取材日:2025年2月8日
【試合レポート】 2月8日(土) NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 第7節VS東京サントリーサンゴリアス
怒涛の追い上げを見せるも、2点差でホストゲーム初の敗戦に
交流戦2戦目は、現在7位の東京サントリーサンゴリアスとの対戦。神戸総合公園ユニバー記念競技場にて開催の一戦は29-31で悔しい敗戦となった。
ここ数試合、立ち上がりが良くない神戸S。キックオフから相手にディフェンスでプレッシャーをかけていき、80分間、自分たちのラグビーを貫くと臨んだ。しかし、開始早々、キックを織り交ぜた攻撃を仕掛けられると、ジリジリとディフェンスラインを下げられてトライラインを背負う展開に。最後、PR垣永がボールをねじ込むも、ここはTMOの結果、直前にダブルモーションがありノートライに。先にスコアしたのは、神戸S。13分、東京SG陣22mライン付近の神戸Sボールラインアウトから素早くボールを展開し、SOガットランドのオフロードパスがCTBリトルに渡ると、力強い走りでゴール前へ。5点を先取するも、15分、FLコストリーのタックルが危険なプレーと見做され、イエローカードが提示される。14人の神戸Sは粘りのディフェンスを見せてPGを与えるのみでしのぎ切った。FLコストリーがフィールドに戻り、ここからシフトチェンジしたいところだったが、反則により自らの首を絞める展開にしてしまう。30分、ゴール前ラインアウトを起点に攻め込まれ、LOホッキングスにトライを奪われて逆転を許す。攻め込んでも反則やミスでボールを手放し、アタックが継続できない中で、38分もう1本許し、5-17で折り返した。
アタックすれば、トライを取れる。反則をしないことと攻撃の際に丁寧にアタックすること。ハーフタイムにそう指示が入った。東京SGのキックオフではじまった後半だが、ミスからいきなり苦境に立たされる。CTBリトルがキックオフのボールをキャッチミスし、自陣22mライン付近での東京SGボールスクラム。SO高本が裏へとキックを転がすと、ボールを受けたSOガットランドが押し出されて、ゴール前ラインアウトのピンチに。もうこれ以上スコアをされたなくところだったが2分、モールを押し込まれてトライを献上。ゴールキックも決まり、5-24とリードを広げられてしまった。嫌な立ち上がりになったが、ここから反撃を開始する。7分、相手の反則から東京SG陣22mライン付近でのマイボールラインアウトから我慢強く攻め続け、最後は中央ラックからSH日和佐、SOガットランドとつないで、右端のWTBモエアキオラにロングパスが渡り、トライラインまで一直線。さらに相手の反則に乗じて、東京SG陣ゴール前ラインアウトのチャンス。モールを押し込んだ後、展開するも、相手に再び反則が出る。そこでサインプレーから攻撃を継続し、最後はSH日和佐からパスを受けたSOガットランドがゴール中央に飛び込みトライ。17-24と7点差にまで迫った。しかし、その3分後、東京SGのFL箸本に前進を許すと、神戸S陣22mライン付近でSH流がディフェンスの裏へとキック。そのボールを弾いてしまい東京SGに奪われると、連続攻撃からWTB尾崎(晟)がトライ。再び14点差とされる。残り20分。逆転を目指す神戸Sは交代選手がチームに勢いをもたらす。23分、途中出場のHO松岡がディフェンス網を破ると、サポートしていたLOララトゥブアにボールが渡り、そのまま中央にトライ。ゴールキックも決まり、24-31と7点差に。神戸コールが起きる中で35分、キックカウンターからボールを繋いで、大外のWTBモエアキオラにパスが渡り、ラインブレイクするとサポートしていた途中出場のSH中嶋へパスを繋いでトライ、29-31と2点差に迫った。ホストゲーム無傷の神戸Sはキックオフをキャッチすると、2分に渡り攻撃を展開する。だが、最後の最後に相手にボールを奪われてノーサイド。後半猛追するも及ばず、ホストゲーム初の敗戦。2試合ぶりに先発出場のFL今村の神戸スティーラーズキャップ50試合目を勝利で祝うことは叶わなかった。
試合後、レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(以下、HC)は「フラストレーションのたまる結果になった」とひと言。続けて
「前半、結果的には先に我々がスコアしたが、自分たちの本来のフィジカルを出せずに相手に乗られる形になり、ポゼッションもテリトリーも得られずに自陣でプレーすることになった。後半は反則やハンドリングエラーといったところが修正され、スコアが5-24になってからチームのキャラクターを発揮し、ボールを持った時には相手にダメージを与えられ力強さを見せることができたが、東京SGのような良いチームに対し、5-24から盛り返すことは簡単なことではない」とまとめた。
