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試合後のコメント

【試合レポート】5月24日(土) NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25プレーオフトーナメント準決勝VS東芝ブレイブルーパス東京

 取材日:2025年5月24日

【試合レポート】5月24日(土) NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25プレーオフトーナメント準決勝VS東芝ブレイブルーパス東京

粘りのディフェンスを見せるも、自慢のアタックを封じ込められノートライで悔しい敗戦

決勝進出をかけて行われた東芝ブレイブルーパス東京とのプレーオフトーナメント準決勝は、3-31で敗戦という結果に終わった。

今シーズン3度目のBL東京との一戦だ。前回の対戦では11トライを奪われて28-73で大敗と、トップリーグ時代を通じてワースト失点による敗戦となった。レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチは「リッチー・モウンガ、シャノン・フリゼルといった選手だけでなく、全員がダメージを与えられる」と警戒し、互いにアタックに自信を持っているチームということや前回対戦の結果を踏まえて、ディフェンスを鍵にあげた。相手はリーグ戦1位通過し、リーグワン連覇を狙う。そのBL東京に対して、レニーHCは「最大限のパフォーマンスをして、相手にいつもの力を出せないようにしたい」と述べ、大一番に臨んだ。

今にも雨が降り出しそうな空の下、16,253人が見守る中でキックオフを迎えた。神戸Sはキックカウンターから敵陣へと攻め込むと、相手に立て続けに反則があり、3分PGを選択し先制。激しいコリジョンが繰り出される中、拮抗した展開が続く。互いにチャンスを作るも、ディフェンスに阻まれてスコアすることができない。神戸SはBL東京ボールのラインアウトをスティールし、攻撃に繋ぐも再び相手にボールを奪われてしまう。すると、SOモウンガが風上を活かしてキックを蹴ると「50:22」に。14分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれ、トライを献上。しかし、TMOの判定により直前にノックフォワードがありトライキャンセルに。凌ぎ切ったかに思えたが、15分、神戸陣ゴール前でのマイボールスクラムからNO8サウマキがサイドアタック。ここでボールがこぼれ落ち、相手に拾い上げられると、そこから連続攻撃を受けてCTBトンプソンが中央にトライ。ゴールキックも決まり、3-7とひっくり返された。とはいえ、まだ時間はある。神戸Sは懸命なディフェンスで相手の前進を阻止し、追加得点を許さない。25分には、BL東京陣でのゴール前ラインアウトからモールを押し込むとSH日和佐、SOガットランドと繋いで、フラットなパスが右端に立つWTB植田に渡り、そのままコーナーへ。逆転のトライかと思われたが、トライゾーンでボールがこぼれ落ちる。その後も神戸Sが敵陣でプレーを継続するも、BL東京の固い守りを前にトライラインを超えることができない。再びSOモウンガが「50:22」の好キックを決め、形勢が逆転する。「GO!GO!KOBE」の声援の後押しを受けて、神戸Sは必死のディフェンスで守り切り、3-7で折り返した。

後半、先にスコアして流れを引き寄せたいところだったが、いきなりピンチを迎える。キックオフのボールをCTBリトルがキャッチしラインブレイク。そこで攻撃を仕掛けるも、オブストラクションの反則を取られ、自陣でのプレーとなる。3分、ゴール前でのBL東京ボールのスクラムから連続攻撃を受けて最後は大外へと展開され、WTB桑山がトライ。ゴールキックも決まり、3-14に。さらに9分、SOモウンガに40mのPGを決められ、3-17。相手にブレイクダウンで差し込まれて思うようなプレーができない中で反則が増えてきて、苦しい展開になると、17分、反則の繰り返しでFLララトゥブアにイエローカードが提示される。だが、ここから14人の神戸Sが高いアタック力を見せる。自陣10mライン付近で相手のパスが乱れて、WTB松永が拾い上げると、LOレタリックが迫力ある走りでラインブレイクし、敵陣深くまで前進。スティールメイツから歓声が起こる中でボールを繋いで連続攻撃を仕掛けるも、モールアンプレアブルとなり、相手ボールになってしまう。この日はトライラインが遠い…。残り10分、カウンターアタックから素早くパスを繋いで勢いのあるアタックを見せるが、NO8サウマキからのパスを途中出場のSH中嶋が落球…。その後もWTB松永がラインブレイクしチャンスを作るも、最後は相手に絡まれて反則で終わる。35分、神戸S陣10mライン付近でのラインアウトからボールを継続されて、最後はPR橋本に試合を決めるトライを奪われる。終了間際にもパスが乱れたところをCTBトンプソンに拾い上げられてトライラインまで持ち込まれて3-31でノーサイド。神戸Sは準決勝敗退に終わり、3位決定戦に回ることになった。

レニーHCは「ディフェンスは長い時間良い形で相手にプレッシャーをかけることができました。ただ、アタックは相手のディフェンスが素晴らしかったこともありますが、コンタクトの際にボールを失うことが多かったですし、ミスやエラーもありました」と振り返る。

共同キャプテンの李は「コンタクトエリアでのスキルやキャリーに対してのコミュニケーションが良くなかったですし、なにより後半に入ってから2人目のサポートが遅れてプレッシャーを受けてしまって…。相手のディフェンスを崩すことができなかったわけではないのですが、チャンスが作れている中で最後の1フェイズ、2フェイズをミスで終わってしまった。アタックが強みのチームとして、ノートライということが悔しいです」と唇を噛んだ。

