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試合後のコメント

2月26日(日)「NTTリーグワン2022–23」第9節埼玉パナソニックワイルドナイツ戦試合レポート

2月26日(日)「NTTリーグワン2022–23」第9節埼玉パナソニックワイルドナイツ戦試合レポート

後半20分までは王者相手に善戦も、その後連続トライを奪われ完敗

ホストゲームで開催の交流戦3試合目は、昨シーズンの覇者で、現在無敗の埼玉パナソニックワイルドナイツとの対戦となった。試合前、選手たちは「今節は大きなチャレンジだ」と声をそろえた。王者との一戦に、80分間集中して精度高くプレーしようとひとつになり、チームは神戸総合運動公園ユニバー記念競技場へと乗り込んだ。

今シーズン最多となる約7800人のファンが見守る中、相手キックオフではじまった試合は、開始早々ハーフライン付近のマイボールスクラムで反則を得て、ゴール前でのラインアウトのチャンスになる。ボールを展開しトライラインに迫るも、ディフェンスの圧力を受け反則を犯してしまう。スコアすることはできなかったが、神戸スティーラーズは立ち上がりから闘志あふれるプレーを見せる。11分、敵陣22mで反則を得ると、ショットを狙わずに、ラインアウトを選択。攻めの姿勢を見せるチームに対し、観客から歓声が湧き上がる。ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、左に持ち出して連続攻撃を仕掛ける。しかし、ここで連携のミスが出て、相手ボールに。敵陣に攻め込むも、粘りのディフェンスに阻まれて、スコアできずに終わる。16分には、今シーズン全試合で司令塔を務めるSO李が頭部を負傷。急遽、FB山中が、スタンドオフのポジションへと入った。「承信がいなくなることになれば、自分が10番の位置に入ることは決まっていたので、練習から準備はしていました」(山中)と混乱することなく、試合を進めたが、18分、神戸陣22mライン付近の埼玉WKボールのラインアウトから素早くボールを展開されて、トライを献上。ゴールキックも決まり、0–7に。24分にも、ドロップゴールで3点を追加され、0–10となる。これ以上離されたくない神戸スティーラーズは、27分、敵陣ゴール前スクラムからNo.8クッツェーがボールを持ち出して前進し、ラックを作ると、SH日和佐からパスを受けたLOカウリートゥイオティがディフェンスを引きずりながらゴールラインへ。山中のゴールキックも決まり、7–10とする。さらに、前半終了間際にも、神戸陣10mライン付近でCTB濱野が相手のボールに絡んで反則を誘い、敵陣22mライン付近でラインアウトのチャンスを得る。モールを押し込んで前進する中で、埼玉WKにオフサイドの反則があり、敵陣でのゴール前ラインアウトに。しかし、HO松岡の放ったボールはノットストレートとなり、7–10のままハーフタイムへ。

後半は、FB山中のキックオフでスタート。6分、埼玉陣22mライン付近中央で反則を得ると、ショットを選択し、山中がPGを決めて、10–10の同点に。その直後、両チームともにFW第1列を交代する。その中には、昨シーズンの第5節GR東葛戦以来の公式戦出場のPR具の顔もあり、Steel Matesからエールが送られる。ここからもう一段ギアを上げたいところだったが、8分、LOカウリートゥイオティのタックルが危険なプレーと見なされて、イエローカードが出されると、流れは一気に埼玉WKへ。9分、PGで追加得点され、10–13。その後、目まぐるしく攻守が入れ替わる中で、神戸が自陣深くで反則を犯し、17分、ゴール前ラインアウトから展開されトライを許すと、21分、28分と、連続でトライを奪われる。応援してくれるSteel Mateのためにも反撃したい神戸スティーラーズだったが、埼玉WKの固いディフェンスを崩すことができない。逆に自在にボールを動かされてトライを献上。前半は拮抗した展開も、後半に入り5トライを許し、10–48で完敗という結果に終わった。

ホルテンヘッドコーチは「後半20分まではしっかり戦うことができましたが、埼玉WKにミスを突かれて崩されてしまいました。前半のチャンスでスコアすることができていれば、また違う展開になったかもしれない」と悔やんだ。
キャプテンの橋本は「自分の役割を全うすることにフォーカスして試合に臨んだのですが、後半に入り徐々に精度が下がってしまった」と話す。この試合も攻守で奮闘したクッツェーは、「規律をもっと向上させないといけません。ノットロールアウェイやオフサイドは、この試合でも多く取られました。これらの反則は防ぐことができるものです」と規律が大きな課題だと強い口調で語った。これまでの反則数は、「113」と飛び抜けて多いわけではないが、大事な局面で反則やミスが続くことが問題だとも。
リーグ戦5敗目を喫し、プレーオフトーナメント進出がかなり厳しい状況になった。
「ネガティブなことばかり強調してしまいましたが、今日は良い面もありました。後半20分まで埼玉WKと良い戦いをすることができ、改めて我々には力があると感じることができました。60分間できたことを、80分間やればいい。ノーサイドの瞬間まで集中力を切らさずに規律を守って戦えるように準備を進めていきます」
クッツェーはそう話し、今後の試合に向けて意気込んだ。久しぶりにスタンドオフでプレーしたベテランの山中も同じく
「60分までチャンピオンチームに良いラグビーをしました。それをポジティブに捉えて、次節からは80分間続けられるように取り組んでいきます」と決意した。
次節は、東京・秩父宮ラグビー場で現在5位の東芝ブレイブルーパス東京と対戦する。1つでも上の順位を目指して、神戸スティーラーズは前を向いて戦い続ける。

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