取材日:2025年11月29日
【試合レポート】 11月29日(土)プレシーズンマッチ トヨタヴェルブリッツ戦
攻守において本来の力を発揮できずに、7本のトライを許しプレシーズンマッチ初の敗戦
1週間のオフ期間を経て、プレシーズンマッチ4戦目で対戦したのは、今シーズン大量補強を行ったトヨタヴェルブリッツ。改修されたパロマ瑞穂ラグビー場のこけら落としとして「RE・OPEN MIZUHO ラグビーフェスタ2025」と銘打ち開催された一戦は、12-43で敗戦となった。
神戸Sのキックオフではじまった試合はSHスミスのコンテストキックを自陣10m付近で落球し、そこからトヨタVが連続攻撃。チームの強みの1つであるディフェンスで応戦し守り切るが、なかなか攻撃に転じられない中で9分、自陣ゴール前でのクイックスローからSO松田にインターセプトされトライを許す。「我々は正しいエリアでプレーすれば得点に変えることができる」と前回の静岡BR戦で共同キャプテンのLOレタリックが話していたように、SHスミスの自陣からの脱出を図るキックが距離を稼げずにトヨタ陣22mライン付近での神戸Sボールのラインアウトになると、FWで前進を図り、ゴール前に迫る。相手に反則があり、14分、ラインアウトからモールを一気に押し込んでHOディクソンがトライをマークする。ゴールキックは外れるも、5-7に。しかし、この後、防御の際に立て続けに反則が出て、17分、モールを押し込まれて失トライ。神戸Sはキックカウンターから攻撃に繋げてもボールを落としてしまうなど、リズムを生み出すことができない。25分、相手の先発右PRのラトゥ、さらにリザーブの右PR木津が負傷し、以降、押し合いをしないアンコンテストスクラムとなる。ハーフライン付近から神戸Sボールのスクラムでフェイズを重ねて、敵陣深くに入ると、ここから流れは神戸Sへ。相手の反則にSH日和佐が速攻を仕掛けて、連続攻撃。トヨタVが反則を犯し、神戸Sはゴール前ラインアウトのチャンスを掴む。モールを押し込んだ後、外へと展開し、ゴール前まで迫るもトライライン直前でボールを押し込んだ際に落球。3分後、再びゴール前でのラインアウトとなり、SH日和佐から中央でパスを受けたNO8ララトゥブアが突進するも、防御に阻まれトライにならず。その後もハーフライン付近からNO8ララトゥブアが抜け出して敵陣22mライン付近まで進むも味方にボールが繋がらずに神戸Sの反則となってしまうなど、再三のチャンスをモノにできず、反対に38分、速攻から連続攻撃を受けて、ニュージーランド代表19キャップを誇るWTBテレアにゲインを許し、CTBマクカランがインゴールへ。ゴールも決まり、5-21で折り返した。
プレシーズンマッチ初出場となった大ベテランのPR山下がピッチに入るなど、メンバーを代えて臨んだ後半。開始1分、途中出場のWTBモエアキオラがインターセプトから約50m走り切りトライをマークする。SOガットランドのゴールキックも決まり、12-21に。逆転に向けて幸先の良いスタートを切り、ここから畳み掛けたいところだったが、8分、WTBテレアに裏へとキックを蹴られて、FL本橋が追いつくも、ゴール前で転げ出たボールをFLトゥポウに押さえ込まれトライを献上。神戸Sは自陣で反則を繰り返し犯して自ら苦しい試合展開とし、17分、ゴール前スクラムからSOモルガンにトライを許す。ゴールキックも決まり、12-33とリードを広げられる。神戸Sは、FW、BK一体となった攻撃を仕掛けると、トヨタVの反則からゴール前ラインアウトとなりHO北出が抜け出すも、トライライン直前で相手にボールを奪われてしまう。その後も敵陣深くまで前進する場面があるも、堅守に阻まれてスコアすることができない。反撃の糸口が掴み切れないまま時計の針が進み、35分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれて失トライ。さらに終了間際にもターンオーバーからボールを繋がれトライを献上し、最終スコア12-43でプレシーズンマッチ初の黒星を喫した。
試合後、デイブ・レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチは渋い表情を浮かべ、7本のトライを奪われての敗戦に「クイックスローからのトライや自陣のコーナー付近でボールが出てきてグラウンディングされるなど、いくつかのトライは何もないところから生まれたものです。ディフェンス面については大半の時間帯はうまく機能していましたが、重要な局面でタックルを外されたり、本来のシステムとは違う動きしたりしたことで罰を受けることになりました」と述べた。アタック面については、試合を通じて何度もゴール前まで攻め込む場面があったものの仕留め切ることができずに「フィニッシュまでの“丁寧さ”が欠けていた」と反省する。そのようなゲームになったのは、「相手の方が熱意や集中力という点が上回っていたように思います。マインドセットの部分が本来のあるべき状態ではなかったと感じました」とメンタル面を要因に上げる。
