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試合後のコメント

4月10日(日)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」第12節vsNECグリーンロケッツ東葛 試合レポート

 取材日:2022年4月10日

4月10日(日)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」第12節vsNECグリーンロケッツ東葛 試合レポート

今シーズン最多の57点をマークし、山下(裕)選手の節目の試合を勝利で飾る。

リーグワンの戦いも終盤戦へ。今節より同じカンファレンスのチームと2度目の対戦となる。4勝7敗7位のコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)は、地元・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場に、ここまで2勝9敗で12位のNECグリーンロケッツ東葛(GR東葛)を迎えた。第5節では48−17で快勝した相手との対戦ではあるが、油断は禁物だ。また、この一戦は、2008年度入団の山下(裕)選手のリーグ戦150試合出場のゲームとなる。加えて、小畑選手、粥塚選手、4月にチームに一員になったばかりの前田(翔)選手が初めてメンバー入りした。長年チームを支えたベテランの節目の試合と、若手3選手のリーグワンデビュー戦を勝利で祝いたい。試合前、山中選手は「これまでの戦いを振り返ると、ラインブレイクしても、パスがつながらずにトライを取れないことが多かった。優勝したシーズンのように、パスをつないで、ラインブレイクしたら、みんながサポートにいって、トライを取り切る。神戸のラグビーを精度高くやろうと準備してきました」と語った。

夏を思わせるような青空の下、GR東葛のキックオフで開始された試合は、3分、神戸陣22mライン付近のマイボールスクラムからBKに展開すると、最後はクルーデン選手がディフェンスの背後に蹴ったボールを山下(楽)選手がインゴールで押さえ、先制のトライ。神戸Sにとって幸先の良い滑り出しでゲームが動き始める。その5分後にも、ゴール前ラインアウトからモールを押し込んで、有田選手がトライをマークし、10−0。11分、キック処理のミスから相手にボールが渡りトライを献上するも、その後も神戸Sが主導権を握り、スペースにボールを運びながらアタックを仕掛ける。20分には、ハーフウェイライン付近のスクラムでフリーキックをもらうと、マクカラン選手が速攻を仕掛ける。ラックから出たボールをクルーデン選手が大外のモエアキオラ選手に飛ばしパスし、好調のモエアキオラ選手がビッグゲインすると、ラストパスを受けた山中選手がインゴールへ。さらに、25分にペナルティトライ、30分には、ゴール前ラインアウトからモールを押し込んで、有田選手がこの日2本目のトライをマーク。スコアを31−7としGR東葛を突き放す。前半終了までの10分間は、不用意な反則が重なり、自陣でディフェンスの時間となるもしっかり守り切り、トライラインを越えさせることなく試合を折り返した。

後半も最初に得点したのは、神戸S。4分、GR東葛陣10mライン付近左中間でのマイボールスクラムを起点に、FW・BK一体となった神戸らしいアタックを見せ、最後はアム選手からパスを受けたマクカラン選手が相手に絡まれながらも力強い走りでインゴールへ飛び込む。このまま神戸Sのペースで進むかに思われたが、スクラムでの反則やキックミスなどでチャンスを喪失。14分、神戸陣22mライン付近の相手ボールのラインアウトからFWの縦攻撃を受け、トライを許してしまう。その2分後には、相手SOの放ったキックが「50:22」の好プレーとなり、神戸陣ゴール前でGR東葛ボールラインアウトのピンチに。しかし、ここはモールを押し込まれるも、相手の反則を誘いピンチを脱すると、逆に19分、神戸Sは自陣から素早く攻撃を仕掛け、山下(裕)選手からのショートパスを受けた前田選手がディフェンスの裏へと抜け出し、サポートしていた中嶋選手がパスを受け、古巣を相手にトライをマークする。さらに、20分には、GR東葛のキックオフを山下(楽)選手がキャッチすると、そこから連続攻撃を仕掛け、山下(楽)選手がビックゲイン。サポートしていたクルーデン選手へとボールが渡ると、ラストパスを受けた李選手がグラウディングする。神戸らしいアタッキングラグビーを展開し、50−14と差を広げた。さらにリードを広げたいところだが、相手キックオフをノックオンし、神戸陣22ライン付近でのGR東葛ボールのスクラムになると、ディフェンス網を破られトライを許してしまう。31分にも、ゴール前ラインアウトからの連続攻撃を受けトライを献上し、50−28に。3トライ差をつけての勝利で得られるボーナスポイントを獲得するためにも、もうこれ以上の失点は許されない。グラウンドに立つ全員が奮起し、攻撃を仕掛ける。試合終了間際、GR東葛陣ゴール前スクラムからのペナルティーをいかしてアタックし、最後はアム選手がリーグワン初トライをマークする。クルーデン選手のゴールキックも決まり、57−28で試合終了。コベルコ神戸スティーラーズは、今シーズン最多得点を挙げ、山下(裕)選手の150試合出場を勝利で飾った。

試合後、ディロンヘッドコーチは山下(裕)選手の150試合達成について尋ねられると、「最近のラグビー界では珍しいことですし、素晴らしい功績です。オンフィールド、オフフィールドでチームのために尽くしてくれる彼に、勝利をプレゼントすることができて良かったですね」と胸をなでおろした。プレイヤーオブザマッチに選ばれた中嶋選手も「今シーズン、2試合目の先発出場となりましたが、クラッツ(クルーデン)とコミュニケーションを取って、良いゲームメイクができました。ヤンブーさんの150試合出場という記念のゲームを勝利で飾れてホッとしました」と喜んだ。山下(裕)選手は「僕の150試合は置いておきましょう」と前置きし、「純粋にホストゲームでボーナスポイントを取って勝利できたこと、この試合で小畑、粥塚、前田(翔)の3選手が初めて公式戦に出場できたことが嬉しいですね」と笑顔を見せていた。

冒頭の山中選手の言葉通り、今節では随所で神戸らしいアタッキングラグビーが見られたが、簡単に得点を許す場面もあった。橋本皓ゲームキャプテンは「後半、GR東葛に攻められて失点し、ばたついてしまって…」と振り返り、「今日出た課題をしっかり修正し、次の試合に臨まないといけない」と、気持ちを引き締める。次節から埼玉パナソニックワイルドナイツ(2位)、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(3位)、横浜キヤノンイーグルス(4位)と3連戦で上位チームとの直接対決となる。横浜Eとの勝ち点差は「10」と、トップ4入りは依然として厳しい状況であることに変わりはしないが、山下(裕)選手は「僕たちは守るものがないので、やるしかない!」と意気込んだ。残り4試合。コベルコ神戸スティーラーズは目の前の試合をチャレンジャーとして戦い、1つずつ勝利を重ねていく。

〜次回のコベルコ神戸スティーラーズ・ホストゲーム〜 第15節 5/1(日)14:30 KICK OFF コベルコ神戸スティーラーズ vs 横浜キヤノンイーグルス @神戸総合運動公園ユニバー記念競技場

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