戻る

  • INSTAGRAM
  • twitter
  • facebook
  • YouTube
  • LINE
  • tiktok

KOBELCO

Post-Game Comments

試合後のコメント

【試合レポート】5月10日(土) NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 第18節VS静岡ブルーレヴズ

 取材日:2025年5月10日

【試合レポート】5月10日(土) NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 第18節VS静岡ブルーレヴズ

6点差の敗戦も若手が躍動かつ最後の最後まで戦う姿勢を見せ、POにつながる一戦に

5月10日、4位の静岡ブルーレヴズを迎えて今季最後のリーグ戦の戦いが行われ、コベルコ神戸スティーラーズは23-29で敗れた。

今節、そしてプレーオフ準々決勝と2週続けて対戦することになった両チームは、対照的なメンバー編成となった。これまで試合に出続けるメンバーで臨む静岡BRに対し、神戸Sはレタリック、李の両共同キャプテン、日和佐を外し、準々決勝に向けてのセレクションや経験を積ませるという意味を込めて、2025年度新加入選手4選手をはじめ、前節でデビューを果たした2年目のCTBイオアサといった若手が出場機会を掴んだ。

相手キックオフではじまった試合は、ボールをキャッチしたCTBイオアサがラインブレイク。敵陣10mライン付近でのキックは相手にチャージされるも、いきなり若手が躍動した。その後、連続攻撃からゴール前まで迫り、静岡BR陣22mライン中央で反則を得るとショットを選択し、まずは3点を先取。しかし、ここからスクラムに絶対の自信を持つ静岡BRが、その武器を起点に激しくプレッシャーをかけてくる。13分、自陣ゴール前で静岡ボールのスクラムを押し込まれると、SH北村にスペースを突かれてトライを献上、ゴールキックも決まり3-7に。神戸Sはディフェンスでプレッシャーをかけて反則やミスを誘い、18分には自陣ゴール前での攻防で相手が放ったパスをSOガットランドがインターセプトし約100m走り切りトライを奪う。再び試合をひっくり返すが、今季1度目の対戦となった開幕節が最後の最後まで行方がわからない展開となったよう、今節もシーソーゲームの様相を呈する。ラインアウトは静岡BRが「プレーオフでの戦いに向けて手の内を見せられない」という意図もあり、神戸Sがボールを奪う場面が多く出るも、それを活かすことができない。27分には神戸陣10mライン付近の静岡ボールスクラムから連続攻撃を受けてFLトゥポウにトライを許し、再び10-12とリードを許した。神戸Sはすぐさま取り返そうと、WTB植田がハイボールをキャッチし攻撃に繋げたり、FB辻野がスピードある走りでディフェンスを切り裂く。38分、PGで加点し13-12とリードを奪うと、若手に負けじと大ベテランのPR山下(裕)がWTBツイタマに強烈なタックルをお見舞いし、ノックフォワードを誘う。自陣10mライン付近スクラムから展開し、今節でリーグ戦通算100試合を達成のCTBラファエレが防御網の裏へと抜けると、パスを繋いで前進。素早い攻撃で敵陣深くに入るも最後は反則があり、スコアに繋がらない。逆に相手に速攻を仕掛けられ、ホーンが鳴り響く中で攻撃を継続され、最後はWTB奥村にトライを許し、13−19に。6点ビハインドで試合を折り返した。

勝負の後半。先にスコアしたのは神戸S。静岡BR陣10mライン付近でのスクラムで反則を得ると、ラインアウトからSH上村、SOガットランドと繋いで、CTBイオアサが力強い走りでトライゾーンへ。ゴールキックも決まり、20-19に。しかし、修正したかに思えたスクラムで反則を取られ、そこから流れは静岡BRに。16分、FB山口のカウンターアタックからサポートしていたSH北村にトライを献上、22分には、自陣10mライン付近での神戸Sボールスクラムで反則を取られてPGで加点を許し、20-29に。9点差を追いかける神戸Sは、途中出場のFLポトヒエッターがハーフライン付近で得意のスティールで反則を得ると、ショットを選択。SOガットランドが約50mのPGを決めて、6点差に。追い上げモードの中で29分、これまでゲームキャプテンとしてチームを牽引してきたLOカウリートゥイオティのタックルが危険なプレーと見做されて、イエローカードが提示される。一人少ない中で神戸Sは必死の防御を見せて守り切ると、静岡BRのCTBタヒトゥアにイエローカードが出され、14人対14人に。そこでゴール前ラインアウトのチャンスを得てゴール前へ。相手に反則があり、神戸Sは速攻を仕掛けるが、その際にタップキックができておらず、相手ボールのスクラムに。チャンスをものにできなかったが、神戸Sは決して諦めない。33分には、途中出場のPRカイヴェラタに反則の繰り返しでイエローカードが出されて13人になり、再び数的不利な状況となる。だが、3試合連続で先発出場のWTB植田がカウンターアタックを見せてSH中嶋と連動した動きで敵陣深くに入ると、そこから連続攻撃を仕掛けてゴール前へ。静岡BRに反則があり、速攻を仕掛けようとするも、そこで再びタップキックができずに、相手ボールのスクラムとなってしまう。最後の最後まで勝利を目指して神戸SはFW、BK一体となった攻撃を見せるも、CTBラファエレのパスがスローフォワードの判定が下され、ノーサイド。23-29で敗れ、今季静岡BR戦2連敗となった。

