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試合後のコメント

12月9日(金)プレシーズンマッチvsトヨタヴェルブリッツ試合レポート

 取材日:2022年12月9日

12月9日(金)プレシーズンマッチvsトヨタヴェルブリッツ試合レポート

悔しい逆転負けも、前半は神戸ラグビーを遂行し、リーグワン開幕戦につながる一戦に。

開幕を目前に控え、最後のプレシーズンマッチが、12月9日、灘浜グラウンドにトヨタヴェルブリッツを迎えて行われた。先週の三重Hとの一戦は、11トライを許し大敗という結果に終わり、キャプテンの橋本は「短い期間でしたが、今週は特にディフェンスにフォーカスし練習に取り組んできました。しっかり周りと連携を取って良いディフェンスをし、アタックではボールをスペースに運んでトライを取り切る。今日は神戸ラグビーを見せることができるようにしたい」と意気込んだ。対戦するトヨタVは、リーグ屈指のフィジカルの強さを誇り、代表クラスの選手が多数顔を揃える。プレシーズンマッチは、負けなしの好調ぶりで、開幕前に力を試すには申し分のない相手だ。神戸スティーラーズは、日本代表のヨーロッパツアーで活躍した李を司令塔に据えて試合に臨んだ。また、急遽、先発メンバーがWTB山下(楽)から中に変更された。

前半は神戸スティーラーズペースで進む。

3分、ハーフライン付近の神戸ボールラインアウトからボールをつないで、最後は左端のCTBリトルがディフェンスをかわしてインゴールへと飛び込む。SO李のゴールキックも決まり、7-0。7分には、トヨタ陣10mライン付近でターンオーバーすると、素早い攻撃を仕掛け、最後はリトルからパスを受けたWTB井関がトライをマークする。その後、トヨタVに攻撃を仕掛けられるも、粘りのディフェンスでゴールラインを死守する。トヨタVの神戸陣ゴール前ラインアウトからの攻撃では、LOシカリングがカウンターラックを仕掛けてボールを奪う場面も。再三のピンチをしぶとく凌ぐと、19分、トヨタ陣22mライン付近のマイボールスクラムからNo.8モエアキオラがボールを持ち出し、左へと展開。最後はSO李からラストパスを受けたWTB中がタックルを受けながら力強い走りで左コーナーへとトライ。17−0とリードを広げる。その後、ゴール前で速攻を仕掛けられてトライを許すも、前半の失点はこの1本のみ。36分に認定トライをもらうと、39分には、トヨタVのキックオフをキャッチすると、自陣から果敢に攻撃を仕掛け、リトルがディフェンスを突破しラインブレイク。サポートしていたCTBラウマペにボールが渡ると、相手を弾き飛ばしながらインゴールへ。神戸スティーラーズは前半だけで5トライを奪い、31−7で折り返した。

後半は一転、トヨタVの流れとなる。

序盤からハンドリングエラーやラインアウトでノットストレートが出るなど、ミスが続く。10分、ハーフライン付近のトヨタVボールラインアウトから攻撃を仕掛けられてトライを献上。それまでの粘りのディフェンスが影を潜めて簡単に突破される場面が目立つようになる。22分、ゴール前でフリーキックから速攻を仕掛けられ、トライを許すと、さらに、33分にもトライを奪われて、31−26と5点差まで詰められてしまう。反則やミスが出て、なかなか敵陣に入れない中で、懸命のディフェンスを見せ、試合終了間際、強烈なタックルからノックオンを誘う。自陣ゴール前でのマイボールスクラム。ここを凌ぎきればという場面で、トヨタVにスクラムを押し込まれてボールを奪われてしまう。そこから右へと展開され、同点のトライを献上。難しい角度のゴールキックを決められ、31−33でノーサイド。三重H戦と同様に後半は無得点に終わり、悔しい逆転負けとなってしまった。

