取材日:2026年2月3日
2025-26アーリーエントリーインタビュー Part.4 CTB大町 佳生選手
長崎県大村市出身。長崎北陽台高校ではベスト8を達成し、進んだ帝京大学では1年からメンバー入りを果たし、2年、3年と大学選手権決勝の舞台に立って優勝を経験、大学4年の時はキャプテンとしてチームを牽引しました。スタンドオフやセンターでプレーし、スキルの高さやゲームコントロールの上手さが光る大町 佳生選手が、コベルコ神戸スティーラーズへ。期待のルーキーがラグビーとの出会いからこれまでの道のりについて、そして今後の目標について語ってくれました。
「スタンドオフはチームを勝利に導くポジション。
『10番』で試合出場を目指します!」

CTB
大町 佳生
YOSHIKI OMACHI
PROFILE
- 生年月日/2004年1月23日(22歳)
- 出身地/長崎県大村市
- ラグビー歴/大村ラグビースクール→長崎北陽台高校→帝京大学
- ポジション/CTB
- 身長・体重/174cm・85kg
- 代表歴/高校日本代表候補、U20日本代表
目標はダン・カーター選手
長崎出身で、大学も関東ということで、関西に住むのは初めてですよね。
「そうなんです。土地勘はまったくなくて。チームに合流以来、オフになると大学の先輩である、もっくん(本橋 拓馬)やいっくん(上村 樹輝)にいろんなところに連れていってもらっています」
多くのチームからオファーがあったと思いますが、大町選手が神戸Sに入団を決めた理由を教えてください。
「神戸Sの試合をよく見ていて、ラグビースタイルが好きだったことが大きな理由です。多彩なアタックで見ていてワクワクするラグビーだったので、プレーする側になったらもっと楽しいだろうなと。また、大学の合宿にレンズ(デイブ・レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ)が足を運んでくれて、コーチ陣が選手を大事にしているのが伝わって。練習見学をさせていただいた時に、チームの雰囲気が良かったですし、日本一を目指せるチームということもあり入団を決めました」
レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチの印象は。
「第一印象は怖い人なのかなと(笑)。実際に話をしてみると、そんなことはなくて、プレーをちゃんと見てくれていて、選手一人ひとりに目を向けてくれていることが感じられました」
神戸Sの試合をよく見ていたとのことですが、お目当ての選手がいたのでしょうか。
「ダン・カーター選手が好きで、目標とする選手だったんです。それもあり、よく試合を見ていました。2018-2019シーズンの試合映像はパソコンにも取り込んでいるんです。スペースにボールを運んでトライを取って、アグレッシブなラグビースタイルが面白いなと思いながら見ていました」
実際に神戸Sに入団し、練習に参加してみてどうですか。
「スキルレベルの高さは練習からも感じます。それにリーダー的な選手がたくさんいて、グラウンド内外でチームを引っ張っています。学生時代とはすべての面で違いますね」
大学時代はセンターでプレーすることが多かったですが、高校時代は『10番』を背負っていました。神戸Sではどのポジションで出場を狙うのでしょうか。
「『10番』で出たいという思いが強いです。スタンドオフはチームを勝利に導くことができるポジションです。やっていて楽しいですし、『10番』に対してこだわりは持っています。それに、僕自身、体が大きいわけではないので、『10番』の方が努力次第でチャンスが広がるのかなと思っています」
『10番』をする上で土台作りができた高校時代
ところで、大町選手がラグビーをはじめたのは何歳からなのでしょうか。
「6歳からです。やんちゃだったので、保育園の先生から薦められたのがきっかけです。先生の息子さんがラグビーをはじめていたこともあり、性格的に向いているんじゃないかと。僕は3人兄弟の末っ子なんですが、僕がラグビーをはじめたことで兄2人もスクールに入りました」
ラグビーは楽しかったですか。
「最初はスクールに友達ができて遊び感覚でやっていたんですが、3、4年生で、競技としてラグビーをちゃんとプレーするようになって、どんどん楽しいと思うようになりました。特に自分がボールを持って走ることが楽しくて。それから学年が上がるにつれ、チームスポーツとして、どうやったらチームが勝てるのか考えるようになって、その難しさも感じて、さらに面白いと思うようになりました」
リクルート担当の松井 祥光スタッフが大町選手について『視野が広くて、ゲームコントロールが上手い選手だ』と話していましたが、それはいつ頃から身に付いたのでしょうか。
「高校時代だと思います。中学生の時に長崎県中学選抜に選ばれたりしましたが、当時は下手だったなと。その後、兄が2人とも進んでいたこともあり長崎北陽台高校に入って、東芝(現・東芝ブレイブルーパス東京)でプレーしていた品川(英貴)先生に出会ったことが大きかったです。品川先生からパスのもらい方やどうやったらスペースができるのか、相手が一番嫌なところにどう仕掛けるのかなど、スタンドオフとして大事なことを教えてもらって土台を作ることができました」
高校時代に成長できたと。
「高校1年の時は先輩に気を遣うところもあり、プレーが縮こまり、あまりうまくいかなかったのですが、2年の時にスタンドオフを任されて覚悟が決まり迷いなくプレーができるようになりました。2年の時に変わることができて、3年の花園(全国高校ラグビー大会)ではベスト8という結果を残せて。長崎北陽台高校は選手主体で戦術を考えるチームだったので、ゲーム理解度などが身に付きました。公立高校という部員数や施設面で限られた環境でしたが、ラグビー選手としてスタンドオフとして成長でき、花園ではベスト8を達成し、充実した3年間を過ごすことができました」