チームは最後の最後まで諦めずにファイトした。試合後の記者会見でレニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチはその姿勢を讃える。

「13人になってからも諦めずに戦い、勝ち切れそうな状況まで持っていくことができました。今節は多くの若い選手を起用しましたが、彼らがタフな状況を経験し、多くのことを学べたことは次につながります。また、試合を通じて、ディフェンスは機能していました。ただ、エッジのところでタックルミスがあり、自分たちを痛めつける結果になりました。この部分に関してはプレーオフまでに修正しないといけません」(レニーHC)

加えて、スクラム、規律の面も修正は急務である。ゲームキャプテンを務めたカウリートゥイオティは

「静岡BRがスクラムを強みにしていることは理解していますし、神戸Sもスクラムは決して弱くありません。ヒットのところで勝ってプレッシャーをかけていこうと話し、うまく対応できた時もありましたが、終盤はプレッシャーをかけられる場面が多くなってしまって。プレーオフでの対戦までにしっかり修正して臨みたい」と決意する。

プレーオフ準々決勝の前哨戦となった一戦。自信を持って臨んだスクラムで苦戦するなど、悔しい結果に終わったが、この戦いから学んだことは多い。

リーグ戦の借りはプレーオフで返す。阪神・淡路大震災から30年というチームにとって特別な1年。神戸Sは頂点を目指して、5月17日、東大阪市花園ラグビー場にて再び静岡BRと対戦する。

PR山下 裕史
「スクラムでプレッシャーをかけられてしまいましたが、手も足も出ないという感じではありません。相手の3番が内側にプレッシャーをかけてきて、その組み方に対応できなかったという印象です。開幕戦で対戦した時からお互いに試合を重ねてきて組み方も変わってきているので、プレーオフでの対戦を前に相手のスクラムを知れて良い勉強になりました。スクラムは重要ですし、プレーオフは負ければ終わりのノックアウトステージなので、自陣でスクラムになった時に反則を取られるとPGを与えることになります。チームに迷惑がかかることになるので、しっかり修正しないといけません。来週静岡BRのFWは自信を持ってスクラムを組んでくると思いますが、1週間で修正して、相手に好きにさせないようにしたいと思います」

SOブリン・ガットランド
「試合を通してラインブレイクが多かったですし、速いテンポでアタックができて、たくさんのチャンスを作れたことは良かったです。ただ、それをスコアに変えることができなくて、苦しい試合にしてしまいました。負けはしましたが、今節、神戸Sは若い選手が出場し、彼らが良い姿勢、良いプレーを見せましたし、相手がフルメンバーの中で最後の最後までわからない展開に持ち込めて、ポジティブな内容が多いゲームだったと思います。前半18分の100m近くを走り切ってのトライについては、前節でラインブレイクした時にトライラインまであと1mというところで相手に捕まってしまったので、『今節こそトライを』という気持ちで走っていました。トライゾーンまで走り切ることができて良かったです。来週からプレーオフの戦いに入ります。スクラムでは相手からプレッシャーを受ける場面が多かったですが、FWがしっかり修正してくれることと思いますし、アタックではこれまで通りキックとボールキープのバランスを取りながら、丁寧に精度高くプレーしていきたいと思います。プレーオフは、リーグ戦とはまた違う雰囲気で行われます。また1つのミスが命取りになります。私自身、プレーオフの経験を多く積んできているので、それを活かしながら、チームをリードしていけるよう頑張ります」

CTBラファエレ ティモシー
「リーグ戦通算100試合出場を達成でき、嬉しいですし、チームメイトや静岡BRの選手からも『おめでとう』と言っていただき感謝の思いでいっぱいになりました。これで勝つことができていれば、最高だったのですが…。ただ、今節は多くの若い選手が出場しました。そこで最後の最後まで諦めずに戦い、誇りに思えるような試合内容だったと思います。次週も今節と同じ静岡BRとの一戦になりますが、プレーオフは違う戦いになると考えていますので、自分たちのベストパフォーマンスを発揮できるよう、1週間良い準備をしていきます」

WTB植田 和磨
「3人の同期と一緒に先発出場させてもらったことがまず嬉しかったです。試合ではハイボールキャッチの面では良いアピールができたのですが、ディフェンスやアタックでトライを取り切るところはまだまだリーグワンレベルには達していないのかなと思って。特に体の大きい外国人選手に当たり負けしないところが課題です。今節は日本代表のツイタマ選手や、ラグビーリーグ(13人制)で活躍したテファレ選手といったスーパースターと対峙できたことは良い経験になりましたし、ツイタマ選手には追いついてタックルすることもできて、『やれる』という自信にもなりました。プレーオフ準々決勝でメンバーに入ることができれば、今日よりも良いパフォーマンスが発揮できるようにしたいと思います」

〜NEXT GAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
プレーオフトーナメント準々決勝
5月17日(土)12:05 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS静岡ブルーレヴズ
@東大阪市花園ラグビー場

チケットの購入はこちら

loading