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-Long interview-

2021/09/30 | 取材日:2021年8月26日(寺田選手)、8月25日(トコキオ選手)

2021年度新加入選手インタビュー Part.4 寺田桂太選手&トコキオ ソシセニ選手

チームの日本人選手の中で最長身となる198センチのビッグマンが、今シーズン、コベルコスティーラーズの一員に。近鉄ライナーズ(現花園近鉄ライナーズ)で3年プレーした後、移籍した宗像サニックスブルースでは、昨シーズン、開幕戦こそ出番がなかったものの、自身最多となる6試合に出場を果たしました。和製ロックとして今後の活躍が期待される寺田選手に話を聞きました。

良いシーズンだったと心から言える1年に

寺田 桂太
KEITA TERADA

PROFILE

■生年月日・出身地/1995年2月1日生まれ(26歳)、京都府京都市

■経歴/伏見工業高校(現京都工学院高校)→帝京大学→近鉄ライナーズ(現花園近鉄ライナーズ)→宗像サニックスブルース

■ポジション/LO

■身長・体重/198cm・112kg

背の高さを買われ
強豪校のラグビー部へ
—身長198センチはチームの日本人選手の中で最長身です。
「実は今も伸びているんですよ(笑)。近鉄入部当時は196センチだったのですが、1年に3ミリずつ伸びて、198センチになりました」
—生まれた時から大きかったのですか?
「2600グラムくらいだったので、それほど大きくはありません。ただ、母曰く、ほかの赤ちゃんと比べると、3倍はミルクを飲んでいたそうです。中学に入学した時は158センチで、それから1年に10センチずつ伸びて、卒業時には188センチになっていました」
—中学で30センチも伸びたんですか!中学時代は何かスポーツをしていたのでしょうか。
「小学3年からずっと野球部だったのですが、それほど真剣に打ち込んではいませんでした。高校はラグビー部が強い伏見工業高校(現京都工学院高校)に進みましたが、家が近いという理由です(苦笑)。ラグビーに興味があったわけではないので、まさかラグビー部に入ることになるとは思ってもいませんでした」
—ラグビー部に入部した理由を教えてください。
「担任の先生がラグビー部のコーチだったんです。先生から『その身長をいかすべきだ』と熱烈なオファーを受けたのですが、ずっと断っていました。1ヶ月ほど先生とラグビー部に『入る』『入らない』で押し問答をした後、一度練習見学をして嫌だったら入らなくてもといいと言われ、ラグビー部に行ったら、みんなの前で『今日から入部の寺田くんです』と紹介されたんです(苦笑)。先生の顔を潰すことになるので否定することもできず、そのまま入部することになってしまいました。練習は厳しいし、最初は嫌々でした。ただ、ラッキーだったのは、30人ほどいる同期の中で、高校からラグビーを始めた選手が僕を含めて7、8人いる希な代だったんです。初心者同士励まし合いながら練習についていっていました」
—ラグビーを好きになったのは?
「ラグビー部に入部して数週間後、創部50周年の記念試合としてニュージーランドのハミルトンボーイズハイスクールとの対戦があったんです。その時に人生で初めてハカを見て、かっこいいなと思いました。それからオールブラックスのハカの動画をYouTubeで見たりしてハマっていったという感じです。ルールは、難しかったので、『ラグビー08』というゲームで覚えました(笑)」
—試合に出られるようになったのはいつからですか?
「高校2年の春から上のチームに入って、試合にも出られるようになりました。実力ではなく、サイズを評価してもらって使ってもらっていたのだと思います。高校卒業後はラグビーを辞めて就職しようと思っていたのですが、帝京大学から声をかけていただき、ラグビーを続けることにしました」
—重選手やトヨタ自動車ヴェルブリッツ(現トヨタヴェルブリッツ)の姫野選手は大学の同期ですよね。
「そうです。ブロディや今村、小畑は後輩になります。大学は、能力の高い選手が多くて圧倒されました。また、高校の練習とは違って、科学的なトレーニングも取り入れていて、驚くことが多かったです。大学時代は立て続けに怪我があり、試合にはほとんど出ることができなかったのですが、全員が徹底して自分の仕事を全うするところなどを間近で見て、得られるものがたくさんありました」