センターをすることでプレーの幅が広がった
そして、帝京大学という強豪校で1年からリザーブ入りし、2年からは大学選手権決勝でも『12番』を付けて出場しました。1年からポジションを獲得できると思いましたか。
「出る自信はあったのですが、実際大学に入ると、自分の持っているスキルや知識と、チームが求めていることとのバランスを取ることが難しくて。それに3学年先輩に髙本(幹也)さん(現・東京サントリーサンゴリアス)がいたり、体の大きな選手がいたりして。1年の時はやろうとするラグビーにコミットするのが難しくて苦労しました」
チームから求められていることと自分のやりたいことが違っていたということでしょうか。
「そうですね。ずっと言われていたのは、『WeとMe』です。Weは、チームのこと、チームの決まりごと、Meは、自分がやりたいプレー。Meをチョイスした時に、チームのシェイプ(戦術)が崩れてしまうということが度々あって。1年の時は局面局面でのチームにとってのベストなプレーは何であるのか分からなかったのですが、2年の対抗戦後半くらいから目指すラグビーをやる上での自分の役割が明確に理解できるようになり、『WeとMe』のバランスが取れるようになりました。当時、周りには良い選手がたくさんいましたし、『12番』としての仕事を全うすることにだけフォーカスすることでプレーの遂行力が上がり、良いパフォーマンスが発揮できるになりました」
冒頭でもポジションについて伺いましたが、大学時代もスタンドオフでプレーしたい気持ちがあったのでしょうか。
「『10番』をやりたい気持ちは常にありました。ただ、『12番』をすることによって見え方が変わって、『10番』へのコミュニケーションの取り方や、逆に『10番』だったらこうしてほしいんだろうなと理解できるようになり、プレーの幅が広がりました」
お話を伺っていると高校では公立校でありながら花園でベスト8、大学では1年から試合に出場し優勝を経験するなど順風満帆なラグビー人生を送っているように思うのですが…。
「そんなことはないですよ。U20日本代表でキャプテンをした時には全敗という結果に終わって、その時はめちゃくちゃ悔しかったですし、しんどかったです。それに大学4年の時も…。キャプテンとしてチームを牽引し、大学選手権5連覇を目指しましたが、準決勝敗退に終わって…。挫折も経験していますし、悩むことも多かったです」
チームにとって必要とされる選手に
大学4年の時にキャプテンをすることになったのは。
「帝京大学では目指すチーム像と照らし合わせて、どういうキャプテンが必要なのかを話し合って、いろいろなプロセスを踏みながら、最終的に投票で決めるんです。僕自身、優勝を経験していますし、試合に出ていてチームのスタンダードを理解しているので、グラウンドで示し続けることができます。チームに良い影響を与えられるということで、僕がキャプテンをすることになりました」
チームをどのように引っ張っていったのでしょうか。
「1つ上の代でキャプテンをされていた青木(恵斗)さん(トヨタヴェルブリッツ)のように突出したものが僕にはなかったので、考えた末に、みんなのパフォーマンスを上げることにフォーカスしてチームを牽引することにしました。下級生も多かったですし、彼らが自信を持ってプレーに集中すればチームが機能することがわかったので、選手一人ひとりとコミュニケーションを取るようにしました。ただ、経験値が少ないメンバーもいたので上から話すと萎縮すると思ったので、例えば、1つのミスに対しても、怒るんじゃなくて、『今のどうだった?』と聞いたりして。ポイントを押さえた上で選手によってアプローチの方法を変えてコミュニケーションを取ることで、チームを良い方向に導いていこうとしました」
大町選手のキャプテンシーは。
「コミュニケーションですね。コミュニケーションと僕がグラウンドに立った時に安心感を感じてもらえるよう、1年間取り組んできました。優勝という目標は達成できず満足はしていないですが、そこを目指して努力したプロセスには意味があると思いますし、キャプテンを経験したことで大事なことも学べました。1年間キャプテンをしたことで、いろいろな方々に支えられていることにも気付くことができましたし、感謝の思いを今後、神戸Sで活躍することで恩返したいと思います」
神戸Sでポジションを勝ち取るために必要なことは。
「チームが求めることに対して精度高く遂行することはまず絶対的に必要です。その上で、僕の持ち味は『周りの選手を活かすこと』なので、グラウンドでそれを発揮するには、日々のコミュニケーションが重要だと考えています。グラウンド内だけでなく、グラウンドの外でもしっかりコミュニケーションを取って、周りの選手としっかり繋がっていくことができれば、僕の強みを活かすことができるのかなと。それにラグビーはコンタクトスポーツなので、体を張るところや日々のトレーニングから手を抜かないなど、姿勢の部分でもしっかり示してチームメイトからの信頼を得ないといけません。練習を通じてスキルは通用すると感じていますが、さらにスキルを磨きつつ、リーグワンのレベルにも対応できるようフィジカルアップに取り組んで、(李)承信さんをはじめ、手本となる先輩から学びながら成長し、チームに必要とされる選手になりたい。アーリーエントリーとして入ったばかりで自分を出せていないところもありますが、これから神戸Sでもリーダーになれるよう頑張ります!」
楽しみにしています。ずばり今後の目標は。
「神戸Sで試合に出ること、そして日本一を目指します。個人的には日本代表としてワールドカップ出場が目標です!」
では最後にスティールメイツへメッセージをお願いします。
「神戸Sの一員になることができて嬉しく思います。チームの文化を理解し、地域のために、スティールメイツのために、会社のために全力で戦い日本一を目指します!これから応援よろしくお願いします」

