close-up KOBE -Long interview-

ロングインタビュー

退部者インタビュー 2016-2017シーズン

 取材日:2017年2月1日

退部者インタビュー 2016-2017シーズン

鈴木 敬弘 選手

TAKAHIRO SUZUKI

PROFILE
  • 1985年2月28日生まれ、千葉県野田市出身
  • 流経大柏高校→流通経済大学→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2007年入部/10年間在籍)
  • ポジション/FL
  • 公式戦出場回数(プレシーズンリーグ2015を含む)54

ファンの方々の支えで10年間プレーできました

ここ数シーズンは出場機会に恵まれなかったですが、公式戦54試合に出させていただき、幸せな現役生活を送ることができました。10年間を振り返ると、いろいろな思い出がありますが、一番印象に残っていることは、入部1年目の春の練習試合 vs 三洋電機(現パナソニック)戦です。タケさん(伊藤剛臣)、野澤(武史)さんと僕とで3列目を形成し、こんな有名な選手と一緒のチームでやるんだと緊張したことが思い出されます。コベルコスティーラーズにはレベルの高い日本人選手やラグビー界のスーパースターのような外国人選手がたくさんいて、そういう人たちと技術もフィジカルも大きな差を感じ、毎日、ついていくのにいっぱいいっぱいでしたが、とても楽しかったです。また、プライベートでは、優勝経験がある先輩たちに食事に連れていっていただき、そこでも多くのことを教えていただきました。いい見本となる先輩のお陰で、ラグビー選手としても社会人としても成長することができたと思います。

コベルコスティーラーズはここ数年4位という成績が続いていますが、自分たちのラグビーを信じて、来シーズンこそ壁をぶち破ってほしいです。そして、谷ちゃん(谷口到)、大橋(由和)、(今村)雄太、フレイ(アンダーソンフレイザー)、(金井)健雄といった同期と同い年の選手には、まだまだ現役で頑張ってもらいたい。それと、山﨑(基生)、イシ(中島ヴァカウタイシレリ)という流経大の後輩二人はこれからも試合に出続けてください。あと、Bチームで一緒だった選手、ハードワークし続け、試合出場のチャンスをつかみ取ってください。最後に、いつもあたたかいご声援をお送りいただいたファンの皆様、皆様の支えと応援で10年間プレーすることができました。ありがとうございました!これからも、今まで以上にコベルコスティーラーズに熱いご声援を何卒よろしくお願いします。

濱島 悠輔 選手

YUSUKE HAMASHIMA

PROFILE
  • 1985年3月17日生まれ、鹿児島県鹿児島市出身
  • 鹿児島実業高校→明治大学→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2007年入部/10年間在籍)
  • ポジション/WTB
  • 公式戦出場回数(プレシーズンリーグ2015を含む)69

悔いなく、限界までやり切ることができました

以前、負傷した膝が数年ほど前から再び痛みはじめ、徐々に悪化してきました。昨シーズンが終わった時点で、もう1シーズン頑張ろうと思い、怪我を治すことにフォーカスし新しい治療法にもチャレンジしたのですが、良くならず、今シーズンをもって引退することに決めました。入部当初はこんなにも長くプレーさせていただけるとは思っていなかったので、チームメイト、スタッフ、会社関係者の方々、ファンの皆様方には感謝の気持ちでいっぱいです。ラグビー選手として、悔いなく、限界までやり切ることができました。10年間の現役生活は、いろいろなことが濃縮されていて、ラグビー選手としても、人間的にも、幅が広がった期間です。10年間の思い出の中で、特に印象深いことは、秩父宮で行われた天覧試合と逆転負けを喫した近鉄戦です。天覧試合は、独特の雰囲気で、あの場に立てたことがただただうれしかった。近鉄戦は、自分のタックルミスからトライを奪われて、その後、立て続けにトライを獲られて負けてしまいました。痛い敗戦となりましたが、この試合をきっかけに、ディフェンスへの意識が大きく変わりました。それまでは自分勝手なプレーも多かったと思いますが、チームに何ができるかを考えるようなったことは自分自身にとって大きかったです。それに高校大学と通じて、専門的なコーチがいる環境で指導を受けたのも、初めてのことでしたから。また、ラグビー以外の面では、コベルコスティーラーズで人間関係の作り方やコミュニケーションなど学ぶことができ、人としても成長することができました。ここで得たものを今後、どう生かすのかは、自分次第だと思いますので、時が経ち振り返った時に、あの10年が生きたと思えるようにしたいと思います。

