がさらに激しくなる中で、東京SGのキックオフ。カウリートゥイオティがキャッチしたところでプレッシャーを受けて痛恨の反則を犯してしまう。そこで、PGを決められ、再び8点差に。残り10分、神戸スティーラーズはキックを使って敵陣へと入り、懸命に戦うも、ゴールラインは遠く、そのままノーサイド。勝ち点を積み上げることができずに今シーズン9敗目を喫した。

ホルテンヘッドコーチは「このような天候の中でスタジアムに駆けつけてくれたSteel Matesや東京SGのファンの方々に感謝を述べたいと思います」と頭を下げた。試合に関しては「山中と今日が復帰戦となった李。2人のゲームコントロールもあり、後半、風下にもかかわらず相手陣でプレーする時間が長かったのですが、セットプレーでのミスやブレイクダウンでのターンオーバーなどがあり、スコアすることができなかった。ただ、今日の選手たちのパフォーマンスは誇りに思います」と接戦を演じた選手たちを労った。
キャプテンのFL橋本は「重要な局面で反則やミスを犯してしまった」と敗戦の要因を語る。
特にスクラムやラインアウトが安定せずに、チャンスを失う場面も多かった。
スクラムについてHO松岡は、「東京SGの組み方になかなか対応できなくて…」と唇をかむ。ラインアウトに関して、橋本は「この天候なので、後方に投げることができない。それに、相手には身長の高い選手がいる。厳しい状況ではありました。ただ、相手がどうこうというよりも、自分たちが中途半端なプレーをしてしまって、ボールを奪われたり、ミスしたりしてしまいました。スクラム、ラインアウトともに修正しないといけません」と反省を口にした。
第4節のリベンジを、また今節を含めて残り3試合全勝を目指していただけに、悔やまれる一戦となった。しかし、今節からSO李が復帰し、ホルテンヘッドコーチは「本人だけでなく、チームにとっても喜ばしいことだ」と述べ、この日のパフォーマンスについても素晴らしかったと評価する。
SO李は「怪我から復帰し、改めてラグビーができる喜びを噛み締めながらプレーしました」と笑顔を見せる。試合では、雨と風の中で敵陣に入ってプレーできるようエリアマネジメントすることやさまざまな種類のキックを使いながら相手にプレッシャーをかけることを意識していたと振り返った。その上で昨シーズンまでチームメイトだった東京SGのSOクルーデンと対峙し、「クラッツ(クルーデン)のキックの使い方から学ぶことも多く、今日の試合を経験し、成長できたように思います」と自信を深めた。
残り2試合で、神戸スティーラーズは9位。入替戦に回る10位の三菱重工相模原ダイナボアーズとは勝ち点「4」差だが、「入替戦は気にせずに自分たちのラグビーをして勝利することだけを考えます」と李。神戸スティーラーズは残り2試合、神戸ラグビーをやり通して、Steel Matesに勝利を届ける。

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