チーム
【ニュージーランド武者修行レポート最終回】アタアタ・モエアキオラ選手編
ニュージーランド州代表選手権(NPC)出場を目指してマナワツ・ターボス(ニュージーランド)に派遣された前田 翔選手、日下 太平選手、アタアタ・モエアキオラ選手。8月9日に開幕したNPCの戦いも最終盤へと突入しました。プレシーズンからAチームのスコッドに入り、NPCの試合に出場した「アタ」こと、モエアキオラ選手のレポートをお届けします。昨シーズンは開幕前に大怪我をし、シーズンを棒に振ることになったアタがニュージーランドで得たことや今シーズンにかける思いを話してくれました。(取材日:9月27日)
昨年11月25日に行われた最後のプレシーズンマッチで左膝の前十字靭帯を断裂しました。走れるようになったのは今年4月です。昨シーズンはまったく試合に出ることができずに悔しいシーズンを送ることになりました。
マナワツ・ターボスへの派遣を打診されたのは、5月頭のことです。レンズ(デイブ・レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ)から「ニュージーランドで多くの試合経験を積み、ゲーム感覚を取り戻してほしい」と言われて。1日も早くプレーしたかったので、試合ができるチャンスを与えてもらって感謝の気持ちが湧き上がりました。それから6月30日の出発日まで灘浜グラウンドでトレーニングを積み、コンディションを100パーセントに戻して、ニュージーランドへ。
(日下)太平のレポートにもありましたが、成田空港でDC(ダン・カーター)に偶然出会って!いろいろと話すことができて嬉しかったです。マナワツ・ターボスの本拠地であるパーマストンノースには、これも太平のレポートにあったのですが(笑)、ナニ(・ラウマぺ)やウェスリー(・クラークディフェンスコーチ)が住んでいて、特にナニにはいろいろな場所に連れていってもらいました。
チームについては、想像していた以上に若い選手ばかりで!神戸スティーラーズはチーム最年長38歳のヤンブーさん(山下 裕史)を筆頭に年上の選手が多いこともあり、まだまだ自分のことを若いと思っていました。でもマナワツ・ターボスでは17歳、18歳といった選手が在籍していて、なんと僕はチーム最年長(28歳)だったんです!今回、ニュージーランドに派遣されて、それが一番驚いたことです(笑)。ただ、若い選手がミーティングで積極的に発言し、リーダーシップをもって行動している姿を見て、僕ももっと頑張らないといけないと刺激を受けました。それに、これまで1勝7敗(取材時)と結果はついてきていないですが、才能ある選手も多いので、一緒にプレーしていて楽しいですね。
今回のニュージーランド派遣でフォーカスしていたのは、レンズから言われたように試合に出てゲーム感覚を取り戻すことです。これまでのラグビー人生においてこれほど長い間プレーができなかったのは初めてのことでした。『ラグビーをしたい』『試合をしたい』という思いがあって。しかも、NPCはスーパーラグビーの選手がプレーしていたり、オールブラックス入りを目指している選手がいたりして、レベルが高いです。そういう環境で自分らしくプレーしチャレンジしていこうと思っていました。プレシーズンマッチではまずまずの手応えを得て、NPC開幕戦のタスマン・マコとの一戦でスタメンを勝ち取ることができたのですが、ウォーミングアップの時に太ももを痛めてしまって…。結局、試合に出られずに初戦は終わりました。その後すぐに復帰し、2戦目のノースランド戦でNPCデビューを果たすことができて。ただ、この試合は前半19分に負傷交代となってしまって不完全燃焼で終わりました。次に出番を得たのは、6戦目のノースハーバー戦です。4試合ぶりに先発を勝ち取ったのですが、あまりパフォーマンスが良くなくて、後半すぐに交代することになってしまいました。これまでの試合では自分らしいパフォーマンスを発揮することができなくて悔しさが残ります。
NPCは残り2試合となりました。明後日(9月29日)に行われるタラナキ戦(※)、そして最終戦となるカウンティ・マヌカウ戦では自分の強みであるフィジカルを前面に出したプレーをして活躍したいと思います。そして、ニュージーランドで得た手応えを神戸スティーラーズに持ち帰って、今シーズンは試合にたくさん出たい!
昨シーズンのプレシーズンは、ブロンコテスト(持久力測定)でも自己ベストが出るなど、最高に仕上がった状態でしたが、開幕前に怪我をしてしまって、本当に悔しかったです。神戸に戻ったら、チームが求めるフィットネスレベルに達するようにトレーニングし、練習から力強いプレーをしてアピールしたい。今シーズンは昨シーズンの悔しさを晴らすシーズンにします!
(※タラナキ戦では、2トライをマークする大活躍となりました!)