ホルテンヘッドコーチは「自分たちのミスで相手にボールを与えてしまっています。また、ディフェンスの精度も高めないといけません」と試合で出た課題について言及。開幕に向けて「今日は、35分くらい自分たちのやりたい神戸ラグビーができたのですが、それを80分間通してできるようにならないと。そういう状態になるには、まだまだ成長しないといけませんが、残り1週間で、最低でも今日よりも長い時間、自分たちのラグビーができるように準備します」と語った。

敗戦となってしまったが、前半に見せた自陣ゴール前でのディフェンスの粘りやスピード感あふれるアタックなど、収穫も多かった。ホルテンヘッドコーチは「ここ数試合、うまくいってなかったFWの接点でのバトルで勝つことができ、前に出ることができたことも良かった」とも話す。

キャプテンの橋本は「これまでで一番神戸らしさを出す時間が長かったと思います。それだけに後半、ミスや反則で流れを手放してしまったことが悔やまれます。神戸ラグビーを80分間遂行すれば、勝てると信じていますので、開幕ではそれができるように準備していきます」と前を向いた。

日本代表での活動の後、2週間のオフを経て、1週間前に合流したバイスキャプテンのSO李も「個人的にはうまくスペースにボールを運べて、アタックの面では収穫がありました。個人としても、チームとしてもまだまだ成長しないといけないですが、前半は良いラグビーができて、開幕戦につながる試合ができたと思います」と手応えを感じた様子。

プレシーズンマッチは1勝4敗と苦しい戦いが続いたが、そこから学ぶものも多かったと先発出場を果たした3年目のHO松岡は話す。

「昨シーズンのプレシーズンマッチは順調だったのですが、結局、開幕戦で敗れてしまったという経験があります。今シーズンは、プレシーズンマッチで思うようなラグビーができず、たくさんの課題が出て、全員で何度も話し合いを重ねてきました。そのミーティングの成果が出て、今日は敗れましたが、成長を感じられる試合になったと思います。チームに修正力がついたと思いますので、この経験をリーグにいかしていきたいです」

松岡はそう語った。

最後に若手の3選手のリーグワンに向けての意気込みを紹介する。

19分にトライを決めたWTB中は「プレシーズンマッチでこれまでトライがなかったので、今日はトライを取ろうと思っていました。トライをマークできたことは良かったですが、もう何本か取れたシーンがあったので、そこが悔やまれます。今シーズンは、昨シーズンのプレシーズンマッチよりも試合に出る機会が多く、経験を積むことができました。『やれる』という自信もつきましたので、開幕戦からメンバーに入れるようにアピールしていきます」と宣言した。

プレシーズンマッチ3試合に出場し、この一戦でもスピードある走りを見せていたルーキーのFB松永は「大分で行われた横浜E戦は、約1年ぶりの試合ということもあり、ゲーム感がなくて、パフォーマンスがよくなかったのですが、試合を重ねるごとに感覚が戻ってきました。タックルの精度やアタックでもサポートの部分など、まだまだ課題はありますが、フィジカル面は通用すると手応えを感じることができました。いつでも試合に出られるように準備して、リーグワンに臨みます」と気合を込めた。

松岡は「今シーズンのプレシーズンマッチは先発で出る機会が多くて成長を感じることができました。リーグワンもプレシーズンマッチと同じように、先発で出る準備はできています!まずは開幕スタメンを勝ち取れるように練習から自分の仕事を全うしコーチ陣にアピールします」ときっぱり。

神戸スティーラーズの開幕戦は、12月18日(日)、ニッパツ三ツ沢競技場にて横浜キヤノンイーグルスとの対戦だ。橋本は「昨シーズンのリーグワンでは、2度目の対戦は勝利することができましたが、敵地で行われた第2節で大敗したことを忘れてはいません。簡単な相手ではないことは全員がわかっています。開幕戦で勝利し、勢いに乗れるよう良い準備をして臨みます!」と開幕必勝を誓った。ビジターゲームではあるが、大事な一戦をSteel Matesの力強い応援でチームを勝利へと後押ししてほしい。

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