取材日:2024年5月10日
2023-24シーズン退団選手インタビューPart.1 アーディ・サベア
ラグビーワールドカップ2023フランス大会でオールブラックスを準優勝に導き、ワールドラグビー2023男子15人制年間最優秀選手賞という称号を提げて来日。その肩書きとは相反して、謙虚な性格で、自ら仲間に声をかけて、あっという間にチームに馴染みました。もちろんプレーはワールドクラス!シーズンを通じて攻守にわたって激しいプレーを見せてくれました。アーディからチームメイトやSteel Matesに向けてメッセージをお届けします。
アーディ・サベア
ARDIE SAVEA
PROFILE
- 生年月日、出身地/1993年10月14日生まれ(30歳)、ニュージーランド・ウェリントン出身
- 経歴/ウェリントン→ハリケーンズ(SR)
- 入団年次/2023年
- ポジション/NO8
- 身長・体重/190cm・99kg
- 代表歴/ニュージーランド7人制代表、ニュージーランド代表(67キャップ)
- 2023-24シーズンまでのチーム公式戦出場回数/15
「日本で、神戸で過ごしたすべての時間が愛おしい。 また神戸スティーラーズに帰ってきたいと思います」
今の心境をお聞かせください。
「日本で、神戸で過ごしたすべての時間が愛おしくて!本当に素晴らしい時間を過ごすことができ、感謝しかありません。このチームでプレーできたという嬉しさと、ここを去らなくてはいけないという寂しさ。今はいろいろな感情が入り混じっています。素晴らしい経験ができた半年間になりました。だからこそ、チームメイト、スタッフ、Steel Matesに『さよなら』を言わなければいけないことがより一層辛いですね」
結果的に東大阪市花園ラグビー場で開催されたホストゲームの第15節vs静岡ブルーレヴズが日本でのラストゲームになりました。交代した時、観客席からサベア選手へ大きな拍手が送られました。
「本当に心が温まりました。Steel Matesを含め、日本のラグビーファンは優しい人ばかり。選手に対してのリスペクトや愛を感じます。リーグワンでプレーする選手はこのような心優しいファンに囲まれてとても幸せだと思いました」
特に印象に残っていることは。
「Steel Matesの前でプレーできたことです。特にホストゲームで大きな歓声に包まれながらプレーできたことは印象深くて。ニュージーランドの応援とも違っていて、熱狂的な感じがしました。真っ赤に染まったスタンド、そして大歓声。Steel Matesの前でプレーできたことは素晴らしい経験になりました。ラグビー以外ではチームメイトとロッカールームで過ごしたことです。最初は言葉の壁がありましたが、兄弟たちが日本語をいろいろと教えてくれて、それも良い思い出です」
リーグワンでプレーする上で難しかったことは。
「日本のラグビーは段違いにスピードが早かったですし、タックルが低い。これまで経験したことがないラグビーの世界に身を投じ、とても良い学びになりました。この経験はニュージーランドに戻ってプレーする際に必ず活かすことができますし、私の財産です」
試合に臨むにあたり意識していたことを教えてください。
「ベストを尽くす。ただそれだけです。試合に向けて1週間良い準備をし、試合では兄弟たちのためにベストパフォーマンスを発揮する。その繰り返しです。この姿勢はオールブラックスでも、神戸スティーラーズでも変わりません」
チームは残念ながら5位とプレーオフに進むことができませんでした。
「結果については、非常に残念です。チームの目標は、まずはプレーオフ進出でしたから。ただ、個人としては、神戸スティーラーズのジャージを着てプレーすることに意味があると思っていました。チームのため、兄弟たちのためにベストを尽くし、試合で最高のパフォーマンスを発揮する。その上で結果が伴えば良かったのですが…。ただ、自分の取り組みに対して悔いはありません」
第8節vsトヨタヴェルブリッツで見せた背面トライが印象に残っているというSteel Matesも多いと思います。
「実はあの時、かなり体力を消耗していて、いかに早くトライラインを超えるかを考えた時に、このまま走ると足がもつれて転んでしまうと思い、ダイブしました。たまたま生まれたトライなのですが、多くの方々から印象に残るトライと言ってもらえて嬉しいです」
今後はどうされるのでしょうか。
「まずは体を休めたいと思っています。スーパーラグビーが終わり、オールブラックスとしてテストマッチに出場し、ラグビーワールドカップ2023フランス大会、そして来日してすぐにリーグワンと、ラグビー漬けの毎日でした。少し休んで家族とゆっくり過ごして、その上でまたオールブラックスに選ばれたらベストを尽くそうと思います」
近い将来、また神戸スティーラーズでプレーしてくれますか。
「もちろんです。神戸で過ごした素晴らしい日々は忘れ難いものです。また日本でプレーしたいと思っていますし、そういう機会が巡ってきたら真っ先に福本(正幸)チームディレクターに連絡します!」
ラグビーから離れますが、サベア選手というと、ご自身のSNSにコンビニで買った商品を食べる動画を時々投稿されていましたね。
「日本のコンビニは最高ですね(笑)。先日、コンビニでスムージーを作るマシンを発見したんですけど、日本人の兄弟たちがスムージーマシンのことを知らなくて。いつもみんなから唐揚げなど、オススメを教えてもらっているんですが、その時は、僕がみんなにレクチャーする立場になって(笑)。それも面白かったですね」
日本での生活を楽しんでいる様子が伝わりました。ではチームメイトにメッセージをお願いします。
「自分を信じて、自分たちのラグビーを信じて、自信を持ってプレーしてほしいです。その上で、全員が固い絆で結束してほしい。その絆が試合中に迎える厳しい局面を打開する助ける力になるはずです。絆がチームを強くすると思いますので、互いに信頼し合って1つになって、リーグワン優勝という目標に向かってほしいです」
では最後にSteel Matesにメッセージをお願いします。
「どんな時でもあたたかい拍手と声援を送ってくれて、Steel Matesは心が優しい人ばかり。1シーズンだけでしたが、Steel Matesの前でプレーでき、とても幸せでした。皆様の応援は選手を奮い立たせます。これからもコベルコ神戸スティーラーズに熱い応援よろしくお願いします。また皆様に会える日を楽しみにしています」
日本で、神戸で過ごした日々を愛おしいと何度も話していたサベア選手。短い期間でしたが、チームのこと、Steel Matesのことを大好きになった様子でした。アーディ、ありがとう!また会える日を選手もSteel Matesも楽しみにしています。