取材日:2025年8月27日
2025-26シーズン 新加入選手インタビュー Part.1 LOニール・ハンセン選手
2025-26シーズンに向けて1度目の測定日である8月18日に20歳の誕生日を迎えた南アフリカ出身のニール・ハンセン選手。ラグビーワールドカップ2015イングランド大会でスプリングボクスが日本代表に敗れ衝撃を受けたというハンセン選手は、4年後のワールドカップ日本大会準々決勝で日本代表が南アフリカ代表に善戦しているのを見て、将来は日本でプレーしようと誓ったのだとか。そして、2025-26シーズン、コベルコ神戸スティーラーズに入団。「夢が叶いました!」と笑顔を見せる彼の目指す選手像や目標とは。“これまで”と“これから”さまざまな話を聞きました。
「最終的に日本代表としてプレーすることが目標です。 実現に向けて1つ1つステップを踏んでいきます!」

LO
ニール・ハンセン
NEIL HANSEN
PROFILE
- 2005年8月18日(20歳)、南アフリカ・ムプマランガ州出身
- パールボーイズ高校→ウェスタン・プロヴィンスU18→ライオンズU19/U21→U20南アフリカ代表
- ポジション/LO
- 身長・体重/198cm・115kg
理想とする選手像はバッキース・ボタ選手
まずニックネームを教えてください。
「フリッジです。今より太っていて大きかったことから、友人から『冷蔵庫みたいだ』と言われて(笑)。リフリジレーター(refrigerator)から名付けられ、『フリッジ』と呼ばれるようになりました」
198cmと長身ですが、子供の頃から大きかったのですか。
「身長はずっと高い方でしたね。ただ、両親も、姉も妹もそれほど大きなくて。僕だけがぐんぐん身長が伸びました」
日本に来るのは初めてですか。
「初めてです!日本でプレーしたいと思っていたので、夢が叶って嬉しいです」
神戸にはいつ来たのでしょうか。
「8月8日です。今、南アフリカは冬なので、この暑さには驚きました。けど、みんなに優しく迎え入れてもらって、食べ物も美味しくて、日本での生活を楽しんでいます。特に焼き肉が美味しかったですね。まだそれほど日本食を食べる機会がないので、これから寿司をはじめ、いろいろなジャンルの料理に挑戦したいです。それと神戸の街も探索したいですね」
ハンセン選手のこれまでのラグビー歴を伺いたいのですが、ラグビーは何歳からはじめたのでしょうか。
「ラグビーは6歳からはじめました。父もプロではないですが、ラグビー経験者だったことがきっかけです。小学生の頃は足が速かったので、センターでプレーしていました。高校に入った頃には体重が増えて身長も180cm近くになっていたので、バックローでプレーするようになり、最終学年からはロックに転向しました」
当時、好きだった選手や目指していた選手というのは。
「子供の頃から好きだった選手が、南アフリカ代表85キャップのロック、バッキース・ボタでした。彼はフィジカルを前面に出したプレーで、相手をドミネートし続ける。けど、フィールドから出たら、人格者。今でも彼のような選手になりたいと思っています」
RWCでの日本代表のプレーに魅了されて
プロのラグビー選手になりたいと思ったきっかけは。
「子供の頃からプロラグビープレーヤーになることが夢だったのですが、現実味を帯びてきたのはパールボーイズ高校に入ることができたあたりからです。パールボーイズはラグビーの強豪校で、ライバル校であるパールジムナジウム高校との試合には3万人の観客が集まるほど注目されています。僕の代は接戦で負けてしまいましたが、試合に出たことで大きな自信になりました。その後、ウェスタン・プロヴィンスU18、ライオンズU19/U21、U20南アフリカ代表とステップアップしていくことができました」
母国で順調にキャリアを重ねていく中で、なぜ日本でプレーしたいと思うようになったのでしょうか。
「ラグビーワールドカップで日本代表の活躍に刺激を受けたことが大きいですね。まずラグビーワールドカップ2015イングランド大会でスプリングボクスが日本代表に敗れたことが衝撃的でした。もともとスプリングボクスの大ファンでしたし、日本代表に負けるわけがないと思っていたのですが、結果は敗戦。あの試合から日本代表に対して見る目が変わりました。それから4年後の日本大会では日本代表はアイルランド代表に勝利し、プレーオフトーナメントに進んで、準々決勝ではスプリングボクスに敗れましたが、すごく良い試合をしました。日本代表のラグビースタイルも魅力的でしたし、日本でプレーしたいと思うようになりました」
コベルコ神戸スティーラーズへの入団が決まった時の心境は。
「心から嬉しかったですね。家族もとても喜んでくれて、僕の決断を誇りに思ってくれています。それに神戸Sには、ブロディ・レタリック、アーディ・サベアという世界的な選手がいます。彼らと一緒にプレーできるなんて夢のようです。特にレタリックは同じポジションですし、ラインアウトといったロックに必要不可欠なスキルやワークレート、諦めない姿勢などをしっかり学んでいきたいと思います」
チームにはラグビーワールドカップ2015イングランド大会の南アフリカ代表戦に出場した山下 裕史選手と日和佐 篤選手がいます。山下選手は、ハンセン選手の年齢のほぼ倍にあたる39歳です。
