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試合後のコメント

12月3日(土)プレシーズンマッチvs三重ホンダヒート試合レポート

 取材日:2022年12月3日

12月3日(土)プレシーズンマッチvs三重ホンダヒート試合レポート

ディフェンスを崩されて思わぬ大敗。課題を修正し最後のプレシーズンマッチに臨む。

12月3日、灘浜グラウンドに三重ホンダヒートを迎え、プレシーズンマッチを行った。三重Hは、今シーズン、金井 健雄や重 一生といった神戸スティーラーズでプレーした選手を含む15人の新戦力が加入し、ディビジョン1昇格を目指す。神戸スティーラーズは、酒木、前田、マヒナといったルーキーが先発出場。日本代表から帰ってきた具、小瀧がリザーブに名を連ねた。

三重Hのキックオフではじまった試合は、いきなり動く。神戸スティーラーズはキックオフのボールを展開。自陣10mライン付近でパスが乱れて、相手に拾われるとボールを繋がれ、先制のトライを献上する。ノーホイッスルトライとなってしまったが、神戸スティーラーズはすぐさま反撃。2分、相手のキックをSOラファエレがキャッチするとFB井関へと繋いで攻撃を開始する。ボールを継続し、WTBマヒナがディフェンス突破すると、裏へとキック。サポートしていたSH小畑がボールを拾い上げて、そのままインゴールを駆け抜ける。ラファエレのゴールキックも決まり、7–5。8分には、ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、HO酒木がトライをマークする。神戸らしいアタッキングラグビーが炸裂したのもつかの間、三重Hに15分、24分、26分と立て続けにトライを許し、12–24に。これ以上離されたくない神戸スティーラーズは、31分、ラファエレのキックカウンターからFW・BK一体となった攻撃を仕掛けて、最後はFB井関からパスを受けたSH小畑がこの日、2本目のトライを決める。しかし、この日の神戸スティーラーズは、簡単にディフェンスを破られる場面が目立つ。34分、神戸陣22mライン付近スクラムから左へと展開され、トライを献上。19–31で折り返した。

大幅にメンバーを代えて臨んだ後半。神戸スティーラーズが幾度となく三重Hのゴール前へと迫る。しかし、先週行われた静岡BR戦と同様、最後にミスや反則が出るなどし、トライを取り切ることができない。チャンスを生かせず、相手にボールを奪われると、そこから三重Hの猛攻がはじまる。17分、ラインアウトから攻撃を展開されると、粘りのディフェンスを見せるも、トライを奪われてしまう。その後も防戦一方となり、23分、26分、立て続けにトライを許す。29分には、ラファエレがシンビンとなり、1人少ない状況に陥り、勢いに乗った三重Hに、さらに追加得点を許してしまう。後半だけで6本のトライを奪われ、19–63でノーサイド。アタック、ディフェンスともに多くの課題が出た一戦になってしまった。

前半はフルバック、後半からはウイングのポジションに入って80分間、チームを鼓舞し続けた井関は「プレシーズン通してディフェンスの面で課題が出ていましたので、今週は改めてディフェンスシステムを確認し合って、この場面ではこういうディフェンスをしようとクリアにし、練習を重ねて試合に臨みました。しかし、試合中、ディフェンスを崩されてしまい、そこで修正し切れなくて、こういう結果になってしまいました。僕自身、すごく悔しいですし、他のメンバーも同じような思いです。また、アタックに関しても、反則やミスが起こって、なかなかボールを継続できませんでした。それでディフェンスの時間が長くなってしまったところがあります」と反省を口にした。自身のパフォーマンスについては「ボールをもらったら積極的に仕掛けることをターゲットにしていました。そういう場面では強気なキャリーができて、個人的には良かったところもありましたが、ただ、チームとしてボールを継続する機会が少なくて…。そういう場面を多く作れなかったのが残念です」と話す。

この日2トライをマークしたSH小畑は「強みのランや、トライを取ることを意識していました。その部分に関しては良かったのですが、ティム(ラファエレ)のコールと違うことをしてしまう場面があり、10番とのコミュニケーションのところで課題が出てしまって…。アタック、ディフェンスのオーガナイズがうまくいきませんでした。開幕までに改善しないといけません」と悔しそうに語った。

HO酒木、PR前田のルーキーの2人は「マイボール、相手ボールにかかわらず、すべてのスクラムに対してプレッシャーをかけていこうとしていました。最初の方はできていたのですが、試合展開もあり、体力面できつくなったところでプレッシャーをかけ切ることができなかった」とスクラムについて語ってくれた。開幕スタメンを目標に掲げる前田は「タックルなどコンタクトの場面で高くいってしまったところがあって、今日の自分のプレーには合格点を出すことはできないです。最後のプレシーズンマッチで出場機会を得てアピールできるようにしていきます」と宣言した。

怪我から復帰し、3試合ぶりに出場したキャプテンの橋本は「アタック、ディフェンスもまだまだやるべきことは多いです。特にディフェンスは、まったく連携が取れていませんでした。開幕まで2週間しかないですが、シーズン前に、このような課題が出たことをポジティブに捉えて、修正していきます」と顔を上げた。井関も同じく「学びの多い試合になりました。ここで落ち込むのではなく、みんなで前を向いて課題修正に取り組んでいきます」と力強く結んだ。

開幕まで2週間。9日には、トヨタヴェルブリッツとのプレシーズンマッチが控える。井関は

「神戸スティーラーズはアタックのチーム。ボールを継続してフェイズを重ねることができればトライを取れます。ディフェンスも課題を明確にして修正し、トヨタVのアタックを止めて、最後のプレシーズンマッチを勝利で飾りたい!」と意気込む。11トライ献上という悔しさを力に変えて、神戸スティーラーズは最後のプレシーズンマッチに臨む。

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