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KOBELCO

close-up KOBE -Long interview-

ロングインタビュー

2025-26シーズン 退団選手インタビュー Part.6 LOワイサケ・ララトゥブア選手

 取材日:2026年6月16日

2025-26シーズン 退団選手インタビュー Part.6 LOワイサケ・ララトゥブア選手

チームメイトやスティールメイツから「ワイス」と親しまれた、ワイサケ・ララトゥブア選手。トライをマークしたり、スティールしたり、好プレーが出ると、スティールメイツから「ナイスワイス!」と声が上がり、ララトゥブア選手もこの応援が大のお気に入りでした。東海大学から「コベルコ神戸スティーラーズですべてを成長させたい」と誓い、2023-24シーズンに入団し、1年目からロックでポジションを獲得。2025年夏には日本代表入りを果たしました。今シーズンはバックローで出場機会を得て、2シーズンぶりに全試合に出場。押しも押されぬ神戸Sの中心選手である彼が、今シーズンをもって退団することを決意しました。この3シーズンで学んだことやスティールメイツに対して感謝の思いを語ります。

「神戸Sで過ごした3シーズンはラグビー人生のすべてです。
学びを活かして、さらに成長できるよう頑張ります」

ワイサケ・ララトゥブア

WAISAKE RARATUBUA

PROFILE
  • 生年月日/1998年3月17日生まれ(28歳)
  • 出身地/フィジー・スバ
  • 経歴/ラトゥ・サーララ・メモリアルスクール→東海大学
  • ポジション/LO
  • 代表歴/日本代表5キャップ(6月30日時点)
  • 2025-26シーズンまでの神戸Sでの公式戦出場回数/55

神戸Sで成長できたお陰で日本代表へ

ララトゥブア選手の退団に驚いたスティールメイツは多いと思います。

「スティールメイツの皆様には、『ナイスワイス!』と声をかけてもらって応援していただき、本当に感謝しています。チームを退団すること、スティールメイツの皆様に別れを告げないといけないことは寂しく思います。ただ、これからもラグビーを続けますので、スタジアムで会った時は声をかけてください」

「すべてを成長させたい」という思いで入団されましたが、1年目からレギュラーを獲得しました。

「ロックにはガズラ(ブロディ・レタリック)やエパ(ジェラード・カウリートゥイオティ)、小瀧(尚弘)さんといった素晴らしい選手がいます。まさか1年目から全試合に出られるとは思ってもいませんでした。しかし、そういった選手から多くを学んで、コーチ陣のサポートもあり、毎日いろんなことを吸収し成長できて、幸いにも試合メンバーに入ることができました」

大きな学びになったのはどういうことでしょうか。

「大学からリーグワンのトップチームに入団し一番驚いたのが、リカバリーや試合に向けての準備、食生活など、グラウンド外での意識の高さでした。どうやって体のコンディションを維持するのか、そのためにどういうリカバリーをするべきなのか。この部分についてはガズラやエパから学びました。彼らは普通に生活しているだけだと思うのですが、その一つ一つが学びになって。彼らからプロフェッショナルとしての意識の高さを感じました」

大学ではリカバリーやコンディショニングまで意識していなかったと。

「大学時代はグラウンド内でどれだけ良いプレーを発揮できるかに気持ちが集中していて、リカバリーや普段の生活についてそれほど考えることがなくて。練習して、寮に帰って、みんなとワイワイ過ごしてという感じでした。ガズラをはじめ、経験豊富な選手が普段の生活からグラウンド内でのパフォーマンスを良くすることを意識して過ごしていることがわかったことは学びになりました」

そうやって成長し、昨年夏に初めて日本代表に招集されました。

「日本代表になることは日本でプレーすることを決めた時から目標にしていたので嬉しかったです。毎日の練習をどう実りあるものにするか、1週間どういう風に過ごすのかを考えながら取り組んだ結果、成長することができて、チャンスを得ることができました。日本代表に選ばれたのも、神戸Sに入って成長できたお陰です」

レンズから指導を受けて『自分の役割を遂行すること』がモットーに

この3シーズンを振り返って一番印象に残ることは。

「個人的なことなのですが、実は入団1年目のシーズン終了後に父が亡くなったんです。私にとって父は大きな存在でした。最初はラグビーをすることに反対していたんですが、徐々に応援してくれるようになって、神戸Sに入団したことも喜んでくれていました。悲しかったですし、父が亡くなったことで、ラグビーをより一生懸命頑張ろうと思って、それが原動力になり、日本代表への招集に繋がったのかなと思います」

