取材日:2025年2月1日
【試合レポート】 2月1日(土) NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 第6節VSリコーブラックラムズ東京
堅守で相手の攻撃を抑え、6トライをマークし今シーズン初の連勝
今節から交流戦がスタートした。神戸総合公園ユニバー記念競技場で行われたカンファレンスBのリコーブラックラムズ東京との一戦は、44-15で神戸スティーラーズが白星をあげ、今シーズン初の連勝を飾った。
試合前、前節ハットトリックをマークしたWTB松永は「BR東京は立ち上がりからかなり激しくプレッシャーをかけてくるので、前半の入りの部分は特に意識しないといけない」と警戒した。試合はその言葉通りの展開となる。開始早々神戸Sは連続攻撃を仕掛けて敵陣深くに攻め込むも、ハンドリングエラーで相手にボールを渡してしまうと、そこから相手CTBソードにビッグゲインを許し、SHペレナラ、SO中楠とつながれ、逆にゴール前へと迫られる。3分、反則から速攻を仕掛けられ、WTBメインが先制トライ。その後も自陣でのプレーが続き、12分にはPGで加点されて0-8に。相手の勢いあるアタックの前に防戦一方となる中で、神戸Sは固いディフェンスでトライラインを守り切る。我慢の時間が続く中、17分、神戸Sのファーストトライが生まれる。相手のキックをハーフライン付近でNO8サウマキがキャッチし、FB山下(楽)へと繋ぐと、右端に立つWTBモエアキラにパスが渡り、力強い走りでトライゾーンへ。SOガットランドのゴールキックも決まり7-8とする。追い上げモードとなるも神戸Sは反則が出て、自陣ゴール前で相手ボールのラインアウトを迎える。そこでLOカウリートゥオティがボールをスティール。ピンチを脱すると、さらに29分、BR東京陣22mライン付近での相手ボールのラインアウトで再びLOカウリートゥオティがボールを奪い取ると、ボールを繋いでゴール前へ。SH日和佐、CTBラファエレ、WTBモエアキオラと細かくパスを繋いで、最後はCTBリトルがトライ。ゴールキックも決まり、14-8とゲームをひっくり返した。さらに、38分、スクラムからのサインプレーが決まり、WTBモエアキオラがこの日2本目のトライをマークし21-8でハーフタイムへ。
後半は相手キックオフでスタート。前半終了間際に自陣ゴール前でのBR東京ボールのラインアウトでLOレタリックが相手のボールを故意に落としたと見なされ、イエローカードが提示された。1人少ない状況で立ち上がりを戦うことになった神戸Sだが、攻守で意思統一されたプレーを見せて、相手にプレッシャーをかける。PGでスコアを刻んで逆にリードを広げると、LOレタリックがピッチに戻ってからは、さらに勢いが加速する。20分にはWTB松永が、27分にはLOレタリックが豪快な走りを見せてトライラインを超える。この間には、途中出場のLOララトゥブアがHIAで一時退出することになり、すでに交代していたHO松岡が急遽ピッチへ戻り、本来HOであるターナーがNO8の位置に入るなど、スクランブルな状況にもしっかり対応した神戸S。残り時間で両チームともに1本ずつトライを決めて、44-15でノーサイド。途中出場したFL橋本の神戸スティーラーズキャップ50試合目の試合を勝利で祝った。
レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(以下、HC)は
「BR東京が素晴らしいプレーをしました。特に最初の20分間は、かなりプレッシャーをかけられ、タフな状況になりましたが、チャンスを作った時に丁寧にプレーして仕留め切り、前半を21-8で折り返せたことは、自信を得られる内容になったと思います。後半も良い形でディフェンスすることができましたし、我慢強くアタックすることもできました。良い形で交流戦のスタートを切れたことは良かった」と総括した。
共同キャプテンのレタリックはディフェンスについて
「前半はBR東京がテンポの速いアタックをしてきて常に乗られている状況でした。そこでディフェンスラインのスピードを上げるよう修正し、ドミネートタックルができるようになってきて、ブレイクダウンから相手の球出しを遅くすることができました。今日は長い時間ディフェンスしないといけない状況が多かったですが、そこで我慢強さを失わなかったことが勝利につながりました」と語った。
