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【レポート】9月21日(土)「アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2024ファイナルシリーズ」決勝 日本代表vsフィジー代表に松岡 賢太選手、ティエナン・コストリー選手、李 承信選手、濱野 隼大選手が出場しました
準決勝でサモア代表に49-27で快勝した日本代表は、9月21日(土)大阪・東大阪市花園ラグビー場にて開催の「アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2024 ファイナルシリーズ」決勝でプールA1位のフィジー代表と対戦しました。
この試合にコベルコ神戸スティーラーズから李 承信選手がFBで先発出場、松岡 賢太選手、ティエナン・コストリー選手、濱野 隼大選手がリザーブ入りしました。
日本代表は現在世界ランキング13位。フィジー代表はラグビーワールドカップ2023フランス大会で8強入りし同10位と格上の相手との一戦を前に、エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチは
「フィジー代表はここ2年で急成長しており手強い相手です。セットプレー、ブレイクダウンが激しく、若い選手が多い日本代表にとって良いチャレンジになります。土曜に準決勝を戦ったフィジー代表よりも準備期間が1日短いですが、しっかり準備ができていますし、相手はアタックを得意とするチームですが、日本代表の方が上であることを証明したい」と超速ラグビーに自信をのぞかせていました。
フィジー代表のキックオフではじまった試合は、互いに譲らず拮抗した展開に。先制したのは日本代表。7分、キックカウンターからテンポよくボールを繋いでゴール前まで迫ると、相手に反則が出て日本代表はショットを選択。FB李選手のキックが決まり、3-0に。しかし、すぐさまPGで3点を返され(10分)、ゲームは振り出しに戻ります。一進一退の激しい攻防が続く中、待望のトライは20分。これまで4試合連続でトライをマークしている絶好調のCTBディラン・ライリー(埼玉WK)がステップで相手を交わすとキックを蹴り上げ、自らキャッチし、インゴールへ。ゴールキックも決まり、10-3としました。その後も日本代表は素早い攻撃で敵陣深くに入りますが、ミスが出て、トライを取り切ることができません。逆に31分、相手に連続攻撃を仕掛けられてゴールラインを割られてしまいます。ここは直前にノックオンがあり、TMO判定によりノートライとなりますが、その1分後、この試合も『10番』を背負ったキャプテンSO立川 理道選手(S東京ベイ)のキックがチャージされ、そこからボールを運ばれて失トライ。10-10にされると、38分、HO原田 衛選手(BL東京)のタックルが危険なプレーと見做され、シンビンの判定。1人少ない状況で自陣深くに入られますが、14人で守り切り、10-10で折り返しました。
後半は立ち上がりから攻守でプレッシャーを受け、試合の主導権はフィジー代表が握ります。11分、「スピードアップを図るため、立川に代えて、李をFBから司令塔に回した」というジョーンズ日本代表ヘッドコーチの意図により、立川選手に代わって、この試合が日本代表デビューとなるWTB濱野選手がピッチへ。しかし、試合は防戦一方。16分、フィジー代表にPGで加点され、10-13と均衡が破れると、19分、スクラムから連続攻撃を受けてトライを献上。相手の激しいプレッシャーから日本代表はミスを重ねて、自陣での戦いを強いられます。さらに27分、30分、35分にもトライを奪われ、41-10に。38分、1万4437人のラグビーファンの前で、WTBマロ・ツイタマ選手(静岡BR)が意地のトライを見せますが、日本代表の反撃もここまで。41-17でノーサイドとなり、「アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2024」はフィジー代表の大会2連覇となり、日本代表は準優勝に終わりました。
松岡 賢太選手
「大阪出身なので、花園で行われる今日の試合を楽しみにしていました。ただ、後半26分から出場し、セットプレーやフィールドプレーでもインパクトを与えるようなプレーをしたかったのですが、チームに勢いを与えるような働きができなくて…。後半1つ目のスクラムの時にも、同じポジションの原田選手がシンビンだったので、ファカタヴァ アマト選手(BR東京)に代わってピッチに入ったのですが、その時の『1番』と『3番』の選手が普段練習の時に組んでいるメンバーではなかったこともあり、きちんと合わせられなくて反則を取られてしまって…。もっと練習からしっかりコミュニケーションを取っていれば、また違う結果になったのかなと反省しています。課題も出ましたが、テストマッチデビューとなったサモア代表戦から2試合連続でテストマッチに出られたことは、良い経験になりました。試合後には、スタンドに神戸スティーラーズのグッズを持って応援してくれているスティールメイツの姿を見つけることもできて、今日は特別な時間を過ごすことができました。皆様に勝利を届けたかったという思いは強いですが、これからも頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします!」
ティエナン・コストリー選手
「優勝を目指していたので準優勝という結果に終わり、とても残念に思います。フィジー代表はフィジカルが強くて、オフロードパスがうまいチームです。対策を練り、良い準備をして試合に臨んだのですが、後半途中からどんどんオフロードパスが繋がり、ディフェンスが難しい状況になってしまいました。後半21分からグラウンドに入り、流れを変えたかったのですが、相手に勢いがあってリズムを取り戻すことができずに、そのまま試合終了。悔しい結果に終わりましたが、PNCは初めての海外遠征もあり、チームとして絆が深まりONE TEAMを感じることができた大会です。これから日本代表はもっと強くなる。そう感じられましたし、次のニュージーランド代表戦では良い結果を得られるようにします。引き続き日本代表の応援よろしくお願いします」
濱野 隼大選手
「子どもの頃からの夢であった日本代表としてテストマッチに出場することができました。
しかも、会場は東大阪市花園ラグビー場です。実家が兵庫県三田市なので、家族やラグビースクール時代の友人、コーチが観戦に来てくれました。また、スタンドにスティールメイツの姿もあり、サポートしてくれる皆様の前で良いプレーをして恩返しがしたいと思い、試合に臨みました。後半11分から出場と思っていたよりも早く出番が来たことは良かったのですが、ディフェンスの時間が長くて、持ち味であるスピードを見せる場面がなくて…。もっと自分から働きかけてボールを持つ機会を増やせるようにしないといけないと課題が見つかりました。これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします」
試合後の記者会見でジョーンズ日本代表ヘッドコーチは
「選手の努力は良かったですが、セットプレー、ブレイクダウン、空中戦とどの部分も相手を上回ることができませんでした。チームに足りないものを確認できた試合になりました」と総括。しかしながら、PNCではキックを使ってバランスよく攻撃を仕掛けるなど標榜する「超速ラグビー」に進化が見られ、2027年のラグビーワールドカップに向けて6月からスタートした日本代表の成長ぶりについて「思っていたよりも強化は早く進んでいます」とチームづくりは順調であると強調していました。
日本代表の2024年の国内最終戦は、10月26日(土)現在世界ランキング3位のニュージーランド代表との対戦です。ジョーンズ日本代表ヘッドコーチは「接戦に持ち込んで相手を追い詰めたい」と意気込みます。2022年10月29日に行われた同カードでは日本代表は31-38で惜敗しました。日本代表の歴史的勝利を信じて、10月26日は日産スタジアムで日本代表を後押ししましょう!