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試合後のコメント

1月21日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第5節クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦試合レポート

1月21日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第5節クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦試合レポート

前節からディフェンス面が修正され、今季最少失点も4点差で悔しい敗戦

1月21日(土)コベルコ神戸スティーラーズは、3勝1分で2位につけるクボタスピアーズ船橋・東京ベイと対戦した。相手は、南アフリカ代表58キャップを誇るHOマルコム・マークスや日本代表のFLピーター・ラピース・ラブスカフニといったトップクラスの選手がFWに顔を並べ、BKにもオーストラリア代表75キャップ、経験豊富なSOバーナード・フォーリーや昨シーズン新人王に輝いたWTB根塚洸雅といったタレントがそろう。第3節GR東葛戦での負傷から復帰したキャプテンの橋本は「S東京ベイは間違いなく強いチームです。特にFWは、リーグワン1の大きさ、強さですので、フィジカルバトルで受けることなく、前に出て、ボールを動かしてトライを取る。また前節の東京SGで出たディフェンス面の課題も修正してきました。精度高く守って相手に好きなことをさせないようにしたい」と気合いを込めた。試合メンバーは、第1節から第4節までの戦いで圧倒的な突破力を見せていたラウマペ、攻守で質の高いプレーをしてチームに貢献していたリトルの両CTBを怪我で欠いたが、スキルレベルが高く、ブレイクダウンでも存在感を発揮するバックマンが今季初出場。WTBには、これまでNo8で出場し3トライをマークするモエアキオラが入り、必勝を誓った。

S東京ベイのキックオフではじまった試合は、開始早々、自陣22mライン付近でミスが出てボールを奪われてしまう。ここは相手に反則が出て、ピンチを脱するも、その後もラインブレイクを許したり、スクラムでプレッシャーをかけられて反則を犯したりと、自陣に釘付けとなる。7分には、自陣ゴール前ラインアウトで相手ボールラインアウトになるも、LOシカリングがモールでペナルティを誘い、チャンスの芽をつむ。なかなか敵陣に入れず、ディフェンスの時間が続いたが、S東京ベイの攻撃を15人がやるべきことを全うし、トライラインを割らせない。均衡が破れたのは、22分。自陣10mライン付近でのスクラムからボールを展開され、22mライン中央で反則を犯してしまう。そこでS東京ベイはショットを選択し、PGでの先制を許す。その直後、神戸スティーラーズはハーフライン付近のカウンターアタックからボールを素早くつないで、最後はFLサウマキがディフェンスに絡まれながらも前進し、インゴールへと飛び込みトライ。SO李のゴールキックも決まり、7-3とする。しかし、リードしたのも、つかの間、3分後には、自陣深くでターンオーバーを許し、連続攻撃を仕掛けられてトライを献上。ゴールキックも決まり、7–10と再び追いかける展開に。息を飲むような攻防が繰り広げられる中、前半36分、敵陣22mライン付近でマイボールラインアウトチャンスがやってくる。モールからSH中島がBKへとボールをつないで、FB山中が大外のWTBモエアキオラにパスを放つと、そのままインゴールまで一直線。

トライかと思われたが、モール内でノックオンがあり、ノートライに。一連の流れで相手に反則があり、神戸ボールになるも、マイボールラインアウトでスティールされるなど、ミスが出て追加得点を奪えずに、7–10で折り返した。

神戸スティーラーズのキックオフではじまった後半。いきなり相手にビッグゲインを許し、トライを奪われ、7–15とリードを広げられてしまう。12分にも、PGで追加得点を許したが、15分、敵陣22mマイボールスクラムから素早いボールリサイクルで展開し、最後はSO李が右端にいたWTBモエアキオラにキックパス。モエアキオラがしっかりキャッチすると、インゴールへとダイブ。難しい角度のゴールキックを李が沈めて、14–18と4点差に。22分、ラインアウトモールを押し込まれて、14–25と差を広げられるも、神戸スティーラーズはすぐさま取り返す。26分、敵陣22mライン付近マイボールラインアウトからモールを押し込んでゴール前に迫ると、そこから展開し、最後はNo.8クッツェーが力技でトライ。ゴールキックも決まり、再び4点差に。WTBモエアキオラが負傷し、中島がWTB、日和佐がSHに入るというアクシデントに見舞われるも、残り時間、逆転を目指して懸命にプレーする。72分には相手ラインアウトを奪って、サウマキがラインブレイク。敵陣深く入るも、パスがつながらず、ノックオン。ここは相手ボールのスクラムになるが、S東京ベイが反則を犯すと、日和佐が速攻を仕掛ける。連続攻撃で前進するも、ハンドリングエラーが出て、仕留め切ることができない。ラスト2分は、ボールを獲得したS東京ベイにFW戦で時間を使われ、ノーサイド。21–25で敗戦となった。

4点差に迫るも、追いつくことができずに惜敗という結果に、ホルテンヘッドコーチは「アタックしようとするマインドセットは見せることができたのですが、想定していた以上にディフェンスの時間が長くなってしまいました。それが最終的にガス欠につながり、こういう残念な結果になってしまいました」と述べた。キャプテンの橋本も「戦う気持ちは見せることはできたのですが、スキルエラーなどが出てしまった」と悔しそうに言葉を発した。

横浜キヤノンイーグルスから入団し、この試合で初めてスティーラーズキャップを獲得。さらにトライも決めたサウマキは「みんなのサポートのお陰でトライを取ることができました」と笑顔を見せた後、「負けたことは残念ですし、悔しいですが、今日の試合でボールを持てば、神戸は良いラグビーができることを証明したと思います。ただ、ラインアウトやスクラムといったセットプレーでボールを失うことが多かったので、そこは修正しないといけません。特にラインアウトは前節でもプレッシャーを受けていました。セットプレーでボールキープできれば、もっと良い試合ができるので、1週間かけて修正します」と課題を述べ、次節に向けて前を向いた。

今節はディフェンス面での改善が見られたことも収穫だ。

サウマキは「これまで防御網を破られてトライを奪われることが多かったのですが、この試合ではディフェンスからアタックに繋げられるシーンもありました。全体的に良いディフェンスができたと思います」と手応えを感じている。

南アフリカ出身のクッツェーは、マルコム・マークスやデーヴィッド・ブルブリングといった同国出身選手が多いS東京ベイとの一戦に「ラピースやブルブリングと久しぶりに会うことができて嬉しかったのですが、試合は、私にとって戦争です。戦士のような気持ちで試合に臨みました。S東京ベイのフィジカルの強い南アフリカ出身の選手に対し、神戸のFWが一歩も引かない激しいプレーを見せてくれて、神戸の一員であることを改めて誇りに思いましたし、結果として負けてしまいましたが、次につながる良い試合になりました」と語った。

次節は、フィジカルの強さに定評があるトヨタヴェルブリッツをホームに迎え撃つ。現在、トヨタVはリーグ戦4連敗中だが、プレシーズンマッチは負けなし。12月の対戦ではノーサイド間際にトライを奪われ、逆転負けを喫した。決して侮れない相手だ。神戸スティーラーズは、今節で見せた粘り強い守りやアタッキングマインドを発揮し、3勝目を狙う。

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