また、チームは震災から30年を迎えて行われた特別な一戦となった前節の浦安D-Rock戦を経て、仲間のためにハードワークし続ける時間が長くなったとレタリックは言う。それが特にディフェンスのところで発揮されている。
「チームメイトのために立ち上がり、見えないところでのハードワークが良かったですね」
アタックでの精度も上がり、交流戦に向けて上々の滑り出しを見せた神戸S。
次節は、開幕2連敗を喫するも、第5節、第6節で勝利し、調子を上げてきた東京サントリーサンゴリアスとの一戦だ。
「東京SGは良いスタートを切れなかったですが、間違いなく強い相手です。我々がやるべきことは正しい準備をして、それぞれが自分の仕事を理解した上で、作り上げたチャンスでしっかり仕留め切ること。それが勝利するために重要になってきます」とレニーHC。
レタリックは
「簡単にラインブレイクさせないように、キックオフからドミネートタックルを繰り出して、相手の攻撃にテンポを出させないようにしていきたい」と気合を込めた。
前節、今節と見せた攻守でのパフォーマンスからさらに上乗せして、神戸Sはリーグワンがはじまってから5連敗中の宿敵・東京SG戦に挑む。
LOジェラード・カウリートゥイオティ
「相手の激しい攻撃を受け止め、前半1トライに抑えたことは良かったです。ディフェンスに関しては、コミュニケーションを取りながらお互いにコネクトすることを第一に取り組み、全員が共通認識を持って臨めたことが固いディフェンスに繋がったと思います。また、ラインアウトは、1週間を通してかなり時間をかけて準備してきました。相手のHOやジャンパーにプレッシャーをかけていこうと試合に臨み、それがうまくはまったという印象です。個人的には出場した60分間、まずますのパフォーマンスを発揮できましたが、ディフェンスでタックルミスがあるなど課題も出ましたので、そこは修正していきたい。特にディフェンスは相手からボールを取り返すことができれば、チームに勢いを与えることができます。神戸Sはアタックに自信を持っているので、良いディフェンスをして、そこからアタックに転じられるようにしたいと思います。チームとしては立ち上がりから自分たちの流れを作れるようにならないといけません。次節は、今日よりもさらに良いゲームができるようしっかり取り組んでいきます」
WTB松永 貫汰
「前半の最初は、相手からプレッシャーをかけられて、なかなか外までボールが回ってこなかったのですが、前半終わりくらいからボールが動き出してアタさん(アタアタ・モエアキオラ)や僕のボールタッチの回数が増えてきて、自分たちのやりたいラグビーができている感覚がありました。僕自身、今日は1トライでしたが、サポートができていたらあと数本取れていたと思います。前のスペースを見てキャリアーに要求して、もっとトライを取れるようにしていきます」
WTBアタアタ・モエアキオラ(プレーヤーオブザマッチ受賞)
「第2節で顔面骨折し、復帰までに4週間かかりました。久しぶりの試合で緊張感がありましたが、トライも取れて良かったです。1本目は、みんなが良いディフェンスをして、ターンオーバーからスペースにボールを運んでトライすることができました。2本目はサインプレーです。日和佐(篤)さんのパスも良かったですし、みんなが自分の役割を果たしたお陰で取れたトライです。2本ともみんなのトライです。今シーズンはWTBのポジション争いが激しくて、入団してから一番プレッシャーがかかっています。ただ、チームにとっては競争が激しいことは良いことなので、みんなで練習から競争し合って、メンバーに選ばれたら責任を持ってプレーをしたいと思います」
〜NEXT HOSTGAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25第7節
日本郵船スペシャルマッチ
2月8日(土)12:00 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS東京サントリーサンゴリアス
@神戸総合運動公園ユニバー記念競技場
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