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ロングインタビュー

コディ・レイ選手インタビュー「後半戦は、みんなにエナジーを与えて、チームを盛り上げていく」

 取材日:2016年10月25日

コディ・レイ選手インタビュー「後半戦は、みんなにエナジーを与えて、チームを盛り上げていく」

今シーズンからコベルコスティーラーズの一員になったコディ・レイ選手。第9節を終えて、109ポイントを上げ、トップリーグ得点ランキング1位と前半戦の得点源として活躍した彼に、後半戦に向けての意気込みなどを聞いた。

コディ・レイ

Codey Rei

PROFILE
  • 1989年2月2日生まれ(27歳)、ニュージーランド・パテア出身
  • ノースハーバー→タラナキ→ブルースデベロップメント→チーフスデベロップメント→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2016年入部)
  • ポジション/SO、WTB、FB
  • 身長・体重/183cm・92kg
  • 昨シーズンまでの公式戦出場回数/----

日本でプレーすることは大きなチャレンジ

チームメイトからなんと呼ばれているんですか?

「ニュージーランドでのニックネームは"C--レイ"だったのですが、神戸では"コーディ"が定着しています。コーディと呼んでください」

コーディが日本でプレーすることに決めた理由を教えてください。

「ずっとニュージーランドでプレーしてきて、今までと違うことをしようと思ったのがきっかけです。日本でプレーすることは、大きなチャレンジ。新しい環境で、ステップアップしたいと思いました」

日本のラグビーについて、知識はあったのでしょうか?

「実はほとんど知らなかったんです。7月にチームに合流し、神戸の選手のレベルの高さに驚きましたし、トップリーグ自体もスタンダードが高いと感じました」

日本でプレーして、戸惑ったことはありますか?

「来日したすべての外国人プレーヤーが感じることだと思うのですが、低いタックルに手こずりました。ニュージーランドでは上体の強さで倒しにかかりますが、日本人プレーヤーは低く足下に入る。でも徐々に慣れてきて、今では問題なくプレーできています。それとニュージーランドと違うなと思ったことは、日本では、試合中につかみ合いや小競り合いがほとんどない。ニュージーランドでは、しょっちゅう起きます。日本人プレーヤーは、みんな、大人しいですね」

日本の生活はどうですか?

「ラグビー同様、生活にもすっかり慣れました。妻も日本での生活をとても気に入り、楽しんでいます。日本食も美味しいですし、日本という国自体、とても興味深い。ニュージーランドと比べて日本には長い歴史があって、古い建物も多い。神社や寺、城などを観に行きたいと思っています」

京都には神社仏閣が多いので、オススメですよ。

「清水寺には行きました。大きな鐘も見ましたよ。姫路城は見た方がいいと聞いているので、第9節が終わったら、オフ期間に家族と一緒に行く予定です。日本の歴史について、今後、いろいろと学びたいですね」

どのポジションに入っても、やれる自信がある

ところで、コーディがラグビーをはじめたのはいつからですか?

「4歳からです。父が地域のクラブでラグビーのコーチをしていて、子供たちを指導していたんです。それでラグビーをするようになりました。僕には弟が2人いるのですが、2人とももちろんラグビーをしていて、今でもクラブチームでプレーしています」

第1節、第2節ではスタンドオフでプレー、第3節以降はフルバックでプレーしています。本職はどのポジションなのでしょうか。

「子供の頃からずっとフルバックかウイングでプレーしていて、ある時、スタンドオフの選手が怪我をして、それでスタンドオフに入るようになったんです。スタンドオフは司令塔としてバックスラインをどう動かすのかなど考えないといけません。フルバックはランでもキックでも、自分の思い通りのプレーができる。よくその質問をされるのですが、まったく違うポジションなので、どちらが好きとか、得意とか、選ぶのは難しいですね」

チーフスデベロップメントや国内リーグチームのタラナキでは、どのポジションでプレーすることが多かったのですか?

「チーフスデベロップメントでは主にフルバックですね。タラナキでは、スタンドオフとフルバックの両方をやっていました。2014年はウイングに入ることが多かったかな。スタンドオフでもフルバックでもウイングでも、どこでもプレーできる自信はあります。ただし、フォワード以外ならね(笑)」

武器は左右両足から繰り出す正確なキック

ストロングポイントを教えてください。

「キックゲームのコントロールです。特にアンストラクチャーの中でのキックは得意ですね。インプレー中のキックの能力は高いと思います。利き足は右ですが、左でも蹴ることができるように練習していますし、右なら60メートルくらいは飛ばせるんじゃないかな。数年前には、自陣22mライン付近でパスをもらって、敵陣22mラインくらいまでキックを飛ばすという作戦がありましたね」

プレースキックはどうですか。

「得意なのですが、日本ではこれまでのところ、あまりいい結果が残せていない。本来ならもっと成功率が高いはずなんですが...。だから(山下)楽平には、ゴールポストの中央でトライするように言っているんですよ」

何か原因があるのでしょうか。

「ニュージーランドでは、練習の時に使うボールと試合球の質が同じなんです。でも日本では試合の時は常に新しいボールを使います。些細なことなのですが、それが頭の中でひっかかって、感覚がずれてしまう。早くいいリズムを見つけて感覚を取り戻したいと思います」

ちなみに1試合でゴールキックを決めた自己最多記録を教えてください。

「うーん...何本だろう。多分、2014年のITMカップ(ニュージーランド州代表選手権)の決勝で決めた本数が一番多いと思います。あの時は、8本蹴って8本決めました。100%の成功率でしたね」

正確なゴールキックを蹴るためにルーティンはあるのでしょうか。

「昔はルーティンを決めていたんですが、逆にそれでリズムが悪くなってしまって。ルーティンはないですが、蹴るまでの助走の距離はあえて短くしています。だいたい2ステップくらい。助走の距離が長いとミスが起きる確立が高くなるので、狭いスペースで蹴るようにしています」

このまま得点ランキング1位をキープしたい

キックにおいてお手本とする選手などはいるのでしょうか。

「キックだけではなく、すべてにおいて手本であり、師匠であるのが、父親です。父はフッカー、ロック、フランカー、ナンバーエイト、そして時々センターでもプレーしていました。激しくいくフィジカルなタイプで、キッカーではありませんが、僕にラグビーに必要なことをすべて教えてくれた。それに僕はもともと身体が細いのですが、父がハードワークして身体を大きくしたのを見ていたので、それにならって身体を鍛えました。そのお陰でタックルに入られても、やられなくなりましたね」

では、トップリーグでの自身のパフォーマンスについて伺いたいのですが、これまでのところ全試合にスタメン出場しています。自己評価はどうですか?

「今はまだ神戸のラグビーに適応している途中といった感じですね。でもゴールキックは納得がいっていませんが、その他のプレーに関しては決して悪くない。ゴールキックは焦らずに、感覚を取り戻せるようやっていきます」

第8節終了時点で、100ポイントをマークし、トップリーグ得点ランキング1位です。

「うれしいですね。このまま最終節まで1位をキープできるようにしていきたいです」

では最後に後半戦に向けて意気込みをお願いします。

「もうこれ以上負けることが許されないですが、このプレッシャーがかかる状況を全員が楽しめるようにしていきたい。アンディー(アンドリュー・エリス)は、常にみんなを盛り上げようとしています。僕もチームに随分と慣れてきましたので、ピエロになって、みんなにエナジーを与えて、チームを盛り上げていきたいと思います!」

後半戦も活躍を期待しています!

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