取材日:2025年1月12日
【試合レポート】 1月12日(日) NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 第4節VS三菱重工相模原ダイナボアーズ
トップリーグ時代を通じて相模原DBに対し初の敗戦
敵地・相模原ギオンスタジアムにて三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦した。前節は終盤になって勢いを取り戻したこともあり、東芝ブレイブルーパス東京戦で途中出場した選手らが先発メンバー入り。共同キャプテンを務める李の公式戦50試合目となる一戦は、前節の反省を活かして「キックオフから精度高い自分たちのラグビーを」と思い臨んだが、またしても立ち上がりからミスが多く出て自滅し26-34で黒星を喫した。
相模原DBのキックオフではじまった試合はFLポトヒエッターのラインブレイクからボールをつないで敵陣深くに入るも、パスが乱れて、相手にボールを拾われて警戒すべき選手の1人である南アフリカ代表のWTBアレンゼに走り切られ先制トライを献上する。9分にも、WTBアレンゼにディフェンスを振り切られてトライを奪われる。さらに21分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれて失トライ。21点差をつけられた神戸Sは、直後のキックオフをマイボールにすると連続攻撃を仕掛けて、NO8コストリーがトライをマーク。その5分後、相模原DB陣10mライン付近で相手が弾いたボールをSO李がキャッチし、トライラインまで走り切り連続でトライを決めたかに思えたが、TMOでの判定によってオフサイドがあり、ノートライに。攻撃を継続するも、相手にボールを奪われたり、パスがスローフォワードになったりとピリッとしない展開が続く。さらにラインアウトが安定せずに、相手にボールを奪われる場面も多く、もどかしい前半は7-24で終了した。
巻き返しが期待された後半。キックオフから積極的にボールを動かし連続攻撃を仕掛けるも、ミスが出てボールを奪われる。その後スクラムで反則を得て、ゴール前でのマイボールのラインアウトのチャンス。モールを押し込むが、ディフェンスに阻まれてしまう。反撃の糸口が掴めない中で、後半も先にスコアしたのは相模原DB。9分、敵陣でのアタックの中で連携ミスが出てボールが転がると、李の兄で今季三重ホンダヒートから移籍のHO李 承爀が裏へとキック。SO李が必死に追いかけるも、WTBアレンゼに拾われて、パスを繋がれトライを献上。11分にもPGで加点を許して、7-34に。これ以上離されまいと、神戸Sはリザーブメンバーを次々と投入する。アタックにテンポが生まれてきて、23分、FW陣で圧力をかけて前進し、LOレタリックがトライラインに飛び込む。25分には相手にイエローカードが提示され、1人多い状況になると、27分、ゴール前ラインアウトからFWの連続攻撃で前進し、最後は右中間に形成したラックから途中出場のSH日和佐が右端のNO8コストリーにロングパスを通して、連続トライ。さらに32分、相手ボールのスクラムで反則を得ると、ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、FLポトヒエッターがトライ。ゴールキックも決まり、26-34に。逆転を目指して懸命なプレーを見せるも、スコアできずにノーサイド。李の公式戦50試合に加えて、承信、承爀の兄弟対決にも注目を集めた試合は、神戸Sの敗戦となった。
デイブ・レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(以下、HC)は
「チャンスはたくさん作ることができましたが、自分たちのミスで自滅してしまいました。試合に向けて良い準備をしてきましたが、自分たちが正しいプレーができるまでに時間を要してしまい、7-34という点差をつけられてしまうと難しい。良いパフォーマンスをした選手もたくさんいますが、今日はあまりにもミスが多かった。残念な結果になってしまいました」と顔をしかめた。
共同キャプテンの李は
「キックオフからスイッチを入れて自分たちのゲームプランを遂行していこうと思っていましたが、前節と同じような結果になってしまいました。チャンスを作れましたが、そこで周りとコミュニケーションを取ってボールを動かすことができなくて、全員が同じページに立てませんでした。この2節は同じような試合をしています。チームとして自分たちがどうあるべきか、どういうラグビーをするのかを見つめ直していかなければいけません」と反省した。
