【試合レポート】 11月16日(土)プレシーズンマッチVSマツダスカイアクティブズ広島
前半はスリッピーな状況に苦しめられるも、後半6トライを奪いプレシーズンマッチ初勝利
プレシーズンマッチ2戦目はコベルコ神戸スティーラーズラグビーグラウンド(旧灘浜グラウンド)にリーグワンのディビジョン3に所属するマツダスカイアクティブズ広島を迎えての対戦となった。この日は、朝から「コベルコ神戸スティーラーズフェスタ2024」を開催していることもあり、1,000人を越えるスティールメイツが観戦。イベント途中から降り出した雨の中、観戦してくれるスティールメイツのためにも良いゲームをしたいところ。
前半はS東京ベイ戦で出番がなかった選手が多く出場し、司令塔にはこの夏、ニュージーランド派遣を経験した日下が入った。神戸Sのキックオフではじまった試合は、互いにスリッピーなコンディションに苦しめられ、ハンドリングエラーが目立つ展開に。神戸Sはキックをうまく使いながら敵陣へと入るも、ミスや反則が出てトライを取り切ることができない。スコアボードが動いたのは、18分。SA広島陣22mライン付近でのスクラムからSO日下、CTBリトルと回して、ボールをもらったFB伊藤が相手を惹きつけたところで、左端のWTB松永にラストパスを通し、そのままインゴールへ。勢いを得た神戸Sは相手キックオフを確保すると、WTB船曳がラインブレイクし、パスを繋いでゴール前まで迫る。最後はスローフォワードの判定が下されトライにならなかったものの、雨の中、素晴らしい攻撃を見せた。その後、反則が続き、自陣でのディフェンスになるも激しくプレッシャーをかけて前進を許さない。攻守で上回る神戸Sはチャンスを作るも、ミスが続きスコアができない時間が続く。追加得点は、38分。キックカウンターからWTB船曳がビッグゲインし、最後はSH小畑に繋いでグラウンディング。前半終了間際にもSA広島のキックオフから連動したアタックを見せてゴール前まで迫ると、FWでプレッシャーをかけてFL今村がトライをマークする。雨の中、連携に苦しみながらも3トライを奪い、17-0で折り返した。
後半はリザーブメンバーがグラウンドへ。降り続いた雨も小康状態となった。SA広島のキックオフではじまった後半は、7分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込んでHO北出がトライをマークする。さらに10分、SA広島陣10mライン付近のマイボールラインアウトからFW、BK一体となった連続攻撃から最後はWTBブルアがゴールラインを駆け抜ける。しかし、その直後、キックオフのボールを弾いてノックオン。ゴール前で相手スクラムのピンチになるも、反則を得てピンチを脱すると、ここから終始神戸Sペースで試合は進む。21分、ハーフライン付近でボールを奪ってパスを繋ぎ、WTBブルアがスコアすると、25分にはWTB杉本が、36分にはWTBブルアがトライを決める。終了間際には後半途中から司令塔を務めたFB伊藤のキックパスからエッジに立つNO8ポトヒエッターのトライが生まれて51-0でノーサイド。神戸スティーラーズはスティールメイツの前でプレシーズンマッチ初勝利を飾った。
試合後、デイブ・レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチは
「この試合では若い選手や昨シーズン試合出場が少なかった選手に経験を積ませるという狙いがありました。前半は作ったチャンスを物にすることができなかったですが、前半の終盤からアタックが連動してきて、後半のメンバーもその勢いを落とすことなく、終始相手を圧倒してくれました。選手を試すという意味で“トライアルマッチ”と位置付けた試合でしたが、良いパフォーマンスを発揮してくれた選手も多く、若手の成長を感じられた一戦になりました」と総括した。
プレシーズンマッチ3戦目は、オールブラックスを率い、2015年のワールドカップ優勝に牽引したスコット・ハンセン氏がヘッドコーチを務めるトヨタヴェルブリッツとの対戦だ。手強い相手ではあるが、リーグワン開幕を1ヶ月前に控え、チームの強みと課題を確認できる一戦になる。
FL今村 陽良
「オフシーズンにコンタクトの局面でよりアグレッシブにプレーできるように体重を増やしました。その成果が出て、練習でも外国人選手を相手に当たり負けしなくなり、どんどん前に出られるようになっています。ただ、初戦のS東京ベイ戦ではアタックの面では力強いプレーができて手応えを感じることができたのですが、タックルが良くなくて。この試合では激しいコンタクトと攻守において前に出ることを意識していました。そういう意味では今日はディフェンスでも前に出られて良い感触を得ることができました。この体を維持しながら、インパクトあるプレーを多くできるよう運動量を下げないようにしたいと思います。試合に関しては、前半からミスが多くて、後半に入ってからもスコアはしているものの、一人一人やるべきことがきちんとできていなくて締まりのない内容でした。次戦のトヨタVとのプレシーズンマッチでは80分間通して自分たちのラグビーをしっかりやり遂げたいと思います」
SO日下 太平
「個人的には、今シーズン初めての試合です。雨ということでアタックコーチのマイク(・ブレア)からキックを使って相手にプレッシャーをかけていこうと言われていました。昨シーズンからチームはアタックが停滞している時などキックを使ってゲームコントロールしていたことや7月から3ヶ月間派遣されたNPCのマナワツ・ターボスがキックを多用するチームだったこともあり、その部分はまずまずの出来だったと感じています。ただ、敵陣へ入ってチャンスを作ることはできたのですが、雨という状況もありミスが出てスコアに繋げることができませんでした。また、今日はゴールキックの精度が良くなくて、そこは修正しないといけません。昨シーズンは公式戦に出られず悔しい思いをしました。持ち味であるプレーの精度やスキルの高さでアピールして、今シーズンは試合出場を勝ち取ることができるよう頑張ります」
WTB船曳 涼太
「大学2年の時に足を怪我し、それからリハビリ生活を送っていて、今年9月にグラウンドへ復帰しました。今日は3年ぶりの試合です。久しぶりの実戦なので試合勘など不安な面がありましたが、周りとのコミュニケーションやキックチェイスなど、できることを100パーセントやろうとグラウンドに出ました。前半40分の出場でしたが、持ち味であるスピードを活かした走りでラインブレイクすることもでき、復帰戦としては及第点かなと。長い間、ラグビーから離れていたので、まだまだやるべきことは多いですが、チームの目指すラグビーをしっかり理解し、スキルやプレーの精度を上げていきたいと思います」
FB伊藤 大祐
「先週のS東京ベイ戦はSOで出場しましたが、今日は、前半はFB、後半からSOでプレーしました。S東京ベイ戦は相手から激しいプレッシャーを受けて、なかなか思うようなアタックができず終始受けに回ってしまって、自分から仕掛けることができなかったという反省があります。今日は強気に仕掛けるマインドを持って試合に臨み、前半に関しては良いところでボールをもらえた場面もありましたが、全体的にはボールタッチの回数が少なく、カウンターアタックがなかなかできなくて。後半は途中からSOに入り、うまくゲームコントロールできましたし、キックパスからトライに繋げることができたことも良かったです。神戸スティーラーズに入ってからすべての面で成長することができています。FBでもSOでも試合に出られるように準備しておきます」
〜NEXT GAME〜
2024-25シーズン プレシーズンマッチ
11月22日(金)12:00 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVSトヨタヴェルブリッツ
@コベルコ神戸スティーラーズラグビーグラウンド
(旧灘浜グラウンド)