【試合レポート】5月2日(土) NTTリーグワン2025-26 第17節三重ホンダヒート戦
本来のパフォーマンスを発揮できずエラーを重ねるも、5点差で逃げ切り今季2度目の首位に浮上
コベルコ神戸スティーラーズは東大阪市花園ラグビー場にて三重ホンダヒートと対戦し、24-19で勝利した。
リーグ戦も今節を含めて残り2試合となる中で、今シーズン最後のホストゲームを迎えた。相手は敵地で行われた第2節では苦しみながらも28-23で勝利した、9位の三重H。神戸Sは先発を5名入れ替えて試合に臨んだ。
三重Hのキックオフではじまった試合はいきなり動く。開始早々相手の反則から敵陣ゴール前でのマイボールラインアウトを獲得し、外へと展開するとFWでじりじりと前に出て最後はFL今村がフィニッシュ。幸先の良い立ち上がりとなる。しかし、その後、ハンドリングエラーを連発。FLコストリーが相手ラインアウトをスティールしたり、FB上ノ坊が自陣深くに蹴り込んだ相手のPKをタッチライン外側からジャンプしてノータッチにするスーパープレーが出たりと、随所に好プレーはあるも、流れを掌握することができずに時間が経過する。逆に22分、自陣10mライン付近でのラインアウトから展開されると、FBレメキがラインブレイク。そのままゴールラインまでボールを持ち込まれてトライを献上。ゲームは7-7と振り出しに戻る。すると、神戸Sがゴール前まで迫る中で、27分、三重HOのLO西村に故意のオフサイドがあったとしてイエローカードが提示される。人数が多い神戸Sはここで一気に畳み掛けたいところ。直後のゴール前ラインアウトからの攻撃はモールを押し込んだところでオブストラクションを取られてスコアできずに終わるも、ハーフライン付近でのスクラムで反則を獲得すると再び敵陣深くへ。31分、22mライン付近でのラインアウトから展開し、中央ラックでプレッシャーを受けながらもSH上村がボールを捌くと、SOガットランド、FLコストリーと繋いで、左端のWTBイノケに飛ばしパスが渡り、ディフェンダーを弾き飛ばしながらグラウンディング。12-7と勝ち越した。35分には自陣22mライン付近で得た反則からFKで連続攻撃を仕掛けて、中央からSOガットランドがブラインドサイドにロングパスを放り、WTBイノケが連続でトライし、17-7に。このまま折り返したいところだったが、相手のキックオフのボールを落としたり、防御の際にオフサイドの反則が出たりと、ピリッとしない。さらに、38分には相手にゴール前まで迫られた時のPR渡邉のプレーが不当と見做され、イエローカードが提示される。今度は神戸Sが1人少ない状況となり、38分、自陣ゴール前中央でのスクラムから左へ展開されて、トライを献上、ゴールキックも決まり17-14に。さらに前節でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたCTBイオアサが負傷し、急遽CTBリトルと交代する事態に。キックオフ直後、CTBケラーマンにラインブレイクを許し、ピンチを迎えるも、代わったばかりのCTBリトルがタックルを繰り出し前進を阻止。その後、マイボールラインアウトをスティールされて再びピンチを招くも、WTBブルアがボールを奪うと最後はSOガットランドがボールをタッチへ蹴り出し、ハーフタイムへ。
勝負の後半。三重Hのキックオフではじまると、CTBリトルがボールをキャッチし、そこからパスを繋いでNO8ララトゥブアが抜け出すと、テンポよくボールを展開。最後はLOカウリートゥイオティがトライゾーンへ。1人少ない中で見せた電光石火の攻撃に会場が湧くも、一連の流れでオブストラクションの反則があり、ノートライになってしまった。その後、激しく攻守が入れ替わる中で、三重Hに連続で反則が出て、ゴール前でのラインアウトを獲得する。モールを押し込むが崩れてラックになり、ゴール前でマイボールスクラム。8分、WTB松永がFLの位置に入って8人でスクラムを組むと、FLコストリーがサイドアタック。右中間ラックからSH上村からパスを受けたLOレタリックがそのままトライゾーンにボールをねじ込みトライ。SOガットランドのゴールキックも決まり、24-14とリードを広げた。その3分後、自陣22mライン付近でFB上ノ坊が相手のキックをクイックスローし、テンポよくパスを繋いでNO8ララトゥブアがグラウンディングするも、トライゾーンでボールがこぼれ落ちてノックフォワードに。畳み掛けるチャンスでトライキャンセルとなり、完全に流れを掴み切ることができない。反対に相手の短いキックを三重H陣10mライン付近でLOレタリックがキャッチしたかに思えたが、FBレメキにボールを奪い取られて、神戸S陣深くへ。WTB松永とFLコストリーが追いつき前進を阻むも、パスが繋がり、右端にCTBファアウリが飛び込む。14分、24-19と再び5点差にまで迫られた。その後、中盤で一進一退の攻防が続く中で、相手にコンタクトエリアで押し込まれて流れが三重Hに傾き始める。神戸Sは反則やミスで自陣から脱出ができずにディフェンスの時間が続く。幾度となくゴール前まで迫られるも、なんとか5点差を守り切り、ノーサイド。苦しみながらも神戸Sが勝利し、前日に埼玉WKが浦安DRに敗れたため、2位から首位に浮上。なお、プレーヤー・オブ・ザ・マッチには2トライをマークしたWTBブルアが選ばれた。
試合後、会見場に現れたレニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(HC)に笑顔はない。
