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試合後のコメント

4月23日(日)「NTTリーグワン2022–23」第16節横浜キヤノンイーグルス戦試合レポート

4月23日(日)「NTTリーグワン2022–23」第16節横浜キヤノンイーグルス戦試合レポート

PR山下(裕)が公式戦200試合出場を達成も、勝利で飾れず、5勝11敗9位でシーズン終了

5ヶ月にわたるリーグワンの戦いも、いよいよラスト1試合。
4月23日、神戸スティーラーズは、花園ラグビー場に横浜キヤノンイーグルスを迎えた。横浜Eは、21日、5位の東芝ブレイブルーパス東京が埼玉パナソニックワイルドナイツに敗れたため、4位が確定しプレーオフ進出が決定した。
神戸スティーラーズにとって、今節は、2008年シーズンからスクラムの最前列で体を張るベテラン山下(裕)の公式戦200試合出場という大記録が達成される一戦だ。勝利で祝い、シーズンを終えたいところ。前節の花園近鉄ライナーズ戦は、横とのつながりが途切れてしまったことや、次に何をするかが明確でなくパニックになったことから、今節では「コネクト」をテーマに、80分間つながることを意識し、準備を整えてきた。
時折強い風が吹くものの、晴れ渡った青空のもと、試合が開始された。
3分、ハーフライン付近のカウンターから攻撃を仕掛けられ、トライを献上すると、11分にも連続攻撃からトライを奪われ、追いかける展開に。その後、ハーフライン付近でCTB濱野がプレッシャーをかけ、ノットリリースザボールの反則を獲得すると、敵陣深くに入る。
22mライン付近マイボールラインアウトからモールを押し込み前進すると、そこからバックスへと展開。相手に反則があり、ゴール前ラインアウトになるもミスが出て、取り切ることができない。逆に、22分、自陣22mライン付近の横浜Eボールのスクラムからトライを許すと、ゴールキックも決まり、0-19とリードを広げられた。
しかし、神戸スティーラーズもやられてばかりはいられない。10mライン付近の相手ボールスクラムでプレッシャーをかけ反則を得ると、34分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、松岡がグラウンディングし、5–19とする。スタンドが湧いたのも、つかの間、その直後、横浜Eのキックオフをキャッチミスすると、ボールを奪われて、そのままトライを献上。ゴールキックも決まり、5–26に。前半終了間際、横浜E陣ゴール前でターンオーバーすると、HO松岡からNo8サウマキ、CTBバックマンとつないで、ラストパスを受けたWTB山下(楽)がインゴールへ飛び込む。ゴールキックも決まり、12–26として折り返した。
逆転を狙う後半。開始早々、観客が沸き上がる。
4分、相手ボールのスクラムを押し込んでターンオーバーすると、No8サウマキがラインブレイク。サポートへのパスが乱れるも、ボールを受けたCTB濱野がディフェンスの裏へとキック。相手がタッチへ蹴り出したキックをWTB中がチャージし、そのままインゴールで抑えてトライをマーク。WTB中にとって、嬉しいリーグワン初トライになった。ゴールキックも決まり、19–26と7点差に。ここから追い上げたいところだったが、16分、23分、連続トライを許し、19–40と突き放される。25分、カウンター攻撃を起点に、SO李のラインブレイクからFB山中が意地のトライをマークするが、神戸スティーラーズの反撃もここまで。
31分、サウマキと交代したNo.8前川のタックルが危険なプレーと見なされレッドカードが出されてしまう。1人少ない中で必死に戦うも、32分、35分と、2本のトライを奪われ、26–52で試合終了。PR山下(裕)のメモリアルマッチを勝利で飾ることができずにノーサイドを迎えた。

ホルテンヘッドコーチは「戦う姿勢や神戸スティーラーズの良さを随所に見せることはできましたが、簡単にトライを与え過ぎています」とディフェンス面について言及。キャプテンの橋本も「アタックに関しては、この試合でも良い場面がたくさんあったのですが、ディフェンスはシーズン通して失点が多かった」と反省を口にした。
ホルテンヘッドコーチは、数年前と比べると、タックル成功率が低く、長いフェイズでディフェンスシステムを遂行することができていないと述べ、「今シーズンのエラーから学ばなければ、来シーズンも同じ位置につけることになる」と語った。
優勝を目指すも、目標からほど遠い、5勝11敗9位という過去最低の成績。もちろん、誰もこの結果に満足はしていない。試合終了後のグラウンドで、キャプテンの橋本と公式戦200試合出場を達成した山下(裕)がファンに向けて「ふがいない結果に終わってしまった」と頭を下げた。
今シーズンは、怪我人が多く出て、ベストメンバーが組めなかったというのも事実だ。
しかし、チャンスを掴んだ若手も多い。その筆頭であるCTB濱野は9試合に出場し、「試合でしか学べないことがありますので、今シーズンは個人的にとても良い経験ができました。一緒にセンターコンビを組むことが多かったバッキー(バックマン)からディフェンス面について細かくアドバイスしてもらって成長することができました」と手応えを感じた様子だった。今節にも出場したWTB中、FB松永、FLコストリーといった若手のさらなる活躍にも期待したい。
どん底を見た苦しいシーズンになってしまったが、神戸スティーラーズはここから這い上がり、来シーズン、再び輝きを取り戻す。神戸スティーラーズの力を信じていてほしい。

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