素晴らしいロックの先輩から
多くのことを学んだ4シーズン
—大学卒業後は近鉄ライナーズ(現花園近鉄ライナーズへ)へ。
「大学時代、日本代表の試合でトモさん(トンプソン ルーク)のプレーを見て憧れて、この人と一緒にプレーしたいと思いました。トモさんは、身長は僕より低いですし、足もそれほど速くないのですが、試合になるとスイッチが入り、80分間集中力が切れることなくハードワークし続け、FWを引っ張っていく。本当にすごい選手です。トモさんだけでなく、ほかのロックの選手も素晴らしい選手ばかりで、近鉄でプレーし、成長することができました」
—宗像サニックスブルースへ移籍したのはどのような思いからなのでしょうか。
「1年目、まったく試合に出られず、2年目にリザーブで初めて出場した試合で膝の怪我をし、1年間リハビリに明け暮れました。試合に出たいと思っていましたが、チームに外国人選手が増えてきて、リーグのレベルも上がってきている中で、このまま社員として働きながらラグビーを続けていても周りの選手に実力が追いつかないのではないか…。そう考えるようになり、ラグビーに専念するためにプロ選手としてサニックスへ移籍することにしました」
—サニックスでは、開幕戦を除くトップリーグ6試合に出場しました。
「初めてたくさん試合に出ることができ、楽しかったですね。サニックスでも、近鉄同様に素晴らしいロックの選手がいて、先輩方からいろいろなことを教えてもらいました。収穫が多くて、とても充実したシーズンになりました」
—古巣との対戦となったプレーオフトーナメントは出番がなかったですね。
「実は前日に熱が出てしまって…。PCR検査を受けて陰性だったのですが、当日も熱があったので出場が叶いませんでした。近鉄との対戦だったので楽しみにしていたのですが、残念で仕方がありませんでした」
今よりも成長したい!
新天地でレベルアップを目指す!
—そして、今シーズン、神戸製鋼コベルコスティーラーズへ。
「ロックとして、もっと成長したいという思いがありました。入部前に行われたミーティングでも課題を明確に指摘されました。コベルコスティーラーズでさらにレベルアップができるように頑張ります」
—コベルコスティーラーズのラグビーの印象は?
「自陣からでも積極的に攻めるなど、ほかとか違うアグレシッブなラグビーをしていますね。グラウンドで1人がシステムとは違うプレーをしてしまうと混乱を招くので、1日も早くチームのラグビーをしっかり理解したいです」
—プレーの持ち味は?
「僕はそれほど身体能力が高いわけではありません。ほかの選手に勝つために誰よりもハードワークすることがモットーですので、激しくタックルにいくなど、人一倍体を張るところが強みだと思います」
—帝京大学の先輩である小瀧選手もコベルコスティーラーズの一員になりました。同じロックとしてライバルですね。
「同じポジションの選手はみんなライバルです。でも、それはグラウンドの中だけ。グラウンドを出たらチームメイトとして仲良くやっていきたいです!」
激しいレギュラー争いを勝ち抜いて
試合に出場することが目標です
—チームにはもう馴染みましたか?
「大学や近鉄、サニックス時代に一緒だった選手も多いので、すぐ馴染むことができました。10月からの全体練習が待ち遠しいです」
—ちなみに、髪はこのまま伸ばしていくのでしょうか?
「サニックスに移籍した後、1回目の緊急事態宣言が発出され、髪を切りに行けずに放置していたら、気がつけばこんなに長くなってしまいました(苦笑)。いつか切りに行こうと思いながら、1年半ほど伸ばしっぱなしです。近々切ろうと思っているのですが、ばっさり丸刈りにするかもしれません(笑)」
—新しい髪型も楽しみにしています!ズバリ今シーズンの目標は?
「試合に出ることを目指して努力し、シーズンが終わった時に、良いシーズンだったと心から言えるようにしたいと思います!」
—では最後にファンの方々にメッセージをお願いします。
「コロナ禍でなかなか直接会えないですが、チームのSNS等でファンの皆様とつながりたいと思います!皆様の期待に応えることができるよう頑張りますので、これからぜひ応援してください」