所属した10年間では優勝を経験することはできませんでしたが、今後は若手をどんどん育ててチーム力を底上げして、1シーズンでも早く頂点に立ってほしいです。同期や同い年の選手に対しては、自己主張の強い人たちばかりでしたが、よくみんなで集まって、楽しかったですし、恵まれていたと思います。これからも頑張ってください!そして、ファンの皆様、10年間、かわいがっていただき、ありがとうございました。皆様の声は励みになっていました。これからもコベルコスティーラーズの応援をよろしくお願いします。

ジャック・フーリー 選手

JAQUE FOURIE

PROFILE
  • 1983年3月4日生まれ、南アフリカ共和国・カールトンビル出身
  • キャッツ(スーパー12)→ライオンズ(スーパー14)→ストーマーズ(スーパーラグビー)→パナソニックワイルドナイツ→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2012年入部/5年間在籍)
  • ポジション/CTB
  • 公式戦出場回数(プレシーズンリーグ2015を含む)63、南アフリカ代表キャップ72

いつかコーチとして戻ってきたいですね

日本でプレーすることを決めた時に、南アフリカに戻ってプレーすることは2度とない、日本でキャリアを終えようと思っていました。パナソニックで1シーズン、コベルコスティーラーズで5シーズン、プレーし、日本を離れることは寂しいことですが、その時が来ました。ここ数年は怪我で思うようなプレーができず、引退について考えはじめるようになっていました。開幕前はフィフティフィフティだったのですが、どんどん気持ちが固まり、ウインドウマンス期間中に引退を決心。チームメイトにもそのことを伝えました。神戸で行われたラストゲームは、勝って私を送り出そうとしてくれて、チームメイトの気持ちがとてもうれしかったですし、最後に胴上げをしてもらったり、ファンの方々から大きな声援を送っていただいたり、一生忘れられない試合になりました。

コベルコスティーラーズで過ごした5年間は、私にとって、私の家族にとっても、貴重でかけがえのないものです。プレーヤーとしてはトライ王を獲得したり、優勝することはできませんでしたが日本選手権で決勝に進んだり、1年1年いろいろなことがありました。またプライベートではチームメイトと食事に行ったり、お酒を飲みに行ったり、僕も日本人になったような気持ちで楽しく過ごせました。コベルコスティーラーズというチームは、私の人生の一部ですし、チームメイトやスタッフは家族です。今後は、身体を少し休めた後、コーチングの勉強をし、今度はコーチとしてコベルコスティーラーズに戻ってくることができればと思います。

チームメイトには、楽しく、そして素晴らしい時間をありがとう、とまず伝えたいです。コベルコスティーラーズには才能ある選手がたくさんいますので、すべての練習でしっかりハードワークし、毎試合、自分たちの持っているものをすべて出し切ることができれば、優勝は近づくと思います。諦めない気持ちを持って戦えるチームになってほしいです。そして来シーズンこそ、いい結果を出してくれることを信じています。ファンの皆様方は、どこの会場でも大きな声援を送ってくれました。勝っても負けても変わらずサポートしてくださる皆様の存在はチームにとって大きいですし、家族の一員です。皆様の熱いサポートを心から感謝しています。本当にありがとうございました。これからもコベルコスティーラーズを支え続けてください。また皆様と会える日を楽しみにしています。

