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試合後のコメント

3月10日(金)「NTTリーグワン2022–23」第11節リコーブラックラムズ東京戦試合レポート

 取材日:2023年3月10日

3月10日(金)「NTTリーグワン2022–23」第11節リコーブラックラムズ東京戦試合レポート

敵陣でのチャンスを生かせず、後半5トライを献上し、今シーズン2度目の3連敗

前節で東芝ブレイブルーパス東京に敗れた神戸スティーラーズは、中5日で、リコーブラックラムズ東京と対戦した。今節は、李、日下のスタンドオフの2人がHIAの判定を受けたことにより、ラファエレが、公式戦では2017年度以来となる司令塔のポジションに入った。ラファエレは「自分の役割を100%全うすることだけを考えて試合に臨みます」と語っていた。

ここ2試合、後半に失点が続き、敗戦という結果に終わっている。2試合ぶりに戦線復帰したキャプテンの橋本は、「相手に流れがいったとしても、そこで引かずに『勝ちたい』という気持ちを出して、自分たちのラグビーをやり続ける」と気合を込めた。今節こそ勝利を。そう気持ちを1つにして、東京・秩父宮ラグビー場へと乗り込んだ。

神戸スティーラーズのキックオフで始まった試合は、5分、BR東京がPGで先制する。その直後、カウンター攻撃を仕掛けるも、ディフェンスのプレッシャーを受け、相手ボールに。さらに反則が出て、神戸陣ゴール前で相手ラインアウトのピンチとなる。モールで攻められるも、FL橋本がアンプレアブルを誘い、凌ぎ切る。その後も、粘りのディフェンスを見せて、トライラインを守る神戸スティーラーズ。一進一退の攻防が続いた後、15分、相手のキックをキャッチしたWTB井関からFB山中へとつなぎ、攻撃を継続すると、WTBモエアキオラがラインブレイク。敵陣22mライン付近でサポートしていたCTBリトル、さらにCTB濱野へとつなぎ、右中間のラックからSH日和佐が右端にいたFLコストリーへとパス。そのままコストリーは、右コーナーへ飛び込むも、わずかにタッチを踏んでおりトライにはならず。次のチャンスは、BR東京陣22mライン付近での相手ボールラインアウトをスティールすると、FW・BK一体となった連続攻撃を見せる。ここはFB山中のキックがタッチに出るも、敵陣での時間が続く。待望のトライは、22分。敵陣ゴール前右中間でのスクラムからフェイズを重ねると、最後は右端のラックからSH日和佐がパスアウトしたボールをNo.8クッツェーがキャッチすると、パワフルな走りでそのままゴールラインへと飛び込みトライ。しかし、5–3とリードしたのも、つかの間、BR東京のキックオフからの攻撃でSOラファエレがエリアを挽回しようと蹴ったキックを相手にチャージされ、トライを献上。ゴールキックも決まり、5–10と再び追いかける展開に。中盤エリアでの攻防が続いた後、BR東京陣10mライン付近で相手に反則が出ると、30分、ゴール前ラインアウトのチャンスを得る。モールを一気に押し込んで、トライを狙うも、ディフェンスに阻まれ、グラウンディングできず終わる。34分にも、ゴール前ラインアウトのチャンスとなり、モールを押し込むも、反則を取られてしまう。敵陣深くに入るも、なかなかスコアに繋げることができず、もどかしい展開となる。残り時間も神戸スティーラーズが攻撃を仕掛けるも、要所にミスが出て、5–10で折り返した。