「そうなんですか!山下さんは18日に行われたブロンコテストの時に初めて会いました。雰囲気的にコーチだと思ったんですけど、フォワードの選手と一緒に測定して、スピードも速くて、この人は選手なんだとびっくりしました。山下さん、日和佐さんといったベテランの選手と一緒にプレーできることもワクワクします。経験豊富な先輩からいろいろなことを学んでいきたいです」
目下の課題はフィットネス
先ほど名前が出たサベア選手からはどういうことを学びたいですか。
「アーディ(・サベア)については、ヴィリー(・ポトヒエッター)から2023-24シーズンのことを聞いています。彼はチームメイトを大事にする人で、周りの人たちに対して思いやりを持って接してくれる素晴らしい人格の持ち主だと教えてもらいました。そして、グラウンドに出ると相手に向かっていって容赦のないプレーでドミネートしていきます。彼からはブレイクダウン周りのプレーについて学びたいですし、キャリーの面でも吸収できることが多いと思います。かつ、フィールドで自分のパフォーマンスを発揮する上で取り組んでいることもあると思うので、練習方法や1週間のルーティンなどについても学びたいですね」
ポトヒエッター選手はハンセン選手と同じく南アフリカ出身で、年齢も近いです。彼の存在というのは大きいのではないでしょうか。
「ヴィリーが神戸Sに入団した時、ちょうど僕と同じくらいの年齢で、少し寂しさを味わったようです。それもあって僕には孤独を感じることがないように常にサポートしてくれています。本当に優しい人ですし、兄のような存在ですね」
ポトヒエッター選手に神戸の街をいろいろ案内してもらってくださいね。ちなみに、日本でプレーしている南アフリカ出身の選手で知り合いはいるのでしょうか。
「東海大学に在籍しているヘンドリック(・スミス)は高校時代の友人です。まだ会えていないですが、近いうちにどこかで落ち合うことができたらと思っています」
本格的に練習がスタートしていないですが、ラグビーの面において南アフリカと比べて違いを感じることはありますか。
「日本のラグビーはテンポが速いですし、特に神戸Sの目指すラグビーはフィットネスが必要だと感じています。南アフリカではそれほどフィットネスを求められなかったですが、神戸Sはそうじゃない。フィットネスは今の課題ですし、レベルアップして、80分間グラウンドを動き回ることができるよう取り組んでいきます」
来日する前に神戸Sの試合は何試合か見ているのでしょうか。
「YouTubeでチェックしていました。特に好きな試合はNTTリーグワン2024-25プレーオフトーナメント準々決勝静岡ブルーレヴズ戦です。セットプレーが安定していて、バックスもスピード感があって、レベルの高さに驚きました」
まずはリーグワンデビューを目指す!
ズバリ今シーズン、個人の目標は。
「リーグワンデビューをすることが、まず1つの目標です。そのためにはチームメイトのことを理解して、チームのカルチャーを知って、チームの一員にならないといけないと思います」
リーグワンデビューに向けて、コーチ陣にはどの部分でアピールしていきますか。
「強みであるディフェンスです。ラグビーをはじめてから、いろいろなコーチからタックルの姿勢、足の置き方、ドミネートの仕方などを指導していただき、ディフェンスが武器といえるほどになりました。あと、ボールキャリーも得意なので練習やプレシーズンマッチでしっかりアピールしていきます」
リーグワンにはたくさんの南アフリカ出身の選手がプレーしています。対戦してみたい選手はいますか。
「ピーターステフ・デュトイ(トヨタヴェルブリッツ)です。彼のワークルート、フィジカリティーは別格です。彼と同じフィールドで戦えることは南アフリカ出身のラグビー選手にとって1つの夢なので、今シーズン、それを叶えることができるように自分自身にフォーカスしてフィットネスやフィジカルをレベルアップさせてゲームメンバーに選んでもらえるようチャレンジしていきます」
ラグビー人生において大きな目標というのは。
「日本代表としてプレーすることです。リーグワンチームの一員になるというステップは踏むことができました。次はチームで試合に出ること。そして、最終的に日本代表に入る。大きな目標の実現に向かって努力して、1つ1つステップを踏んでいきたいと思います」
頑張ってくださいね。では最後にスティールメイツへメッセージをお願いします!
「スティールメイツの皆さんに会えることも楽しみですし、スタジアムで皆さんの応援を聞くのも待ち遠しいです。新しい出会いにワクワクしています!これから応援よろしくお願いします!」
桜のジャージを身に纏いプレーすることを夢見て来日。ハンセン選手が兄のようだと話すヴィリー・ポトヒエッター選手も同じく日本代表としてワールドカップに出場することを目標にしています。日本代表資格を得るにはまだ時間がかかりますが、ヴィリー選手とともに日本代表として活躍する日が来ることを願わずにはいられません。20歳の若きフォワードがこれからどのような成長曲線を描き、どのような選手へと変貌を遂げるのか、期待が膨らみます!

