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試合後のコメント

1月14日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第4節東京サントリーサンゴリアス戦試合レポート

 取材日:2023年1月14日

1月14日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第4節東京サントリーサンゴリアス戦試合レポート

フィジカルバトルで戦う姿勢が見え、敗戦の中にも次節につながる手応え

1月14日(土)、ノエビアスタジアム神戸に東京サントリーサンゴリアスを迎え、今シーズン2度目のホストゲームが行われた。この試合は、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の「メモリアルマッチ」として開催され、会場ではメッセージ動画を放映。また、神戸製鋼所の従業員37名がフラッグベアラーとして登場し、チームにエールを送った。苦しい状況から復興を遂げた神戸の街。その苦労と努力に思いを馳せ、神戸のみんなに勇気と元気を与えられるような試合をしたいとこの一戦に臨んだ。

インフルエンザのために4選手が欠場し、急遽メンバーが入れ替わったが、やることは変わらない。80分間、神戸ラグビーを遂行するだけだ。選手たちの表情も、いつも以上に気合がみなぎる。4分に先制PGこそ許すも、フィジカルで前に出て敵陣でプレーを続け、東京SG陣22mライン中央で反則を得るとショットを選択。10分、まずは3–3の同点とする。その後も、応援の後押しを受け、神戸スティーラーズの攻撃の時間が続く。しかし、チャンスを作るが、パスが繋がらなかったり、マイボールラインアウトでミスが出たりし、トライを取り切ることができない。22分、PGで加点し、6–3とリードするも、ここから反則を立て続けに取られ、自陣ゴール前での東京SGボールラインアウトのピンチに。28分、モールを押し込まれて、トライを献上。さらに、その3分後にも、連携ミスからボールを奪われて、攻撃を継続されトライを許す。36分には、古巣との対決に闘志を燃やしていたHO北出が負傷し、退場するアクシデントに見舞われる。残り時間は、自陣に釘付けになるが、守り切り、そのまま6–17で折り返した。

後半は、足を痛めていたCTBラウマペに代えリトルを投入し、巻き返しを図る。そのリトルがいきなり本領を発揮し、ラインブレイク。3分、PGで加点し、9–17に。続く、7分にもPGで得点し、12–17とじわりじわりと差を詰めていく。9分、敵陣10mライン付近中央での相手の反則にショットを選択するも、SO李のキックはゴールポストに当たって失敗に終わると、この後、流れは東京SGに。相手を止めにいった際の、LOカウリートゥイオティのプレーが危険なタックルと見なされ、シンビンに。12分にPGを、15分にはトライを奪われ、12–27とリードを広げられてしまう。31分、モールで妨害行為があったとして、PR中島にイエローカードが出され、認定トライを献上。再び1人少ない状況となる中で、相手に突破を許しトライを奪われてしまう(35分)。スコアは、12–39。ここまで神戸スティーラーズの得点は、PGのみ。このままでは終われない。終了間際、ゴール前ラインアウトのチャンス。スタンドの拍手を力に変え、モールを押し込むと、右コーナーにHO王がボールをグラウンディングし、この日初トライをマークする。難しい角度のキックを李が沈め、19–39で試合終了を告げるホーンが鳴った。

ゲームキャプテンを任されたクッツェーは「入団時に、1月17日がどんな日であるのかを教えてもらっています。メモリアルマッチでのこの結果は残念ですし、チームメイトも心を痛めています」と言えば、神戸出身の李も「個人としても、チームとしても思い入れのあるゲームだったので、本当に悔しいです」と、うつむいた。終了間際にトライをマークしたことについては、同じく神戸出身の日和佐は「スティールワーカーとして最後まで戦う姿勢を見せ、メッセージを伝えることはできたと思います」と語った。

試合は、ラインアウトでのミスや、連携ミスが多く出て、チャンスを生かし切れずに終わった。クッツェーは「ラインアウトについては、相手に分析されていたことや、その上で細かなスキルを全うできなかったことが重なり、ミスが続いてしまいました。チームとしてきっちり修正しないといけません」と振り返った。

試合後の記者会見で東京SGの田中監督が「神戸はFWが細かいパスをつないで前進する。そこにプレッシャーをかけて、スキルエラーを誘った」と話していた。日和佐は「よく分析されているなと感じましたが、試合中に修正しないといけなかったところです」と悔しがった。

ニコラスホルテンヘッドコーチは「ブレイクダウンで多くの反則を取られています。特にノットロールアウェイが多いので、タックルの質を上げないといけません」と規律について言及し、次節に向けて修正しないといけないと話した。

次節は、3勝1分で現在2位のクボタスピアアーズ船橋・東京ベイとの対戦だ。クッツェーは、今節で掴んだ収穫として「前半最初の30分まではフィジカルバトルでしっかり戦う姿勢を見せることができた」と当たり負けしなかったことを挙げる。それを80分間続け、プレーの精度を上げれば、良い試合ができると話す。チームにとって大事なメモリアルマッチで勝利することができず、悔しい敗戦という結果に終わってしまったが、手応えもあった。FWが滅法強く難しい相手との対戦だが、次節は白星をもぎ取りたい。

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