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試合後のコメント

12月18日(日)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第1節横浜キヤノンイーグルス戦試合レポート

 取材日:2022年12月18日

12月18日(日)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第1節横浜キヤノンイーグルス戦試合レポート

終盤6点差に迫る粘りを見せるも、終了間際にPGを決められ、開幕白星を逃す

5ヶ月のプレシーズンを経て、12 月18日(日)、神戸スティーラーズのリーグワンの戦いが幕を開けた。昨シーズンは、開幕戦で敗れて、続く第2節も黒星。序盤の連敗が響き、その後も波に乗れずシーズンを終えただけに、リーグ戦の初戦は大事な一戦だと、皆が声を揃える。第1節の相手は、昨シーズン10勝6敗6位の横浜キヤノンイーグルスだ。11月5日に行われたプレシーズンマッチは、前半無得点に終わり、最終スコア19–39で敗れた。フィジカルの強いFW、攻撃をリードするSO田村 優をはじめ、CTBジェシー・クリエル、CTB梶村祐介といった代表クラスの選手が並ぶBK陣と、手ごわい相手に違いないが、神戸スティーラーズは1勝4敗に終わった苦しいプレシーズンマッチから課題を修正し、この一戦に向けて万全の準備を整えてきた。開幕戦で神戸ラグビーを精度高くやり切り勝利を掴んで、リーグ戦の戦いに弾みをつけたい。

南アフリカ代表として活躍する新加入のSHファフ・デクラークがリザーブに入ったこともあり、会場のニッパツ三ツ沢球技場には、8710人もの観客が集まった。

ラグビーファン注目の一戦は、SO李のキックオフで開始された。試合はFB山中がハイタックルを受け、いきなりゴール前ラインアウトのチャンスを得る。トライを取り切ることはできなかったが、相手に反則があり、再びゴール前ラインアウト。しかし、モールを押し込むことができず反則に終わり、相手ボールに。相手キックがタッチを割らず、そこから攻め込み、連続攻撃を仕掛けると、22mライン付近で相手に反則が出て、ここで神戸スティーラーズは、PGを選択。6分、李がこれを難なく沈めて、3–0。しかし、横浜Eのキックオフをノックオンすると、10分、スクラムから展開され、トライを献上。14分にもトライを許し、10–3に。リードを広げられるも、20分には、ゴール前ラインアウトを起点に、BKへと展開し、李からラストパスを受けたWTB松永が左中間へとリーグワン初トライをマーク。ゴールキックも決まり、10—12とする。その後もフィジカルを前面に出して激しくファイトする神戸スティーラーズは相手の反則を誘い、ゴール前ラインアウトのチャンスを得る。しかし、この日は、ここからゴールラインが遠い。モールアンプレアブルとなり、相手ボールになってしまう。36分、PGで追加得点を許し、10–15とされた後、反則を得て、再びゴール前ラインアウトとなるも、チャンスを生かすことができない。前半終了間際に、神戸スティーラーズはPGで得点し、13–15で折り返した。

前半の得点差が示す通り、後半も拮抗した展開となる。5分、ターンオーバーからトライを許し、13–22とリードを広げられるも、神戸スティーラーズも食らいつく。16分、自陣22mライン付近でボールを奪い、パスをつないで前進すると、最後はCTBリトルがディフェンスの裏へとキック。自らキャッチし、オフロードパスでFL橋本につないでトライ。ゴールキックも決まり、再び2点差に。26分に横浜Eが、30分に神戸スティーラーズがそれぞれトライを決めるも2点を追いかける展開が続き、残り10分。神戸スティーラーズにミスや反則が重なってしまう。34分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれてトライを許し、ゴールキックも決まり、27–36と9点差に。最後まで勝利を諦めない神戸スティーラーズは、38分、敵陣で反則を得ると、迷うことなくPGを選択し、6点差に迫る。射程圏内に入った。残り2分で逆転を目指す。しかし、相手のキックオフからの攻撃で、痛恨の反則を犯してしまう。そこで横浜Eは、PGを選択し、30–39。そのままノーサイドのホーンを聞くこととなった。

ホルテンヘッドコーチ、キャプテンの橋本は、「ミスで流れを失ってしまった」と悔しそうな表情を見せた。特に前半は度々ゴール前ラインアウトのチャンスがあったが、そこでトライを取り切れずに終わった。橋本は「押し込んだところでモールが割れてしまったり、そこから相手ボールになってしまったりしました。連携のミスがあるので、そこは1週間かけて、練習で修正していきます」と振り返った。

また、この日はスクラムでも後手を踏む場面があった。リーグワン初出場のHO松岡は、「コラプシングを2本取られてしまいました。早い段階で、レフリーとコミュニケーションを取るなどし、すぐに修正すれば良かったのですが、時間がかかってしまい、不要な反則をしてしまって…」と俯く。松岡は続けて「終盤、PGで6点差にしたところで、運動量が落ちてしまって、ブレイクダウンのところで、僕がクリーンアウトしないといけなかったのですが、そこで相手にジャッカルに入られてしまって、反則を犯してしまいました。昨シーズン、課題だったタックルは良いところが出せたのですが、ブレイクダウンはまだまだ成長しないといけません」と新たな課題が見えたと話す。昨シーズンに続き、開幕戦を落とす結果となってしまったが、ホルテンヘッドコーチは「昨シーズンの第2節では、横浜Eに、21–55と大敗しました。その時と比べると今日は6点差にまで追い上げることができました。現時点でのチームの完成度は、昨シーズンよりも高いと言えます。早い段階でアタック、ディフェンスともに100パーセントに仕上げなければいけません」と述べた。定評通り攻守でフィジカルの強さを発揮した新戦力のFLクッツェーは「細かいところでミスが重なり、チャンスを潰してしまいましたが、これはすぐに修正できます。細かいところを皆で擦り合わせ、しっかり準備をし、次節は勝利します」と力強い言葉を残した。また、ルーキーのWTB松永がリーグワンデビューと同時に、初トライをマークするなど活躍を見せたのも明るい材料だ。「外にスペースが空いていたので、(李)承信にコールしてパスをもらいました。チームで取った良いトライになりましたし、初トライは嬉しいです」と笑顔を見せる。

第2節は、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場にて、今シーズンDIVISION1に昇格した花園近鉄ライナーズを迎え撃つ。バイスキャプテンのSO李は「今シーズンも開幕戦に敗れ、Steel Matesに悔しい思いをさせてしまいました。ホストゲーム開幕戦では、自分たちのラグビーを信じて、80分間やり切って、大勢のSteel Matesの前で神戸スティーラーズは強いというところを証明したい」と闘志を燃やした。

12月24日(土)クリスマスイブは、神戸スティーラーズからSteel Matesに必ずや勝利という名のプレゼントを捧げる。

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