取材日:2026年4月25日
【試合レポート】4月25日(土) NTTリーグワン2025-26 第16節東京サントリーサンゴリアス戦
ファーストパンチを食らわせて、そのまま逃げ切り、4試合連続で勝ち点5を獲得
コベルコ神戸スティーラーズは神戸総合運動公園ユニバー記念競技場にて東京サントリーサンゴリアスと対戦し、49-28で勝利した。
今節は4試合ぶりのホストゲームである。リーグ戦も佳境を迎える中、今シーズン最後のユニバー記念競技場開催の試合は、5位の東京サントリーサンゴリアスとの対戦となった。第4節では試合終了間際にPGを決めて22-20で辛勝。東京SGは第12節から4連敗中ではあるも、埼玉WKやS東京ベイをあと一歩まで追い詰めた。今節勝ち点5を取って勝利すれば6位以内が確定し、プレーオフ進出が決定する。試合前にFLコストリーは「フィジカルで勝つこと、前節課題として出た規律の面、そして神戸Sのラグビーを精度高くやり切ることが鍵になります。ここ数試合神戸Sは前半の入りが良いので、今節もファーストパンチを食らわしたい」と気合を込めた。
10,406人もの観客が見守る中で行われた注目の一戦はコストリーの言葉の通り、神戸Sが開始5分、相手の反則からゴール前でのラインアウトを獲得するとNO8ララトゥブアがボールを持ち出し、HOディクソンからLOレタリックと繋いで先制トライをマークする。SO李のゴールキックも決まって、まずは7-0。神戸Sのスピードあるアタックを前に東京SGは反則を犯し、11分、再びゴール前でラインアウトを獲得するとサインプレーでボールを動かし、最後はSH上村からパスを受けたNO8ララトゥブアが力強いボールキャリーでディフェフェンダーを引きずりながらトライゾーンへ。アタッキングマインドを前面に押し出し、神戸Sはリードを広げる。しかし、直後のキックオフからのプレーで、キックを使ってテリトリーを得ようとするもプレッシャーを受けて、自陣から脱出することができずに終わると、反則を取られてピンチに。15分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれトライを献上。ゴールキックも決まり、14-7とされる。だが、取られたら取り返す神戸Sはハーフライン付近でのクイックスローからボールを素早く展開し、CTBレイナートブラウンのキックパスで右端に立つCTBイオアサに繋ぐと、走り込んだNO8ララトゥブアへパスを回して前進。NO8ララトゥブアからのパスがFBコルビに渡るも、一連の流れで東京SGに反則があり、18分、22mライン付近でのラインアウトに。ボールを動かし、WTBブルアが前進すると、最後はSH上村からパスを受けたNO8ララトゥブアがトライラインまで一直線。多彩なアタックにスタンドのスティールメイツから大きな拍手が湧き上がった。31分にもゴール前でのラインアウトからモールを押し込み、HOディクソンがフィニッシュ。SO李のゴールキックも決まり、さらに7点を加点。前半終了間際、FWの連続攻撃を受けてトライを許すも、28-14でリードして折り返した。
東京SGのキックオフではじまった後半。神戸S陣深くでキックオフのボールを奪われると、そこから連続攻撃を受ける。ディフェンスの際に反則を取られて、自陣ゴール前で東京SGボールのラインアウトに。モールを押し込まれるもFLコストリーが体を入れてグラウンディングを阻止。自陣でのプレーが続くも、粘りのディフェンスからCTBレイナートブラウンがノットリリースザボールの反則を獲得したり、神戸S陣22mライン付近での東京SGボールのラインアウトでFLサベアがスティールしたりと、随所で好プレーが出てトライラインを割らせない。その後、FB上ノ坊のキックで、後半はじめて神戸Sは敵陣へ。すると11分、東京SG陣10mライン付近での東京SGボールのラインアウトで、LOレタリックがスティール。そこからテンポよくボールを繋いで、LOカウリートゥイオティがディフェンスの裏へ抜けると、オフロードパスをCTBイオアサに繋いで、トライ。攻めこまれながらも守り切り、後半も神戸Sが最初にスコアする。流れを掴んだかに思えたが、16分、NO8ララトゥブアのタックルが不当なプレーとしてイエローカードが提示されると、17分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれてトライを献上。ゴールキックも決まり、35-21に。だが、1人少ない神戸Sがここからエナジーを上げる。相手にハイタックルの反則があり、敵陣深くに入ると、14人とは思えぬ見事な攻撃を展開。東京SGにオフサイドの反則があり、22分、ゴール前でのラインアウトを獲得すると、モールを押し込み前進。そこから展開するとパスを繋いで、最後はLOレタリックがボールをねじ込みフィニッシュ。さらに27分にはFB上ノ坊がトライを決めて、リードを大きく広げる。31分、反則の繰り返しにより、途中出場のSH中嶋にイエローカードが提示され、再び14人になった神戸Sは、その後1本トライを許すも、東京SGの反撃もここまで。49-28で勝利を飾り、勝ち点5を獲得した。