レニーHCの総括の通り、ミスや反則が多く出た前半になってしまった。共同キャプテンのレタリックは
「後半に向かうにあたり、風上に立つこともあり、チームの中でこのまま終わるという悲壮感はありませんでした。ただ、前半に関しては、受け身になりすぎてしまったように思います。それにより常にゲインラインを越えられてしまうことになりました。また、強い相手に対してミスをすると、痛めつけられる結果になってしまいます」と反省した。
特に前半の立ち上がりの悪さは、チームの課題である。
レニーHCは「良いスタートが切れたのは第2節横浜キヤノンイーグルス戦くらい。良いチームに対して常に追いかける展開になると難しい試合になってしまう。試合に向けて良い準備はできているが、それが最初から出せていない。コーチ陣としても深く追求していかなくてはいけない」と述べた。
トライ数は相手より上回っただけにもったいない試合にしてしまったが、勝ち点「1」をもぎ取り、6位をキープした神戸スティーラーズ。とはいえ、次節以降もクボタスピアーズ船橋・東京ベイ、トヨタヴェルブリッツ、埼玉パナソニックワイルドナイツと気の抜けない戦いが続く。もう同じ過ちを繰り返してはいけない。チームとしてエンジンのかかりが遅い原因を究明して修正し、次節こそスティールメイツに最高の80分間を見せてほしい。
PR髙尾 時流
「スクラムに関しては、前半、反則を取られたのはタマ(ティエナン・コストリー)がイエローカードでフィールドにいない時でした。後半に入ってから立て続けに反則を取ることができるなど、スクラムは最低限の仕事ができたと思います。チームとしては、前半、反則が多かったですし、ミスもありアタックを継続できずに終わりました。それにブレイクダウンでも受けに回ってしまって、ずっとディフェンスをしていた印象です。前半の入りの部分はチームの課題として上がっているので、最初から精度を高くプレーできるよう、修正して次節に臨みたいと思います」
HOジョージ・ターナー
「私自身を含めて、ミスが多い前半になり、それが相手にポゼッションを与えてしまい、簡単にトライを許すことになりました。良い流れでディフェンスをしていてもラック周辺でオフサイドなど不用意な反則のせいで下げられて。後半に入ってから右肩上がりでパフォーマンスが良くなり、途中出場の選手もインパクトを与えてくれただけに、もったいないゲームをしてしまいました。最初から最後まで一貫性を持って良いプレーをすることが必要ですし、規律の部分も課題です。反則については、後半は0にすることができました。選手自身の意識の問題だと思いますので、どれだけ試合の入りから規律を守りながらプレーできるのか。キックオフのホーンが鳴った瞬間から、それぞれが意識を高く持ってプレーできるようにしないといけません。精度が結果に影響を及ぼすことが、改めてよくわかった一戦になりました」
SH中嶋 大希
「ここ数試合、前半がうまくいかないゲームが続いていたので、ベンチメンバーとリザーブ勝負になると話していて、試合に出たらテンポを上げていこうと思っていました。それに、個人的にはこれまで『9番』を付けたのは1試合だけと、悔しい思いをしていて。試合に出たら良いパフォーマンスを出そうと思っていたので、練習から取り組んでいるサポートプレーでトライを取れたことは良かったです」
〜NEXT GAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25第8節
2月15日(土)14:30 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVSクボタスピアーズ船橋・東京ベイ
@スピアーズえどりくフィールド
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〜NEXT HOSTGAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25第9節
大和ハウスグループスペシャルマッチ
2月22日(土)14:30 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVSトヨタヴェルブリッツ
@東大阪市花園ラグビー場
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