レニーHCは

「後半はペナルティを相手に与えすぎましたし、自分たちのエラーも多かったです。勝つためには最大限のパフォーマンスを出して、BL東京にベストを出させないことが必要だったのですが、それができなかった」と敗因を語る。

リーグワン発足後初となるプレーオフに臨み、5位からの頂点を目指したが、王者の壁は高かったと言わざるを得ない。

「BL東京は丁寧にプレーし、brutality(容赦無く)を持ってプレッシャーをかけてきました。丁寧さ、正確にプレーするところに自分たちとの差を感じました。だが、この試合から学んだことは多いです」

李はそう話し、前を向く。

阪神・淡路大震災発生から30年という特別なシーズンで優勝という目標を達成することはできなかった。しかし、共同キャプテンのレタリックは「自分たちの努力が間違っていたわけではないですし、努力が足りなかったわけでもありません。やってきたことが間違っていたわけではないので、3位決定戦はただプレーするだけでなく、もう一度自分たちが誰のために、誰を代表して戦っているのかを証明する試合にしたいと思います」と決意する。

李も「自分たちの強さを証明したい」と語気を強める。

3位決定戦は、もう1試合の準決勝の結果によりリーグ戦2位通過の埼玉パナソニックワイルドナイツとの対戦となった。2003-2004シーズンに勝利して以来、勝ったことがない難敵との一戦だ。敵地で行われた第10節も32-46で敗れている。今シーズンのラストゲームで集大成を見せて、強敵との戦いで来シーズンにつながる勝利をあげたい。

LO ブロディ・レタリック
「良いラグビーをしたい。その一心で試合に臨み、自分のランなどから多くのチャンスを作り出すことができたのですが、BL東京から激しいプレッシャーがかかり、トライゾーンまでボールを繋ぎ切ることができませんでした。BL東京のような良いチームとの対戦で勝つためには、どれだけチャンスをしっかりモノにできるかにかかってきます。ただ、今日はそれができなかった。(後半41分のゴールキックに対しての)チャージについては、ホーンが鳴ってはいましたが、試合が完全に終わったわけではありません。共同キャプテンとして諦めない姿や最後まで戦う姿をチームメイトに見せないといけない。その思いが行動に出ただけです。今シーズンは阪神・淡路大震災発生から30年という節目を迎え、神戸Sにとって特別なシーズンでした。優勝を達成したかったのですが、準決勝敗退という結果に終わって残念な気持ちでいっぱいです。ただ、我々の努力が間違っていたわけではありませんし、努力が足りなかったわけでもありません。シーズン最後の試合は自分たちが何のために、誰を代表して戦っているのかを証明できるチャンスですので、良い試合をして、シーズンを締めくくりたいと思います。そのためには、チャンスを掴み切ってスコアに変えないと勝てません。今日出た課題であるトライを取り切る精度を中心に準備をして3位決定戦に臨みます」

SH 日和佐 篤
「前回の対戦時(第14節)のような一方的にやられる感じではなかったのですが、BL東京のラグビーは完成系に近い形になっているという印象を持ちました。モウンガ選手のキックに背走させられて、その判断も精度も素晴らしかった。また、ブレイクダウンも警戒していた部分ではあるのですが、相手に上回られてしまいました。ただ、僕らも後半70分までは良い試合ができ、成長を感じられる一戦になりました。アタックについては、何度もチャンスを作って、チームの攻撃力の高さやワクワクする試合を見せられたと思います。そこでトライを取り切ることができていれば、また違った展開になっていたと思うのですが、個人の簡単なミスや相手のディフェンスが素晴らしくて仕留めきれなくて、ノートライという結果に終わり悔しさを感じています。でも、それも今の実力なのかなと。一人一人がスペースを見つけて、そこに走り込める能力が身に付けば、より相手が止めにくいアタックができるように思います。ディフェンスはみんなしっかり我慢して守ることができたのですが、最後の10分で突き放されて負けてしまいました。今シーズン最後の試合は勝って終わりたいですし、見ている方々に何かを感じてもらえるような試合にして、震災から30年という節目の年を締めくくれるようにしたいと思います」

WTB 植田 和磨
「準々決勝BR静岡戦で良いパフォーマンスを発揮できて、準決勝に向けて緊張感もありながらポジティブなメンタルで臨めました。試合では新人らしく思い切ったプレーをしようと思っていたのですが、試合を終えてすごく悔しい気持ちでいっぱいです。前半25分のトライゾーンでのノックフォワード、そして後半すぐのペナルティで相手に流れを渡してしまって…。特にトライゾーンでのノックフォワードに関しては、普通にトライができたシチュエーションだったのですが、スリップしてしまって…。トライできなかったのは自分の責任です。BL東京と初めて対戦して感じたのは、モウンガ選手のプレーの精度の高さと、僕やレタリック共同キャプテンがゲインを切った時に、全員がすぐにディフェンスしに戻ってきて、ひたむきに止めて、そういう姿勢が僕らより上回っていたように感じました。大学を卒業してすぐにプレーオフ準々決勝、準決勝と強度の高い試合を経験させていただいてありがたく思いますし、この大舞台を経験したからこそ、トライを取り切る力を含め成長しないといけないところがわかりました。次は3位決定戦です。コーチ陣が分析してくれたことに対して、しっかりやり切って、最後は勝って終われるように頑張ります」

〜NEXT GAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25プレーオフトーナメント3位決定戦
5月31日(土)14:05 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS埼玉パナソニックワイルドナイツ
@秩父宮ラグビー場

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