山内 雅延 選手

MASANOBU YAMAUCHI

PROFILE
  • 1984年9月24日生まれ、東京都世田谷区出身
  • 東京高校→法政大学→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2007年入部/10年間在籍)
  • ポジション/PR
  • 公式戦出場回数(プレシーズンリーグ2015を含む)62

好きなラグビーを思う存分できた10年間です

足の骨折、アキレス腱断裂と立て続けに大きな怪我をし、プレーで貢献できない時期もありましたが、10年間、限界までチャレンジさせていただいたチームに感謝しています。コベルコスティーラーズで骨を埋める気で入部してから、1年1年、必死にやり切りました。特に1年目、2年目というのは、ついていくのに精一杯でした。それに当時は、ラグビーに対する心構えが甘くて、大学の大先輩であるタケさん(伊藤剛臣/現・釜石シーウェイブス)やソンさん(苑田右二)をはじめとする方々に迷惑をかけたように思います。

10年間で成長したところは、スクラムに対する考え方です。初めて外国人コーチの指導を受けて、どういうスクラムを組みたいのかを考えさせられ、明らかにさせてくれました。それと同時に、スクラムの奥深さにも気づき、海外のラグビーを見て、スクラムを研究するようになりました。トップリーグという高いレベルで駆け引きしながら組めたことは、楽しかったです。しんどいこともありましたが、ラグビーという好きなことを思う存分できて、幸せでした。それができたのも、会社のサポートや部署の方々の理解があったお陰です。今後は社業でしっかりと恩返ししていきたいです。またラグビーに関しては、普及の面でかかわっていけたらと思っています。

現役生活の中で、心残りなのが、高校、大学、コベルコスティーラーズと通じて、日本一になることができなかったことです。大学卒業後の進路を考えた時に、優勝を狙えるチームはコベルコスティーラーズしかないと思って入部しましたので、在籍した10年間で、頂点に立てなかったことは非常に残念です。ですので、チームメイトには、近い将来、ぜひ日本一になってほしい。そのためには、グラウンド内だけでなく、外でも、自分たちがどういうことをやっていくのか、そのためにはどうしていくのか等、すり合わせていくことが大事なように思います。どんなラグビーをしてもいいので、優勝してもらいたい。その時はバックスタンドの応援席でビールを飲みながら声援を送っています。ファンの皆様、10年間、応援ありがとうございました。これからもコベルコスティーラーズをサポートしていただきますよう、よろしくお願いします。

下地 大朋 選手

HIROTOMO SHIMOJI

PROFILE
  • 1991年12月1日生まれ、大阪府堺市出身
  • 堺ラグビースクール→尾道高校→日本大学→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2014年入部/3年在籍)
  • ポジション/SO
  • 公式戦出場回数(プレシーズンリーグ2015を含む)--

ラグビースピリットを持って、今後は社業で頑張ります

コベルコスティーラーズは、子供の頃から憧れのチームでした。小学生の頃には、コベルコラグビーフェスティバルのオークションで選手と映画を見る権利を落札し、南條(賢太)さんや松原(裕司/現・釜石シーウェイブス)さんと一緒に映画を観に行ったこともあります。そのようなチームのトライアウトを受けるチャンスをいただき、練習試合 vs 天理大学戦に出場し、(森田)恭平さん、(田邊)秀樹さんをはじめとする先輩たちと一緒にグラウンドに立ち、いいところで使ってもらったこともあり、入部させていただくことになりました。入部が決まった時は本当に嬉しかったです。

