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第5節NECグリーンロケッツ東葛戦に勝利し、上り調子で交流戦を迎えられるかに思えたが、新型コロナウイルス陽性者が発生した影響により直近2試合が不戦敗となったコベルコ神戸スティーラーズは、現在2位につける東京サントリーサンゴリアスと対戦した。試合前、ディロンヘッドコーチは「We need win.」とひと言。埼玉WKでの怪我から復帰の山中選手は「なかなか波に乗ることができないので、東京SGに勝利し、今後の戦いへ弾みをつけたい」と意気込んだ。

東京SGのキックオフではじまった試合は、上々の滑り出しだった。序盤から神戸Sがアクセル全開で気迫のこもったプレーを見せ、守っては東京SGの反則を誘い、相手陣で試合を進める。11分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、平原選手が先制のトライを決める。しかし、ここから流れが一変。ラファエレ選手のキックを相手がキャッチすると、そこからカウンター攻撃を受けてトライを献上。その3分後にもキックカウンターからパスをつながれ、トライを許す。これ以上離されたくない神戸Sだが、24分、スクラムからの連続攻撃でゴール前まで迫るも、パスミスからボールを奪われると切り返されてトライを決められる。なんとか流れを引き戻そうとするが、反則を繰り返してしまい、33分にも相手にトライを与え、5−28で前半終了。

後半は、クルーデン選手のキックオフで開始。先に得点をしたいところだが、東京SGのペースで試合が進み、5分、17分と立て続けにトライを許し、5-42とさらにリードが広がる。このままでは終われない神戸Sはリザーブメンバーを次々と投入し、巻き返しにかかる。山中選手から代わった井関選手のゲインをきっかけにチャンスを広げると、22分、ゴール前ラインアウトから粘りの攻撃を見せ、最後はシカリング選手がインゴールへ。ようやく一矢を報いるも、その２分後、李選手の蹴ったキックからカウンターアタックを仕掛けられ、トライを許してしまう。相手の勢いをなかなか止められない中で、自陣でボールを奪い、シカリング選手がビッグゲインし、一気に東京SG陣22mラインまでエリアを取り戻す場面も。攻勢に出た神戸Sは、31分、東京SG陣22mライン付近のラインアウトから攻撃を展開し、最後は李選手からの飛ばしパスを受けたモエアキオラ選手がトライをマークする。応援に来てくれたファンの皆様のために最後まで諦めずに懸命に戦う姿勢を見せるも、44分、ゴール前でスクラムを押し込まれ、最後はバックスに展開されてトライを献上。この日3トライをマークした相手のキーマン、ダミアン・マッケンジー選手のゴールキックも決まり、17−56でノーサイドとなった。

ディロンヘッドコーチは「非常に残念な結果になりました」とコメント。続けて「コロナ感染者が出た影響で難しい状況ではありましたが、言い訳はしたくありません。そんな中で、3番をつけて出てくれた山本は良い働きをしてくれました」と、大学以来の右プロップで起用された山本選手のパフォーマンスを讃えた。ゲームキャプテンを務めた日和佐選手は、「ゲームの入りは素晴らしかったのですが、中途半端なキックを蹴ってしまって、相手の良いランナーにスペースを綺麗に突かれてしまいました。その後は相手を崩し切れず、最後まで何もさせてもらえなかったという印象です」とまとめた。2月27日にチーム練習が再開され、5日後の試合ということもあり、連携のミスが出たのも事実だ。途中から出場した李選手は「パスをする選手と受ける選手の間でズレがあったり、ラインの深さにも問題があったりして、攻撃がつながらない場面がありました。コミュニケーションを含めて、連携のところをしっかり修正していきたい」と述べていた。モエアキオラ選手も「外にスペースがあったのですが、伝わっていなかったところがありました。コミュニケーションを取ることができれば、良いアタックができると思います」と次節での立て直しを誓う。

「全員が同じ絵を見ることができれば、もっと良いアタックができる」と、李選手は前を向いた。痛い敗戦となったことは間違いないが、戦いはまだ続く。自分たちのラグビーを信じて、次節では地元・神戸のファンの前で勝利してくれるに違いない。

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