「あまりにひどいパフォーマンスでした。本来のフィジカリティを出せなかったですし、スキルのレベルが低かった。状況判断もひどかったです。コーチ陣からすると準備の面で問題があったのかもしれないですし、先発メンバーを入れ替えたことがうまくいかなかったのかもしれません。シーズン最後のホストゲームをこのような内容で終えたことは非常に残念な気持ちです」
共同キャプテンのレタリックも「レニーHCの言葉通り、自分たちの求めるリズム、テンポが出せずに終わってしまいました。三重Hにプレッシャーをかけられている中で、勝ち切れたことは非常にラッキーだったと思います」と憮然とした表情で述べた。
試合を通してハンドリングエラーが多く出たことについては、
「良いキャリーがあって、ラックで良いクリーンアウトができれば、素早いテンポでプレーでき、状況判断も簡単になります。ただ、今日はコンタクトの局面でプレッシャーを受けているのにオフロードパスをしたり、無理やりオフロードパスを繋ごうとしたりして、そこでエラーをしてしまいました」とレタリックは要因を語る。
次節は、いよいよリーグ戦最終戦となる。相手は神戸Sと勝ち点2差で3位につけるS東京ベイだ。神戸Sが勝てば、このままリーグ戦1位通過が決まるが、敗戦すると埼玉WKの結果次第では3位に順位を落とす可能性がある。まさにリーグ戦最後の大一番。
「今日はプレーオフに向けてどれだけモメンタム(勢い)を作っていけるかという点では一歩下がるという結果に終わりました。非常に残念なことではありますが、S東京ベイ戦に向けて修正すべきところを修正し最終節に臨みます」(レタリック)
レニーHCは「試合に向けて準備してきたことをやり切ろうとするマインドセットに問題がありました。いかにマインドセットが大事であるか再確認することになったと思います」と第12節横浜E戦の敗戦時と同じく良いレッスンになったと話す。プレーオフを目前に控え、勝ちを掴みながら学びを得たことをプラスに捉えて、まずは5月10日、S東京ベイの「えどりく不敗神話」にストップをかけるべく、敵地に乗り込む。
HO松岡 賢太
「昨シーズンの準決勝BL東京戦以来、約11ヶ月ぶりとなるリーグワンの舞台に立ちました。昨年8月に足を負傷し、これまでサポートしてくれたメディカルスタッフや励ましの声をかけ続けてくれたチームメイト、スティールメイツに対してまず感謝の思いでいっぱいです。リハビリ期間中は心が折れそうになったこともありましたが、自分にフォーカスして『昨日より成長できるよう頑張ろう』と取り組んできて、今日を迎えることができました。ラグビーが大好きですし、リーグワンで試合に出ることが自分の存在価値だと思うので、今日は本当に楽しかったです。自分の名前が呼ばれた時にはスタンドからたくさんの声援を送っていただいて、背中を押してもらいました。後半から出場し、スクラムではもっとプレッシャーをかけられたかなという反省とラインアウトも1本ノットストレートのミスがありました。ただ、ボールをもらった時の動きやディフェンスでは自分の役割を果たせたと思います。チームとしては勝ち切れたことが収穫です。個人としてはこれからも試合メンバーに入り続けることができるよう頑張ります」
FLティエナン・コストリー
「反省が多い一戦になりました。ガズラ(レタリック)から声がかけられましたが、チーム内でのコネクションがうまく取れず良いディフェンスができなかったですし、マイボールのラインアウトも相手に奪われる場面がありました。アタックでもボールキープができずにエラーからボールを奪われて、相手に何度もチャンスを与えてしまって。今日はなんとか勝つことができましたが、次節のS東京ベイ戦やプレーオフでこのようなプレーをしたら痛めつけられる結果になります。前日に埼玉WKが浦安DRに敗れ、全員の中でこの試合に勝てば1位になると先を見てしまったところがあったのかもしれません。目の前の仕事にフォーカスしないといけないのに…。リーグワンは実力が拮抗していて、常にベストパフォーマンスを発揮しないと負けてしまいます。次節まで8日間あります。S東京ベイにはここ数シーズン勝利できていないので(最後の勝利はNTTリーグワン2022第3節)、今回こそ勝てるように、まずはしっかりリカバリーして、火曜の練習から気持ちを切り替えて良い準備をしたいと思います」
SOブリン・ガットランド
「チームとしてはベストパフォーマンスを全く出せずに、苦しい試合にしてしまいました。特にスキルセットは求めているものでなかったというのは明らかだと思います。キャッチ、パス、オフロードパスに関しても精度が低かった。また、2回のトライキャンセルもあり、試合を通じて自分たちのスタンダードではありませんでした。前日に最下位の浦安DRが首位の埼玉WKを倒す結果になり、我々も負ける可能性がありました。どのチームも力があるからこそ、試合に臨むにあたり常に正しいマインドセットを持ち、ベストパフォーマンスを発揮しないといけません。次節はS東京ベイとの対戦になります。このままリーグ戦1位でプレーオフに入るためには、勝利が必要です。S東京ベイ戦で大事になってくるのは、相手にフォーカスしたり、他チームの結果を気にしたりするのではなく、自分たちに意識を向けて試合で最大限のパフォーマンスを発揮することです。本来のパフォーマンスを出せれば勝つ可能性は高まります。まずは自分たちにフォーカスして、S東京ベイ戦に向けて正しいマインドセットで戦う準備をします」
〜NEXT GAME〜
NTTリーグワン2025-26 第18節
5月10日(日)14:30キックオフ
コベルコ神戸スティーラーズvs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
@スピアーズ船橋えどりくフィールド(江戸川区陸上競技場)








