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試合後のコメント

2月5日(日)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第7節三菱重工相模原ダイナボアーズ戦試合レポート

2月5日(日)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第7節三菱重工相模原ダイナボアーズ戦試合レポート

チーム一丸となって戦い、連敗を脱出!勝ち点「5」をもぎ取る。

前節でトヨタヴェルブリッツに敗れ、3連敗を喫した神戸スティーラーズ。3連敗は2017年度以来だ。チームの危機にキャプテンの橋本は「雰囲気が暗くなっていたこともあり、リーダー陣と話し合って、ポジティブな声かけを意識してやっていました」と話す。相手は、今シーズン、ディビジョン1昇格1年目ながら、トヨタヴェルブリッツや東芝ブレイブルーパス東京を破るなど、好調ぶりを見せる三菱重工相模原ダイナボアーズだ。試合に向けて2021年度トップリーグプレーオフトーナメント以来の公式戦出場となるSH徳田は「相手は勢いに乗っています。2本3本と立て続けにトライを取られて勢いづかれると怖いですし、僕らはたとえトライを取られたとしても気持ちを落とさずに、相手に流れを渡さないようにしないといけません」と語った。今節は「勝つ」という気持ちを前面に出して、80分間「神戸ラグビー」をやり続けようと意思統一し、チーム一丸となって試合に臨んだ。

相手のキックオフではじまった試合は、神戸ペースで進む。6分、相模原DB陣ゴール前でのマイボールラインアウトから展開し、トライラインへと迫ると、最後はLOシカリングがボールを持ち出し先制トライ。その後も神戸スティーラーズは自陣から攻撃を仕掛け、20分には、この試合が神戸デビューのCTB濱野がディフェンスを破り、約40m走り切りトライをマークする。SO李のゴールキックも決まり、14–0に。しかし、徐々に反則が増え、30分にPGを決められると、36分、自陣ゴール前でのSH徳田のプレーに、シンビンの判定が下され、10分間の一時的退出を余儀なくされる。37分にもPGで得点され、14–6。残り時間は、FWの奮闘もあり、1人少ない状況ながら、相手の攻撃をしのいで、14–6で前半を折り返した。

勝負の後半、徳田がピッチに戻るまで守り切りたいところだったが、5分、相手ボールスクラムからBKへと展開され、トライを献上する。ゴールキックも決まり、14–13と、その差は1点に。前節は後半の立ち上がりに連続でトライを奪われ、そのまま流れを失った。過ちは繰り返さないとハドルと組むと、キャプテンの橋本が「気持ちを切り替えよう」と声をかけた。ここでチームは再び息を吹き返す。11分、相模原DB陣10mライン付近での相手ボールラインアウトをターンオーバーすると、連続攻撃を仕掛けて、CTBバックマンからのロングパスを受けたFLサウマキがラインブレイク。WTB井関へとパスを繋ぐと、最後はWTB山下(楽)が右コーナーへと飛び込み、トライ。難しい角度のゴールキックを李が沈め、21–13に。14分には、相手WTBにイエローカードが出され、有利な状況となると、15分、ゴール前でのマイボールラインアウトからモールを押し込み、PR五十嵐がトライを決めた。19分にトライを奪われるも、23分、モールを押し込んでHO松岡がグラウディングすると、その2分後には、相手キックオフから攻撃を継続し、LOカウリートゥイオティがディフェンスを突破。サポートしていたSH中嶋がパスを受け、インゴールへと飛び込む。李のゴールキックも決まり、42–18とリードを広げた。30分、37分に、相模原DBにトライを許すも、34分、濱野や五十嵐と同様に、この試合が神戸デビューのHO酒木がラインアウトモールからボールを持ち出してトライを決める。神戸スティーラーズは、計7本のトライを奪い、最終スコア49–30で勝利を収め、連敗から脱出した。

ノーサイドの瞬間、選手だけでなく、スタンドのSteel Matesも笑顔が弾ける。
ホルテンヘッドコーチは「まずは勝てて良かった」と安堵した後、「今日はこれまでの試合とは違い、戦う姿勢を見せることができた」と勝因を語った。勝敗を分けるポイントになったのは、後半5分、1人少ない状況で相手にトライを許した後。ここで気持ちを落とすことなく、その後も「勝つ」という強い姿勢を持ってプレーし続けることができたことだと話した。また、この試合では、4選手(濱野、五十嵐、酒木、マヒナ)が神戸デビューを飾り、躍動した。前半20分にトライを決めたCTB濱野は「緊張をしていたのですが、キックオフのボールをキャッチして相手からタックルを受けた瞬間、スイッチが入りました。トライは、(山下)楽平さんから『走れ』と声をかけられて、自信を持って走りました。これからも試合に出続けて、チームの勝利に貢献したいです」とはにかんだ。

前節でリザーブに入りながらも出番がなかったHO酒木は「今日こそはと思っていました。トヨタV戦の翌日に行われたトレーニングマッチで持ち味であるスピードやパスでアピールできたので、今日も試合に出たら、強みを見せようと思っていました。先発の前田(翔)、リザーブの(松永)貫汰、Q(クイントン・マヒナ)といった同期と一緒に試合に出られて嬉しかったですし、これからも若手でチームにエナジーを与えられるように頑張ります」と話した。マヒナは「後半34分からの出場ということもあり、1度しかキャリーできなかったのが残念ですが、同期と一緒にプレーできて良かったです。これからもチームの一員としてアタック、ディフェンスで貢献できるようにしたい」と笑顔。

横浜キヤノンイーグルスから移籍し、ようやく神戸でのファーストキャップを獲得したPR五十嵐は、「1点差に迫られたところで投入され、流れを変えたいという思いがありました。これまでの試合では、なかなかモールからトライを取れなかったのですが、今日は3本奪うことができました。練習中からモールの安定に取り組んでいましたので、それを試合で出すことができて良かった。これは今後の試合につながります!」とFWとしてモールの安定に手応えを感じた様子だった。

ホルテンヘッドコーチは、「デビューを飾った選手らがチームに情熱を与えてくれて、チーム一丸となって戦うことができた」と振り返る。彼らの活躍は、今後の戦いに向けて明るい材料だ。もちろん、今日は勝利することができたが、チームとして、まだまだ課題も多いことも確かである。

「トライ後のキックオフレシーブからの攻撃でミスをし、流れを持っていかれた場面もありました。ディフェンス面も少しずつ改善していますが、もっと良くなります」とホルテンヘッドコーチ。

次節は、1週間の休養週を経て、2月19日(日)、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場にて静岡ブルーレヴズと対戦する。今節よりもさらに成長した姿を見せることができるよう、2週間かけて取り組んでいく。

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