相手のキックオフで開始された後半。先に得点したのは、BR東京。相手のキックをキャッチしそこね、タッチに出てしまうと、4分、22mライン付近BR東京のラインアウトから展開されトライを許す。ゴールキックも決まり、5–17とリードを広げられる。ここが踏ん張りどころとばかりに、スタンドから「GO GO!KOBE」と力強い声援が送られる。相手に立て続けに反則が出ると、12分、ゴール前ラインアウトのチャンス。ここでスコアしたいところだったが、HO松岡の放ったボールは、ノットストレートの判定が下される。17分には、昨シーズンまで神戸スティーラーズに在籍していたFLマクカランに突破を許し、そのままトライを奪われてしまう。ゴールキックも決まり、5–24。なんとか一矢を報いようと、21分、ハーフライン付近でBR東京のキックをWTBモエアキオラがキャッチすると、そこからカウンター攻撃を仕掛ける。ボールを動かし前進すると、ゴール前ラックから日和佐から代わったSH徳田がパスアウト。ボールをキャッチしたFLサウマキがゴールラインを駆け抜ける。ゴールキックも決まり、12–24に。息を吹き返したかに思えたが、25分、28分、立て続けにトライを献上し、12–36。前々節、前節では、ここで下を向いてしまったが、この日の神戸スティーラーズは違う。神戸のため、自分たちのため、そして何よりSteel Matesのため、最後まで諦めずに戦う姿勢を見せる。32分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込んで、HO酒木がトライ。直後のキックオフをキャッチすると、自陣から連続攻撃を開始する。グラウンドを広く使ってボールを展開し、ゴール前へ。スタンドから神戸コールが湧き上がる。37分、ゴールラインからモールを押し込み、HO酒木が連続トライ。FB山中のゴールキックも決まり、26–36と10点差に追い上げる。残り2分、キックオフレシーブからアタックを継続し、敵陣深くまで入る。ゴール前で相手が反則を犯すと、FL橋本が速攻を仕掛ける。しかし、神戸スティーラーズの追い上げもここまで。ボールを継続するも、最後はミスにより相手ボールとなって、41分、トライを献上。終盤、反撃するも、26–41と敗戦という結果に終わった。

前半は5–10と拮抗した展開も、後半に5トライを許すという内容に、ホルテンヘッドコーチは「前々節、前節と同じコメントになってしまいますが、前半、チャンスでスコアできず、後半に入ってから簡単にトライを許してしまいました。終盤に関しては、ファイトする姿勢を見せ、その部分は、ここ2試合では見られなかったところですが、求めている結果を得ることは叶いませんでした」とまとめた。

今節に向けて、チームはプレーの精度を高めアタックを完遂できるように取り組んできた。しかし、今節においても、その部分は改善されずに終わった。

ホルテンヘッドコーチは、「ポジティブに前を向いて、攻守ともに精度を上げることに取り組んでいく」と話す。日和佐は、「敵陣22mまでは入ることはできる。そこからゴールラインをなんとしてでも越えるというマインドセットが、僕を含めて必要なのだと思います。ディフェンスも同じです。22mラインを越えられたら、スイッチを切り替えて、守り切る。22mに入ったところ、入られたところで、ギアチェンジできるようにしていかないといけない」と語っていた。

金曜のナイトゲーム。有給休暇や半休を取って応援に駆けつけてくれたSteel Matesも多く、ビジターゲームにかかわらず、大きな「GO GO!KOBE」コールが幾度となく聞かれた。そんなSteel Matesを今節も笑顔にできなかった。

神戸スティーラーズは、9位に順位を下げた。

交流戦が終了し、次節から同じカンファレンス同士の2巡目の戦いへと突入し、残り5試合。

「順位よりも自分たちが80分戦う姿勢を見せることにフォーカスしたい。応援してくれる方々のために、80分間、自分たちのラグビーをやり続けるところを見せたい」と、ホルテンヘッドコーチが言えば、ラファエレがピッチを退いた後、スタンドオフのポジションに入ったベテランの山中も「ファンの方もストレスが溜まる試合が続いています。残りの試合では、ファンの方が応援したいと思うようなラグビーをしていきたいと思います」と決意する。

苦しい状況でもチームを後押ししてくれるSteel Matesのために。

「しっかり準備して、やるべきことをやっていきます」(橋本)

次節は、3月19日(日)第12節NECグリーンロケッツ戦だ。今シーズン、最後のユニバー記念競技場で開催の試合となる。神戸のプライドを賭けて、地元で自分たちのラグビーを披露し、勝利を飾る。

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