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試合後のコメント

1月8日(日)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第3節NECグリーンロケッツ東葛戦試合レポート

1月8日(日)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第3節NECグリーンロケッツ東葛戦試合レポート

開始10分までに3トライをマーク。後半、流れを失うも、そのまま逃げ切り2連勝

2023年初試合が、1月8日(日)、柏の葉総合公園競技場にて行われた。相手は、NECグリーンロケッツ東葛だ。NEC時代にチームに所属したSH中嶋は、「新加入のSHニック・フィップス選手とSO金井大雪選手がゲームをコントロールし、WTBレメキ・ロマノラヴァ選手がインパクトを与えています。また、FWもまとまっていますし、昨シーズンよりもチーム力が上がっている印象を受けました」と話していた。相手チームの戦術への対応はもちろん、これまでの2試合で課題として出たディフェンス面の修正など、万全の準備を行い、敵地での一戦に臨んだ。

相手キックオフではじまった試合は、開始早々にR東葛のCTBネマ二が危険なプレーでシンビンとなると、数的優位に立った神戸スティーラーズが畳みかける。2分、GR東葛陣22mライン付近のマイボールラインアウトから展開すると、PR中島がラインブレイク。中央からCTBラウマペがディフェンスの裏へとキックパスを放つとFL橋本がキャッチ。FB山中へとつなぎ、右コーナーに先制のトライ。その3分後には、キックオフレシーブから攻撃を継続し、ラウマペの力強いラン、CTBリトルのロングゲインでゴール前まで迫ると、最後はWTB山下(楽)からラストパスを受けた山中がインゴールへ。さらに、9分には、GR東葛陣10mライン付近でターンオーバーすると、そこからボールを展開し、WTB井関が切れ味鋭いランで敵陣深く入ると、最後はFLクッツェーがトライ。神戸らしいアタッキングラグビーで、開始10分で3本のトライを決め19–0とリードを広げた。その後、立て続けに反則を犯し、16分、ゴール前ラインアウトからサインプレーでトライを許すも、すぐさま取り返す。20分、GR東葛陣22mライン付近のマイボールスクラムからBKへと展開し、最後はゴール前のラックからボールを持ち出したリトルがそのままトライ。27分には、ゴール前ラインアウトからモールを押し込み前進すると、そこからNo.8モエアキオラがボールを持ち出し、インゴールへ。ゴールキックも決まり、31–7に。29分、WTBレメキのビッグゲインからチャンスを作られてトライを奪われ31–14に。残り10分、GR東葛に自陣深くまで攻め込まれる場面もあったが、しのぎ切り、前半を折り返した。

SO李のキックオフではじまった後半。2分、GR東葛陣10mライン付近の相手ボールラインアウトをスティールすると、FW・BK一体となった攻撃を仕掛ける。リトルからパスを受けたLOシカリングがディフェンスをはじき飛ばしながら40mを走り切りインゴールへと飛び込む。しかし、ここは、相手に阻止され、グラウンディングができずノートライに。試合後、ホルテンヘッドコーチが「あのトライが決まっていれば、その後も良い形で試合を進めることができたかもしれない」と話したように、この後、立て続けに反則を犯し、苦しい展開となる。9分には、神戸ボールをインターセプトしたSO金井にWTB山下(楽)が追いつくも、その後の山中のプレーがペナルティの判定を受けて、シンビンが下される。13分には、GR東葛のゴール前ラインアウトモールに対して、PR山下(裕)のプレーが不正なプレーと見なされてイエローカードが出され、認定トライを献上してしまう。2人少ない状況の中、バイスキャプテンの李を中心に「1人が2人分の仕事をして、ディフェンスではラックに人数をかけず、アタックではモールを組んだり、ショートサイドをうまく攻めたりしながら時間を稼ごう」と話し合ったという。16分、山下(楽)のカウンターからテンポよくボールを繋いで、モエアキオラがトライをマークし、逆に36–19と突き放す。山中、山下(裕)のシンビンが明けるまでに、19分、26分と2本のトライを許すも、神戸スティーラーズも、23分、GR東葛陣22mライン付近のマイボールラインアウトからサインプレーでラウマペがトライを決める。残り10分で、43–33と10点差。その後は、攻守がめまぐるしく入れ替わり、どちらに転ぶかわからない展開になるも、神戸スティーラーズがそのままリードを保ってノーサイド。中島とLO張のリーグ戦通算50試合目を勝利で飾った。

前半は神戸スティーラーズペースで進むも、後半は苦しい展開になった試合を振り返り、ホルテンヘッドコーチは「良いところと悪いところが明確に出た試合です。アタックに関しては最初の3フェイズで精度高く前に出続けること、ディフェンスについては連携やダブルタックルをフォーカスしていたのですが、前半は求めているラグビーができている時間が多く、良い部分がたくさん出ました。しかし、後半に関しては、イエローカードが2枚出てしまったことにより、アタックでのミスやボールを奪われたところでディフェンスのミス、反則が重なり、流れをコントロールできなくなってしまいました」と話す。プレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたバイスキャプテンの李は「後半は反則やミスという規律の部分で、自分たちの首を絞めて、しんどい状況を作ってしまったように思います」と反省の弁。2トライを挙げたベテランの山中も李と同じく「反則やミスで後半は良いラグビーができなかった」と語った。これまでの課題であったディフェンス面においては「ダブルタックルでしっかり止めて良いところもたくさんあったのですが、1対1になった局面で外されたり、疲れてきた時に抜かれてしまったりする場面がありました。80分間通してシステムをしっかり遂行できるようにならないと」と山中。

ホルテンヘッドコーチは、今のチームの課題は「自分たちのラグビーを80分間やり切るところ」だと言う。相手からプレッシャーをかけられた中で、どれだけミスを少なく、精度高くプレーし続けることができるのか。

次節は、強豪・東京サントリーサンゴリアスとの一戦が控える。この日も攻守で高いワークレートを見せ、リーグワン初トライをマークしたクッツェーは、「ディフェンス面は全体的には悪くなかったですし、自信につながる一戦だったと思います。ただ、攻撃力の高い東京SGに対して、ミスや反則は命取りになります。次節に向けて規律を修正して臨みます」と意気込んだ。初戦から30点以上の失点が続き、Steel Matesをハラハラさせる試合が続くが、「試合を重ねるごとにチームは成長している」と皆が声を揃える。次節でのさらなるチームの成長を期待していてほしい。

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