取材日:2024年12月13日
【試合レポート】 12月13日(金)プレシーズンマッチVS三重ホンダヒート
簡単にトライを許し課題が出るも、開幕戦に向けて順調な仕上がり
多くの選手を起用する“トライアルマッチ”と位置付けたプレシーズンマッチもラスト1試合。合宿先である和歌山・上富田スポーツセンター球技場にて三重ホンダヒートと対戦した。三重Hは昨シーズン11位ながら、大幅な強化を行い、今シーズン上位進出を狙う。メンバー表には、アルゼンチン代表のNO8パブロ・マテーラや南アフリカ代表のLOフランコ・モスタートといった強力な既存のFWに加え、BKには元日本代表のUTBレメキ・ロマノ・ラヴァや静岡BRで活躍したCTBジョニー・ファアウリといった新加入選手が並んだ。
神戸スティーラーズは、怪我から復帰を果たした李がチームでは1年ぶりとなる10番を背負った。さらに、日本代表の欧州遠征から帰ってきたサウマキ、濱野が先発出場。また、先週の試合ではリザーブだった日本代表のコストリーもスタートから出場した。
リーグワン開幕を目前に控え、仕上がり具合を確認する重要な一戦は開始早々、タックルミスからラインブレイクを許し、先制トライを献上。しかしその後は、神戸Sが攻守で圧倒する。5分、三重H陣22mライン付近でのマイボールラインアウトから展開し、WTBモエアキオラがトライをマークすると、16分にはNO8サウマキが、22分にはLOカウリートゥイオティがトライを決め、21-7とリードを広げた。攻撃の手を緩めない神戸Sは接点で激しくプレッシャーをかけてミスを誘うと、アタックを継続しゴール前まで迫る。29分、FWで前に出て、最後はSH中嶋からパスをもらったWTBモエアキオラがインゴールに飛び込み加点。36分にもスコアし、前半だけで5本のトライを奪った。しかし、直後のキックオフを弾いて、相手SHに奪われるとそのまま走り切られて失トライ。35-14で折り返した。
後半も神戸Sのペースで試合は進む。序盤、SH中嶋のキックをPRカイヴェラタがキャッチすると、豪快な走りを見せ、スタンドから大きな歓声が湧き上がる。3分、ゴール前で得た反則からトライを狙いにいき、SH中嶋からパスを受けた途中出場のFLファカタヴァがボールを押し込み、さらに5点を加えた。その後、三重Hにスクラムからディフェンスラインを突破されトライを許すも、ラインアウトモールから2本続けてトライを奪い54-21に。両チームともにリザーブメンバーを続々と投入する中で、不用意な反則からピンチを招いて、25分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれてトライを献上。33分にもハーフライン付近から攻撃を継続されトライを許すも、三重Hの反撃もここまで。38分、FB山中のキックカウンターから繋いで、最後はFLコストリーからパスを受けたCTBマヒナがトライを決めると、さらに終了間際、ハーフライン付近でのFB山中のキックをWTB船曳がキャッチし、そのままインゴールを駆け抜ける。最終スコア68-35で神戸Sが勝利した。
10トライを獲っての白星にデイブ・レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(以下、HC)は「三重Hは決して弱い相手ではありません。その相手に対して、アタック、ディフェンスともに激しいプレーを見せて、ターンオーバーからスコアする場面もありました。ただ、相手のキックオフを確保できずにトライになったところもあるなど、ミスから簡単にトライを許すところもあり、ここは修正しないといけません」と失点に関して言及した。また、復帰戦となった共同キャプテンの李のプレーについては「久しぶりの試合とは思えないパフォーマンスを発揮してくれました。司令塔としてアタックをうまくオーガナイズしていましたし、ゴールキックも8本中8本を決め100パーセントの成功率を残し、彼の復帰はチームにとって大きな後押しになります」と称えた。プレシーズンマッチ5試合を終え、「良いプレーをしてくれた選手も多く、チームの底上げを感じられました。開幕戦にはベストなメンバーを揃えて臨みます」とレニーHC。
NTTリーグワン2024-25開幕戦は、12月21日(土)ヤマハスタジアムで開催の静岡ブルーレヴズとの対戦だ。神戸Sはプレシーズンマッチで掴んだ手応えを持って、敵地に乗り込む。
FLティエナン・コストリー
「日本代表のヨーロッパ遠征は体調不良で辞退しましたが、徐々にコンディションが良くなってきて、先週の花園L戦で後半から出場し、今日は久しぶりにフル出場しました。80分間走り回ることができましたし、今シーズンは体重を増やして、持ち味であるスピードだけでなく、フィジカルでも圧倒できるよう取り組んでいます。コンタクトでも激しいプレーを見せることができ、自信を得ることができました。ただ、キックオフのところでミスしてしまい、トライにつながってしまった場面があって…。今後はこんなことが起きないように修正しないといけません。昨シーズン、活躍したアーディ(・サベア)が退団しましたが、自分を含めたバックロー3人で協力し、ターンオーバーを狙ったり、ボールキャリーで激しいプレーを見せたりしてアーディの抜けたところをカバーできるようにしていきたいと思います。チームの目標は、もちろん優勝です。個人的にはシーズン中も成長し続けて、優勝のキーマンになれるよう頑張ります」
SO李 承信(ゲームキャプテン)
「足を負傷し、リハビリ生活を送っていましたが、その間、チームメイトとコミュニケーションを取りながらチームがどんなラグビーをするのかがクリアになっていたこともあり、久しぶりの試合でしたが、うまくゲームをコントロールすることができました。特に前半はキックやオフロードパスで勢いを得てアグレッシブなアタックができ、良い感触を掴むことができました。ただ、開幕戦はさらに強度の高い試合になると思います。個人的にはゲームフィットネスをもっと上げないといけないですし、チームとしてはもう一度、自分たちがどういうラグビーをしたいのか明確にした上で相手を分析し良い準備をして臨まなくてはいけません。特に開幕戦は大事な一戦です。しっかりいい準備をして、まず初戦を勝利で飾り勢いに乗っていけるようにしたいと思います」
CTB濱野 隼大
「先週の試合は、後半からウイングで出場しましたが、ボールタッチの回数が少なく悔やまれる内容になりました。今日は約1年ぶりの13番でのプレーです。やるべきことを明確にし、試合に臨んだのですが、前半最初のディフェンスでタックルミスをしてしまい、それがスコアにつながってしまって…。その後は気持ちを切り替えて、両サイドにいるアタさん(アタアタ・モエアキオラ)、ティム(ラファエレ ティモシー)とコミュニケーションを取りながら連携してディフェンスすることができましたし、持ち味である強いキャリーもでき、まずまずのパフォーマンスを発揮できました。チームとしても攻守ともに目指すラグビーができ、良いゲームができたと思います。もうすぐリーグワンが開幕します。センターでも、ウイングでも、チームから求められるプレーができるよう準備をして臨みます」
〜NEXT GAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 第1節
12月21日(土)14:00 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS静岡ブルーレヴズ
@ヤマハスタジアム(静岡)
〜NEXT HOSTGAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 第2節
12月29日(日)14:30 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS横浜キヤノンイーグルス
@ノエビアスタジアム神戸
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