開幕まで残り2週間。トヨタVとは1ヶ月後の12月27日(土)NTTリーグワン第3節で対戦する。
「今日の敗戦は相手というよりも自分たちに問題がありました。緊張感を持って正しいことをやらなければ、ダメージを食らうことになります。それを痛感したゲームになったと思います。開幕を控えてチームにとって良いレッスンになりました」とレニーHC。
悔しい結果に終わったが、パシフィックネーションズカップ2025で負傷したララトゥブアが復帰し激しいボールキャリーでチームに勢いを与えたり、今シーズンFLに挑戦するルーキーの本橋が攻守で力強いプレーを見せたりと、開幕戦に繋がる好材料も。
プレシーズンマッチ最後の試合は12月5日(金)花園近鉄ライナーズとの対戦だ。神戸Sは12月13日(土)の開幕戦に向けて総仕上げに入る。
PR山下 裕史
「今シーズン初出場となりました。実戦でスクラムを組みたかったという思いはありますが、前半途中からアンコンテストになってしまったので、そこに関しては仕方がありません。久しぶりの試合は疲れましたが、楽しかったです。チームとしては、アタックの際に良いテンポでボールが出せなかったですし、ディフェンスでも相手にテンポを上げられてしまったところがあったので、しっかりレビューをして攻守ともに修正すべきところは修正しないといけません。セットプレーに関してはモールを押し込まれてトライを取られたところがあったので、そこも修正しないと。これまで連勝で来ていましたが、開幕戦で敗れるよりは、プレシーズンマッチで負ける方がいい。この敗戦はいい薬になると思います。開幕までにチーム力を上げていけるようにしていきます」
LOブロディ・レタリック(共同キャプテン)
「前半30分まではやるべきことを正しく実行し、チャンスを作り出すことができたのですが、その後、規律が乱れ、ミスも出て、相手にボールを渡して自陣でのプレーが長くなってしまいました。今日の問題は、規律、そして、ディフェンス。良いタックルをしても、最終的にはオフロードを繋がれたりしました。またアタック面では、3、4フェイズ繋いでも最後にボールを落としてしまうなど、ミスが出て、スコアできずに終わりました。今日は、我々の悪いところがすべて出た試合と言えます。なぜそういう試合をしてしまったのか。それは技術というよりも、メンタル面が大きいように思います。開幕戦までに準備しないといけないことが、今日は明確になりましたので、この敗戦からの学びを活かしてチームの成長に繋げられるようにしていきます」
NO8ワイサケ・ララトゥブア
「月曜日に復帰しました。復帰戦ということもあり、今日はあまり自分らしさを出すことができなくて。特にディフェンスに関しては、チームはピート・マーチィディフェンスコーチのもとで新しいシステムに取り組んでいるので、今は自分自身の中に落とし込んでいる段階です。それもあり、ゲームをしながら体得することも多かったですし、アタックも連携やプレー選択と学びがたくさんありました。グラウンドに戻ってようやくスタートラインに立てたので、今日の試合から学んだことを活かして、自分の成長に繋げられるようにしていきたいと思います」
SH日和佐 篤
「アタックに関しては敵陣深くに何度も進むことができましたし、そこに至るまでの形も良かったのですが、いかんせんスコアしないと勝つことはできません。相手のディフェンスを崩すことができなかったところもありますが、ハンドリングエラーが多過ぎたと言えます。ハンドリングエラーはすぐに修正可能なところですので、個人で取り組んでいかないと。どうやってディフェンスを崩していくのかという点については、チームの中でクリアにして、全員が同じページに立てられるようにしていかなければ。また、今日は攻めるべきではないところで攻める場面もあり、試合中に修正していく力も必要です。アタックの時間が増えることで、失点も減るので、問題点を理解して開幕までにしっかり修正していきたいと思います。今日は試合を通じてトヨタVの方が丁寧にラグビーをしていました。個人としては、今シーズン2戦目となりましたが、もう少しゲームフィットネスを上げないといけないと感じて。開幕戦のメンバーに入る、入れないかは自分の努力次第ですので、ゲームフィットネス、コンディションをもう1段階上げてアピールしていけるよう頑張ります」
〜NEXT GAME〜
プレシーズンマッチ2025-26
12月5日(金)14:00キックオフ
コベルコ神戸スティーラーズvs 花園近鉄ライナーズ
@コベルコ神戸スティーラーズラグビーグラウンド
※無料公開