1年目は春に肩の手術をしたこともあり、ほとんどをリハビリに費やし、練習試合にもそれほど出場する機会がなかったですし、スター選手ばかりの中で、雰囲気に飲み込まれてしまったところがありました。2年目からはセブンズフェスティバルに出たり、練習試合に出たりし、徐々に自信もついてきましたが、(山下)楽平や(長崎)健太郎といった同期が公式戦に出ていたので、焦りも感じていて。高校、大学と1年からずっとレギュラーだったので、試合に出られないという経験は初めてのことだったので、出られない選手の気持ちが分かった3年間でした。今でもトップリーグの試合に出たかったという思いはありますし、もっとやっておけばよかったと、後悔しています。いつも応援してくださった部署の方々、ファンの皆様方の前で、公式戦でプレーしている姿を見せられなかったことは残念で仕方ありません。今後は、ラグビースピリットを持って、社業で頑張りたいと思います。

同期はこれからも頑張ってほしいですし、いつも可愛がってくれた山﨑(基生)さんも活躍し続けてほしいです。山﨑さんに仲良くしていただいたことで、ほかの先輩たちと話すようになるなど、架け橋になっていただきました。山﨑さんには感謝しています。

3年目はチームブースに立つ機会が多く、地方の対戦相手のホームでもたくさんのコベルコスティーラーズファンが足を運んでくださっていることを知りました。改めてみんなに愛されているチームなのだなと感じ、選手はすごく恵まれていると思いました。これからもそういう環境を作っていただければと思います。

3年間という短い間でしたが、応援ありがとうございました。

大西 優希 選手

YUKI ONISHI

PROFILE
  • 1992年1月22日生まれ、奈良県橿原市出身
  • 上宮中学→上宮高校→近畿大学→→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2014年入部/3年在籍)
  • ポジション/PR
  • 公式戦出場回数(プレシーズンリーグ2015を含む)6

ラグビーだけでなく人間的にも素晴らしい人たちに出会えました

あっという間の3年間でした。入部当初は、テレビで見ていた選手ばかりの中でどこまでやれるのか不安に思ったこともありましたが、徐々に通用するところが出てきて、家族をはじめ、応援してくれている人たちのためにも、レギュラーを獲って試合に出ようと、がむしゃらにやってきました。2年目は「プレシーズンリーグ2015」全試合に出場することができ、その後のトップリーグでも、1試合ですが、出場できました。3年目は、今シーズンこそはと思い、早い時期からトレーニングをしていたのですが、出場機会に恵まれなくて。短い間でしたが、日本代表でも活躍していた先輩たちと切磋琢磨し、スクラムのことなどを教えてもらい、ラグビーレベルが上がったと思います。

3年間を振り返った時に、一番うれしかったことは「プレシーズンリーグ2015」での優勝です。これまで優勝を経験したことがなかったので、こんな感じなんだと興奮したことを覚えています。また、初めてのトップリーグ出場となったNEC戦も、出番は10分程でしたが、1つ1つのプレーを鮮明に覚えていて、良い思い出です。もっと試合に出たかったという思いはありますが、自分なりに努力した3年間でした。コベルコスティーラーズに入部して良かったと思います。それは、主将の橋本(大輝)さんをはじめとする、ラグビーだけでなく、人間的にも素晴らしいと思える方々と出会えたことです。橋本さんは、入部1年目の終わり頃、残って練習していた時に、ウエイトルームに行くと、橋本さん一人で掃除をされていて。みんなが、橋本さんがキャプテンをしている時に優勝したいと言われる気持ちがよく分かりましたし、僕もこの人についていこうと思いました。ほかにも、フロントローの先輩方にはいろいろと教えてもらって、かわいがっていただきました。このような人たちと出会えたことが財産です。

同期に対しては、6人全員が一緒にグラウンドに立つという目標が達成できず、僕と下地(大朋)は引退することになりました。今後は(長崎)健太郎、西林(宏祐)、トニ(トニシオ・バイフ)、(山下)楽平の4人が一緒に試合に出ることを楽しみにしています。今後は、社業に専念しながら、コベルコスティーラーズで培ったことを生かして指導や普及等に携わっていけたらと思います。ファンの皆様、3年間、応援ありがとうございました。これからは皆様と一緒にコベルコスティーラーズを応援していきます。

loading