試合後レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(HC)は「埼玉WKやS東京ベイに最後の最後まで勝てるパフォーマンスを発揮されていた東京SGを相手に勝ち点5を取って勝利できたことはハッピーです」と述べた後、「ボールを持っている時間はそれほど多くはなかったですが、自分たちがチャンスを得た際に正確にアタックを完遂することができました。その部分が勝敗を分けたところになったと思います」と振り返った。共同キャプテンの李も「相手にブレイクダウンでプレッシャーをかける余地を与えずに早いテンポでプレーでき、求めた形のアタックができました」と語る。
今節も攻守の大黒柱であるLOレタリックの働きが光った。トライについては2本を決めて、通算トライ数「16」とし、トライランキング1位を独走する。レニーHCは「フィジカリティ、高さ、積んでいるエンジンの大きさもほかの選手とは違います。彼は本当に素晴らしい選手で、まるでマシンのよう」と称えた。また、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたCTBイオアサについては「この3年間でスキル、フィジカル、知識の部分で大きな成長を遂げました。今シーズンは李とレイナートブラウンという代表レベルの選手の間でプレーし、彼らからのサポートもあり、高いレベルのパフォーマンスを発揮しています。まだまだ成長の余白を残す選手ですが、素晴らしい活躍をしてくれています」とレニーHC。彼らだけでなく、全員がハードワークした結果、得られた勝利。とはいえ、今節もイエローカードが2枚出るなど、規律の面は課題として残る。また、自陣からの脱出という点でも特に前半はプレッシャーをかけられる場面があり、改善の余地がある。
次節は東大阪市花園ラグビー場で三重ホンダヒートと対戦する。相手は現在9位ではあるも、プレーオフ進出の可能性を残しており、次節も厳しい戦いが待ち受ける。リーグ戦は残り2試合。神戸Sは今節出た課題を修正し、一戦必勝でトップ2入りに向けて歩みを進める。
LOブロディ・レタリック(共同キャプテン)
「トライを取ることは嬉しいですね。先制トライはチームで用意していた特別なプレーです。そういうプレーがうまく決まり、チームは勢いに乗ることができました。規律の面では乱れたところがありましたが、試合を通して相手を圧倒し、前に出続けることができたことがスコアにつながりました。スタッツ的には神戸Sはどのチームよりも多くトライを取ることができています。そこは自信を持つべきですが、規律の面、特にディフェンスの際の規律が課題です。自分たちを苦しい状況に追い込んでいる要因といえます。規律の面は修正しないといけません。リーグ戦は残り2試合となりました。トップ2に入ると準決勝から参戦することになり、体を癒す時間を作ることができます。そういう意味では2位以内でリーグ戦を終えることは重要ではありますが、まずは目の前の戦いに集中することが大事です。勝ちを重ねて、自信がついた状態でプレーオフに進めることができるようにしていきたいと思います」
SH上村 樹輝
「ブレイクダウンで相手がプレッシャーをかけてくることはわかっていたので、素早くボールを捌くことを意識していました。その上でチームには良いキャリアーがいるので、早いテンポでモメンタム(勢い)を作りながら、味方にボールを繋いで、いろいろなバリエーションを持ちながら相手から絞りづらいアタックができたと思います。ディフェンスについても周りとコミュニケーションを取りながら、システムが機能していると手応えを感じています。ゴール前でもグラウンディングを阻止した場面が何度かあり、粘り強いディフェンスができました。あとは規律を高めれば、さらに良いディフェンスができます。それと、前節課題で出た自陣からの脱出のところも。2度キックをチャージされてしまったので、同じことが起きないように映像を見て修正しないといけません。プレーオフに向けて、修正すべきところは修正し、さらに良いチームになれるようにしていきたいと思います」
SO李 承信(共同キャプテン)
「今週1週間、一人一人がさらに成長して、チームとしてGOODからGREATになれるかところをフォーカスしながら準備してきました。試合を通してポジティブな内容が多く、何よりも敵陣22mライン内に入ったところでしっかりトライを取り切ることができたところが良かったです。ただ、自陣からの脱出のところはまだまだ改善の余地があります。この部分に関しては、9番、10番で課題として取り組んでいるのですが、今日は高さのあるホッキングス選手にプレッシャーを受けたところがありました。後半は風向きの影響もあり修正することができましたが、キックの精度やどういうオプションを使うのか、良くしていかなければいけません。また、規律の面も。今日に関してはディフェンスのところでノットロールアウェイの反則が重なりました。反則1つで相手にモメンタム(勢い)を与えてしまうことになるので、修正しないと。現状に満足することなく、より良いチームになっていけるように、来週もしっかり良い準備していきたいと思います」








