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試合後のコメント

1月29日(日)トレーニングマッチ トヨタヴェルブリッツ戦試合レポート

1月29日(日)トレーニングマッチ トヨタヴェルブリッツ戦試合レポート

気持ちを前面に出して「神戸ラグビー」をやり切り、逆転に成功

リーグワン第6節で逆転負けを喫した翌日、灘浜グラウンドにトヨタヴェルブリッツを迎えて、トレーニングマッチを行った。公式戦出場を渇望している選手、怪我から復帰を果たした選手にとって、絶好のアピールの場になる。また、トレーニングマッチとはいえ、勝って連敗中のチームに勢いをもたらしたい。

風下に立った前半、SO日下のキックオフで試合が開始された。3分、トヨタV陣10mライン付近中央でのマイボールスクラムから左へと展開し、CTB濱野がタックルを受けながらWTBマヒナにオフロードパス。マヒナがラインブレイクし、最後はサポートしていたFB井関にパスをつなぎ、先制トライを決める。その後、自陣で反則が重なり、9分、22mライン付近のトヨタVボールラインアウトからキックを絡めた攻撃を仕掛けられトライを献上。5–5とゲームは振り出しに戻る。12分、敵陣でゴール前ラインアウトのチャンスを得るも、ノットストレートに。この後、相手ボールスクラムでプレッシャーをかけ、ボールを奪うと、FWが体を当てて少しずつ前進。しかし、ボールを持ち込んだFL前田(剛)が反則を取られてしまう。ゴール前まで迫るも取り切れずに、逆に17分、神戸陣22m付近から速攻を仕掛けられてトライを許し、リードを奪われる。強風の影響でキックが押し戻されるなど、なかなかエリアを取れない中で、28分、ゴール前でのスクラムからNo.8が抜け出すと、そこからパスをつながれ、追加得点を許す。ゴールキックも決まり、5–19に。

「いつもだったら、ここで終わっていたと思いますが、絶対に失速しないようにしようと皆で言い合っていました」と試合後、ゲームキャプテンを務めるSH徳田が話したように、神戸スティーラーズが踏ん張りを見せる。自陣22mライン付近でCTB池永がプレッシャーをかけ、相手の反則を誘って敵陣へ。35分、22mライン付近のマイボールラインアウトから展開し、FL井上がトライをマーク。ゴールキックも決まり、12−19。1トライ1ゴール差で前半を折り返した。

風上に立った後半。それまでの鬱憤を晴らすかのような怒涛の攻撃を開始する。5分、敵陣ゴール前中央でのマイボールスクラムから左へ展開し、最後WTBマヒナ選手がインゴールへ。さらに、3分後、ゴール前ラインアウトからモールを押し込んでHO山田がトライ。22−19と逆転に成功する。その後もグラウンドに立つ選手全員が80分間、神戸ラグビーをやり切ろうと高い意識で臨み奮闘する。20分には、トヨタV陣22mライン付近スクラムからSH小畑がパスアウトしたボールを日下が受けると、スペースを突いて、そのままゴールラインを駆け抜ける。左端の難しい角度のゴールキックも決め、29−19と差を広げた。勢いがついた神戸スティーラーズは、攻撃の手を緩めず、24分にはFL井上のキックチャージからボールをつないで、最後はCTB池永がトライをマーク。さらに35分にも、井関が自身にとってこの日2本目となるトライを決め、そのまま43—19でノーサイド。後半は、相手を0点に封じ、勝利を収めた。

昨年11月5日のプレシーズンマッチ初戦で怪我をし、この試合が復帰戦となったSH徳田は「チーム状況があまり良くない中で、エナジーを与えたいと思いがありました。結果として勝つことができ嬉しく思います」とまずは勝利を喜んだ。続けて試合について「前半は風下でしんどい展開でしたが、我慢し続け、35分に1本トライを返すことができました。それが、後半の反撃につながったのだと思います。今のチームは、どこかで緩む時間があって、そこでトライを取られたら、そのまま盛り返すことができずにいます。今日は、そういう時間を作らずに、神戸ラグビーを80分間やり続けることができたことが勝てた要因だと思います」と胸を張った。80分間、攻撃のタクトを振ったS0日下も「前半、苦しい状況の中でトライを取って、もう一度戦うマインドになりました」と話し、自身のパフォーマンスについては「もともとCTBだったので、自分で仕掛けるところを大事にしています。ゲームをコントロールする部分と仕掛けるところのバランスを今日はうまくできたと思います」と手応えを感じた様子。

第6節でメンバーから外れたFB井関は、悔しさをこの試合にぶつけたと話す。試合メンバーに再び戻ることができるよう、積極的にボールに絡み、ボールキャリーを見せようと臨んだ。

「出場に向けてアピールができましたし、試合にも勝てて最高ですね」

そう話し、笑顔を見せていた。

この試合ではスクラムの安定感も光った。一昨年11月に怪我をし、1年3ヶ月ぶりに試合に出場したPR渡邉は「久しぶりに楽しかったですね!」と声を弾ませた後、「40分でスタミナが切れてしまいましたが、手応えを感じた一戦になりました」とも。

また、新加入のLOコストリーも80分間出場し、攻守での活躍が目立った。

コストリーは「本来のポジションはFLなので、LOは慣れていないのですが、アタックでもフットワークを見せることができましたし、ディフェンスもラインスピードを上げて相手を倒すなど、良いところをたくさん見ることができました」と語っていた。

グラウンドに立つ全選手が気持ちを前面に出して戦い、掴んだ勝利。このトレーニングマッチでの白星を浮上のきっかけにしたい。

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