李の言葉通り、今節も前節と同じような展開になってしまった。
レニーHCは「コーチから落とし込まれている内容をフィールドで体現しないといけません。簡単にトライを奪われることは許されないことですし、チャンスを作っても仕留めきれないということを続けていたら、勝つことは難しくなります。選手自身は正しいパフォーマンスをするために責任を持たなくてはいけないですし、我々コーチ陣もメンバー選考に責任を持たなくてはいけません。応援してくれているファン、パートナーといった方々に対して、自分たちが見せるべき本来のパフォーマンスを発揮できていないことに申し訳なく思います」と語った。
本来のあるべきチームの姿を見せられていない。試合後、レニーHCは繰り返し述べていた。
次節は、「1.17メモリアルジャージ〜阪神・淡路大震災30年〜」を着用して臨むチームにとって特別な一戦だ。そこでこのようなゲームをすることは許されない。
コーチ陣、選手、チームに関わる全員がこの敗戦をしっかり受け止めて、課題をクリアにし次節こそ自分たちのラグビーをグラウンドで体現しなければいけない。
NO8ティエナン・コストリー
「アタックでのコミュニケーションやディフェンスでのbrutality(容赦無く)など、自分たちのやるべきことにフォーカスして、この試合に向けて取り組んできましたが、準備してきたことを出せずに終わってしまいました。ミスが多かったですし、ラインアウトも安定していなかった。試合終盤になり、神戸らしいラグビーができたのですが、それを最初から見せないと…。前節と同じような展開になってしまって反省しかありません。どこに原因があるのか、しっかりレビューをして、次節こそキックオフから自分たちのラグビーをして勝利できるようにします」
SO李 承信(共同キャプテン)
「個人的には50キャップ目の試合となりました。ここまで自分を育ててくれたチーム、関わってくれた全ての人に対して感謝の気持ちを持って、グラウンドでその思いを表現したかったのですが、残念な結果に終わって悔しい気持ちでいっぱいです。ただ、自分にとって特別な試合を兄の所属するチームと対戦できたことは嬉しかったですし、家族にとって良い思い出になりました。試合の内容については、エッジのスペースに対してプレーできていないなど、チャンスで仕留めきれずに自分たちで苦しい状況を作ってしまいました。正しい判断をしてプレーしていればもっとスコアを重ねることができたと思います。試合ごとに明確なゲームプランがあるので、それを信じて一人ひとりが自分の役割を遂行しないといけません。次節はチームとして特別なモチベーションがありますし、僕自身も神戸出身なので強い思いがあります。自分たちがどうあるべきか、どういうラグビーをして臨むのかをもう一度クリアにして、自分たちのラグビーで神戸の方々に笑顔と元気を与えたいと思います」
CTBマイケル・リトル
「古巣との一戦ということで以前から応援してくれているファンから声をかけてもらって嬉しかったですが、結果については悔しいという言葉に尽きます。まず立ち上がりから3トライ連続して取られてしまって、自分たちで苦しい試合にしてしまいました。レビュー前なので、その原因はどこにあるのかは明確には言えないですが、試合に臨むにあたり十分な心の準備ができていなかったことがこのような結果を招いてしまったのかなと感じています。チームとして反省すべき点が多い試合になりました。次節は1.17メモリアルジャージを着て臨む特別な一戦です。30年前に起きたことは、チームにとって、神戸の街にとって、あまりにも大きな出来事でした。モチベーション高く試合に臨み、次節こそ良いゲームを見せられるように取り組んでいきます」
〜NEXT HOST GAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25第5節
神戸新聞DAY
1月19日(日)12:05 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズ VS 浦安D-Rocks
@ノエビアスタジアム神戸
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