1年目はロックで、2年目からはバックローでプレーする機会が増えました。

「高校時代にバックローでプレーしていたんですが、今シーズンはアーディ(・サベア)が加わったこともあり、いろんなことを教えてもらいました。もちろん、私が1年目の時もアーディは在籍していたのですが、その時はロックをやっていましたし、それに1年目ということで気が引けてしまって、なかなか質問できなかったんです。けど、今シーズンは細かなスキルやグラウンド外での取り組みについて、多くのことを教えてもらいました」

デイブ・レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(以下HC)の指導はどうでしたか。

「レンズ(デイブ・レニーHC)は素晴らしい指導者だと思います。ラグビーだけでなく、さまざまなことを教えてくれました。それに、グラウンド内外でチームを団結させるのが上手いコーチです。今シーズンはそれがよく表れて、チームがひとつになり、優勝という結果を掴むことができました。レンズから指導を受けることができ、幸運だったと思います」

レニーHCから言われた言葉などで印象に残っていることは。

「入団当初、ラインアウトで苦労していて、一度コールを忘れてしまったことがあったんです。その時にレンズから『自分の役割に集中しなさい』と言われたんです。それから『自分の役割を100パーセント遂行すること』をモットーにプレーしてきました。レンズは常に私にベストを出すことを求めて、彼の期待に届かないようなパフォーマンスだった時には『自分の役割をしっかり果たしなさい』と声をかけてくれました。あと、レンズから時々いじられることがあって。私はあまり人前に出て喋ったり意見を言ったりするタイプではないのですが、レンズがわざとミーティングで私を指名してきて(苦笑)。あとでレンズから『もっと話して、自分を出せるようになってほしい』と言われました。発言という点はまだまだですが、今後もしっかり取り組んでいかなきゃいけないと思っています」

私を支えてくれたすべての方々に感謝しています

今シーズン、チームは優勝しました。決勝では序盤S東京ベイのアキラ・イエレミア選手がボールをトライゾーンにねじ込もうとした瞬間、ララトゥブア選手が体を張って阻止する場面もありました。

「ガズラが常に『お互いのためにハードワークし続けよう』と言っていました。それが体現できたのが、あの場面だったのかなと思っています。特別何かしたのではなく、チームメイトのために動き続けた結果、グラウンディングを阻止することができました」

優勝の瞬間どういう感情が湧き上がってきましたか。

「これまで積み重ねてきたハードワークが報われた瞬間で、チームに入団してからの出来事が次々と頭に浮かんできました。父のこと、早朝から1人でトレーニングしたこと、いろんなことが思い出されて。そして、『優勝』というどのチームも目指している結果を勝ち取ることができて心から嬉しかったです」

神戸スティーラーズで過ごした3シーズンはララトゥブア選手にとってどういう時間になりましたか。

「この3シーズンには私のラグビー人生の全てが詰まっています。まだまだ選手として『子ども』だった私をラグビー選手として人間として成長させてくれました。コーチ陣、チームメイト全員からたくさんのことを学ぶことができましたし、メディカルスタッフも怪我をした時にはいち早くグラウンドに戻れるように尽力してくれて、復帰後も一つ一つの動きをチェックして、良い状態で試合に臨めるようにしてくれました。そしてスティールメイツの皆様も応援でサポートしてくれました。神戸Sでプレーできて幸せでした。神戸の街、神戸製鋼所、チームメイト、スタッフ、スティールメイツ、すべての方々に感謝しています。この3シーズンで得たことを活かしながら、さらに成長できるよう頑張ります!」

ララトゥブア選手の今後の目標は。

「新しいチームで勝つことを目指します。けど、まずは神戸Sで学んだことや経験したことを活かして新しいチームの力になれるようハードワークすることが大事だと思います。そうして周りから信頼を勝ち取って、チームとして勝利を求めて頑張ります」

冒頭にもスティールメイツへの言葉がありましたが、あらためてメッセージをお願いします。

「スティールメイツには心から感謝しています。勝敗にかかわらず常に熱い声援を送ってくれて、試合後、スタンドで皆さんに挨拶する瞬間が大好きでした。皆さんの応援が力になっていましたし、頑張るパワーになっていました。スティールメイツあっての神戸スティーラーズだと思います。唯一無二のサポートで支えていただき、ありがとうござました!」

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