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ロングインタビュー

2023-24シーズン退団選手インタビューPart.8  井上 遼

 取材日:2024年5月16日

2023-24シーズン退団選手インタビューPart.8 井上 遼

地元・神戸出身で、2019-20シーズン、子供の頃から憧れていたコベルコ神戸スティーラーズへ。高校、大学の先輩である前田 剛選手らをはじめ、バックローの選手と競い合って、2022-23シーズンには1試合の先発を含む4試合に出場。大学日本一を経験し明治大学ファンからも応援されていた井上選手が今シーズンを持って退団することに。在籍した5シーズンを振り返ってもらいました。

井上 遼

RYO INOUE

PROFILE
  • 生年月日、出身地/1997年3月18日生まれ(27歳)、兵庫県神戸市出身
  • 経歴/芦屋ラグビースクール→報徳学園高校→明治大学
  • 入団年次/2019年
  • ポジション/FL
  • 身長・体重/183cm・97kg
  • 2023-24シーズンまでのチーム公式戦出場回数/5

「同期のお陰もあり、充実した5シーズンになりました。
チームにはこれからも面白いラグビーをやり続けてほしいです」

入団5年目と節目のシーズンでの退団となりました。

「2022-23シーズンは4試合、昨シーズンは1試合の出場となり、今シーズンは勝負の年だと思っていたんですが、そんな中で世界No.1のバックローであるアーディ(・サベア)がチームの一員になりました。なかなか経験できることではありませんし、彼から得られるものはすべて吸収しようと思って練習に取り組みました。結果的に今シーズンは出番がなかったですが、多くのことを学ぶことができました」

入団1年目、試合に出るために取り組んだことを教えてください。

「神戸スティーラーズに入り、フィジカルの面で差を感じました。もともと大学のチームには外国人選手がいなかったですし、これまで体が小さいと感じることはありませんでした。けれど、神戸スティーラーズだけでなく他チームでも、バックローは外国人選手が多いですし、そういうライバルたちと対等に競い合うためにも、まずはフィジカルを鍛えないといけないと思って。また、それと同時にスキルの面もレベルアップさせて勝負しようと考えました。1年目から外国人選手、日本人選手問わず、才能ある選手と切磋琢磨し、成長することができたと思います」

ボールを動かす神戸スティーラーズのラグビーはどうでしたか。

「初めて経験するラグビースタイルでした。FWとしてモール、スクラムの強さはもちろんですが、ハンドリングなどのスキルや高いフィットネスレベルも求められます。身に付けないといけないことも多かったですし、慣れるまで大変でしたが、やっていて楽しかったですし、神戸ラグビーに触れることができたことは財産です」

井上選手は5試合に出場しましたが、その中でも特に印象に残っている試合は。

「特に印象に残っているのは、昨シーズンの第10節東芝ブレイブルーパス東京戦です。トレーニングマッチでのパフォーマンスが良かったですし、自分でも『やれる』と手応えを感じていて、当時ヘッドコーチを務めていたニック(ニコラス・ホルテン)にずっとアピールしていました。そんな中でマーシ(マルセル・クッツェー)が体調不良でメンバー外になり、リザーブで起用されることになって。出場時間は短かったですが、一生懸命アピールして試合メンバーに入り、チャンスを掴めたことに達成感を感じました」

プレー面やラグビーに取り組む姿勢などで影響を受けた選手はいるのでしょうか。

「いろんな選手からアドバイスをもらって学ばせてもらいましたが、1人を挙げるとすると、マット(・バンリーベン)ですね。2019-20シーズン終了後に退団されたので1シーズンしか一緒にプレーできなかったのですが、運動量が豊富で、スピードもあり、選手としての能力の高さはもちろん、人間性も素晴らしくて。チームのためにハードワークしますし、優しさの中に男気があって、ラグビー選手として、人としてカッコイイと憧れました。いろいろな話をさせてもらって、僕もマットのような選手になりたいと思いました」

この5シーズンは井上選手にとってどういう期間になりますか。

「試合に出たいという一心で、フィジカルを鍛えてスキルを磨こうと必死に取り組んできて、世界的なプレーヤーとも一緒に練習し、得るものが多かったです。ただ、自分としては100パーセント納得のいくシーズンというのがなくて…。できることはすべてやり切り努力してきましたが、もっと試合に出場して活躍しチームに貢献したかったなと思います。ここで過ごした時間は間違いなく素晴らしいもので、充実していたと言い切れるのですが、そこだけが心残りです」

同期の池永 玄太郎選手も今シーズンをもって退団することになりました。井上選手にとって同期の存在とは。

「ゲン(池永 玄太郎)、(髙尾)時流、(今村)陽良、(小畑)健太郎、リコーブラックラムズ東京でプレーするブロディ(・マクカラン)、そして昨シーズン退団した(韓)尊文。同期とはよく一緒に集まって、いろんな話をしました。時にはキャンプに行ってバーベキューをしたり、旅行に行ったり。本当に仲が良くて、同期に恵まれたと思います。彼らがいたことで、僕の神戸スティーラーズでの5シーズンがより一層充実しました。なんで試合に出られないんだろうと相談に乗ってもらったり、お互いに頑張ろうと励ましあったり、同期の存在は僕にとって大きかったですし、感謝しかありません」

そんな同期を含めたチームメイトにメッセージをお願いします。

「同期のお陰で幸せな時間を過ごすことができました。別の道を進むことになりますが、これからも応援していますし、僕も頑張ります!また、高校、大学の先輩であった(前田)剛さんとは同じポジションということもあり、一緒に練習することが多くて、剛さんにも感謝しています。チームメイトと切磋琢磨しながら過ごした日々は、何ものにも代えがたいもので、最高の時間でした。5シーズンありがとうございました!」

チームに期待することは。

「神戸スティーラーズは子供の頃から憧れのチームでした。これからも見ている人はもちろん、選手もやっていて面白いラグビーを標榜し続けてほしいですし、その上でリーグワンチャンピオンになってほしいです」

では最後にSteel Matesにメッセージをお願いします。

「大学時代から応援してくれているという方から『頑張って!』と言っていただいたり、神戸の街を歩いていると声をかけられたりすることも多く、たくさんの方々に支えられていることを感じるができました。また、今シーズン最後のファンクラブイベントとなったSteel Mates感謝祭では『寂しくなる』といった声や『これからも応援している』と言っていただき、心があたたかくなりました。皆様の応援がモチベーションになって、頑張ることができた5シーズンでもありました。本当にありがとうございました!これからもどこかで会った時はぜひ声をかけてください」

神戸スティーラーズで過ごした5シーズンは、何ものにも代えがたいと話してくれた井上選手。また、同期にも恵まれ、最高の時間を過ごせたとも。今後については未定だそうですが、「神戸スティーラーズでの経験を活かせるようにしたい!」と力を込めます。持ち味である体を張った激しいプレーをまたどこかで見られることを楽しみにしています。

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