大学1年の時にフィジーから日本に来て、今年で10年目。流暢な日本語を操り、このインタビューももちろん通訳なしで行いました。「日本で多くの人に助けてもらって、どんどん日本が好きになりました。日本代表になって恩返しがしたい」と話すトコキオ ソシセニ選手。柔和な笑顔が印象的なトコキオ選手に、これまでの競技歴や目指す選手像などを伺いました。

ハイレベルなチームでライバルと切磋琢磨し、目指すは日本代表!

トコキオ ソシセニ
SOSICENI TOKOQIO

PROFILE

■生年月日・出身地/1993年2月1日生まれ(28歳)、フィジー

■経歴/ケルストンボーイズ高校→山梨学院大学→豊田自動織機シャトルズ(現豊田自動織機シャトルズ愛知)

■ポジション/No.8

■身長・体重/189cm・115kg

■代表歴/7人制日本代表、U23フィジー代表、U18フィジー代表

大学時代の兄的存在と
コベルコスティーラーズで再会
—ニックネームを教えてください。
「ソシです。ソシと呼んでください」
—ソシは、いつ神戸へ引っ越してきたのでしょうか。
「7月上旬に刈谷から神戸に越してきました。神戸は、とても綺麗な街ですね。特に六甲アイランドは洗練された雰囲気で驚きました」
—ラファエレ選手は山梨学院大学の先輩ですね。
「そうなんです。来日した当初、日本語がまったくわからなかったので、ティム(ラファエレ ティモシー)に通訳をしてもらうなど、生活のサポートをしてもらいました。ティムは兄のような存在で、今もチームのことなどを教えてもらっています。ティムは、コベルコスティーラーズはみんな仲が良くて、優しくて良い人ばかりだと言っていました。本当にティムの言った通りですね。みんな、歓迎してくれて、いろいろと教えてもらっています」
持ち味はボールキャリー
フィットネスを向上させる
—5年間所属した豊田自動織機シャトルズ(現豊田自動織機シャトルズ愛知)からコベルコスティーラーズへ移籍して理由を教えてください。
「7人制日本代表に選ばれたことがありますが、15人制でも代表に入りたいという大きな目標を持っています。日本代表に入るために、ハイレベルなチームでライバルと切磋琢磨して成長したいと思ったからです」
—コベルコスティーラーズのラグビーの印象は?
「展開が速く、選手の動きが連動していて、見て楽しいラグビーですね。神戸のラグビーを体現するには、グラウンドを走り回れるフィットネスやパス、サポートといった基本のスキルが大事だと思います」
—今はどのような練習をしているのでしょうか?
「個人練習とスキル練習をしています。スキル練習では、どの選手もレベルが高く、『頑張らないといけない』と刺激を受けています」
—プレーの持ち味を教えてください。また、今後、伸ばしていきたいところはどこでしょうか?
「ボールキャリーには自信があります。今後はフィットネスを向上させていきたいです。オフ期間中に体重が増えて、ベストから5キロほどオーバーしていますので、体を絞って、走れるようにしないといけないと思っています」
高校時代にスカウトされて
ニュージーランドの高校へ
—ところで、これまでの競技歴について伺いたいのですが、ラグビーはいつから始めたのですか?
「6歳からです。フィジーではラグビーは人気のスポーツなので、男の子は小さい頃からラグビーをしています。父や兄弟もラグビー経験者です」
—ニュージーランドの高校でプレーしていたんですよね。
「高校時代にスカウトされて、ニュージーランドへ留学することになり、ケルストンボーイズ高校でプレーしていました。最終学年で、全国大会に出場したのですが、その時にセントビーズ高校に留学していた藤田(埼玉パナソニックワイルドナイツ)のプレーを見たことがあります。7人制日本代表で一緒になった時に、藤田にこの話をしたら驚いていましたね」
—高校時代、U18フィジー代表に選ばれたことがあるんですよね。高校時代の目標は?
「U23フィジー代表にも選ばれて、オーストラリアA代表と試合をしたことがあります。高校時代はフィジー代表になることが目標でした。まさか、日本でプレーするとは想像もしていませんでした。ティムともよくこの話をしますね」
—日本でプレーすることになったのは?
「ケルストンボーイズ高校でプレーしていた時に、山梨学院大学の吉田先生から声をかけていただきました。日本について知識もないですし、言葉も話せないので悩んだのですが、一度来日し、練習の見学などをさせてもらいました。勉強もできますし、チャンスだと思って日本でプレーすることに決めました」
—大学4年の時はキャプテンとしてチームを引っ張っていたんですよね。
「フィジーの高校ではキャプテンをし、ケルストンボーイズ高校でもリーダーをしていましたが、日本の大学でキャプテンをすることになるとは思っていなかったです。チームメイトが助けてくれたお陰でキャプテンを務めることができました。それに、もともと僕は人前で話すのが得意ではないので、プレーや姿勢でやるべきことを示そうとしていました」
新リーグで高校の同期や後輩と
対戦するのも楽しみ
—ポジションはずっとFWだったのでしょうか?
「子供の頃は細くて足が早かったので、センターをしていたのですが、高校1年の時に監督からナンバーエイトへのコンバートを告げられて、それからずっとFWです。コンタクトプレーが好きだったので、ナンバーエイトは向いていると思いました。高校時代は、元南アフリカ代表のライアン・カンコウスキー選手に憧れていて、今は、元ニュージーランド代表のキアラン・リード選手のような強さとスピードを兼ね備えていて攻守で活躍できるナンバーエイトになりたいと思っています」
—来年1月に開幕の「ジャパンラグビーリーグワン」で対戦が楽しみなチームは?
「今シーズン、ヤマハ発動機(現静岡ブルーレヴズ)に加入したマルジーン・イラウア選手はケルストンボーイズ高校の同期で、東芝のジョネ・ナイカブラ選手とNECのアセリ・マシヴォウ選手は後輩になります。彼らと試合で会えるのを楽しみにしています」
—今シーズンの目標は?
「大きな目標は、日本代表に入り、ラグビーワールドカップに出場することですが、まずはコベルコスティーラーズで競争に勝って試合に出られるようにならないと。今シーズン、レギュラーとして全試合に出場し、チームの勝利に貢献できるように頑張ります」
—では最後にファンの皆様方へメッセージをお願いします。
「豊田自動織機から移籍してきたソシです。試合ではボールキャリーに注目してください!チームの力になれるよう、一生懸命頑張りますので、応援よろしくお願いします!」

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