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試合後のコメント

12月24日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第2節花園近鉄ライナーズ戦試合レポート

 取材日:2022年12月24日

12月24日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022–23」第2節花園近鉄ライナーズ戦試合レポート

山中のスティーラーズキャップ100試合を祝う、今季初白星をマーク!

神戸スティーラーズは、12月24日(土)、第2節で、昨シーズン入替戦に勝ってDIVISION 1に昇格した花園近鉄ライナーズをホームスタジアムの神戸総合運動公園ユニバー記念競技場に迎えた。神戸と大阪、関西を拠点に活動しているチーム同士の対決ということで「関西ダービー」と銘打って開催された試合は、ともに第1節を落としており、互いに負けられない一戦となった。また、神戸スティーラーズにとっては、チームを最後尾から支えるFB山中のチーム100試合目のゲームだ。ホストゲーム開幕戦を勝利で飾りたい。キャプテンの橋本は「自分たちのラグビーを80分間精度高くやり切ることにフォーカスして準備をしてきました」と話した。バイスキャプテンで神戸出身の李は、「地元で神戸ラグビーを精度高くして、Steel Matesの前で強い神戸を証明したい」と闘志を燃やした。神戸スティーラーズは、第1節と同じメンバーで試合に臨んだ。

入り口付近で配布されたシーズン記念Tシャツで赤く染まったスタンド。気温は低いものの、爽やかな青空が広がり、最高の雰囲気だ。Steel Matesに勝利を届ける。そう強い決意で挑んだ試合は、いきなりルーキーのWTB松永が思い切りのよいカウンターを仕掛ける。WTB井関からCTBラウマペのパスはスローフォワードとなるも、序盤から積極的な攻撃の姿勢を見せる。だが、幾度となくチャンスを作るも、先にスコアしたのは、花園L。9分、ノーボールタックルの反則から自陣ゴール前で花園Lボールのラインアウトになると、そこからボールを繋がれてトライを献上する。しかし、ここから神戸スティーラーズが反撃を開始。13分、ゴール前10m中央付近でのマイボールスクラムでSH中嶋からパスをもらったCTBラウマペが、ディフェンスをなぎ倒しながらインゴールへ。ゴールキックも決まり、まずは同点。その2分後にも、FB山中のカウンターアタックからSO李がラインブレイク。そこからボールをつないで、最後はCTBラウマペが右コーナーへトライ。22分にもPGで加点し、17—7とリードを広げた。しかし、花園Lも負けてはいない。FL橋本がラインブレイクするも、ハーフライン付近で相手に絡まれて、ノットリリースザボール。26分、神戸陣22mライン花園Lボールのラインアウトから連続攻撃を受け、トライを許してしまう。さらに、PR山下(裕)のプレーが、TMO判定により、危険なタックルと判断されシンビンとなる。1人少ない状況になるも、神戸スティーラーズは力強いプレーで相手を跳ね返す。ハーフライン付近からマイボールラインアウトでモールを押し込むと、そこから展開し、多彩な攻撃で前進する。相手が反則を犯すと、28分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、HO松岡がトライ。33分、オフロードパスをつながれてトライを許し、22−21と1点差にまで迫られるも、取られたら取り返す神戸スティーラーズは、36分、カウンターアタックからフェイズを重ねて、CTBラウマペが突破すると、サポートしていたFB山中へとつなぎ、最後はSH中嶋がゴールラインを駆け抜ける。前半終了間際にもトライかと思わすシーンがあるも、TMO判定で、一連の流れでノックオンがあり、ノートライに。29–21で前半を折り返した。

後半も最初にスコア(PG)したのは、花園Lだったが、その後は神戸スティーラーズが立て続けにトライをマークする。6分、CTBラウマペがこの日3本目のトライを決めると、9分にもトライを奪う。12分、カウンターアタックを仕掛けられて、連続攻撃からトライを許すも、すぐさま取り返す。15分、SH中嶋が、この日3本目のトライを決める。神戸スティーラーズは、全員が連動し、神戸ラグビーを見せる。自陣での花園Lボールラインアウトでは、立て続けにボールを奪い、ピンチを脱すると、28分、神戸陣10mライン付近マイボールラインアウトからBKへと展開。CTBラファエレがラインブレイクすると、パスをつないで、最後はCTBリトルがトライ。33分にも、No,8モエアキオラがトライを決め、58—29。試合終了間際に、神戸陣22mライン中央付近花園Lボールのスクラムからキックを交えたプレーでトライされるも、58−36でノーサイド。神戸スティーラーズは、地元神戸で、今シーズン初勝利を挙げ、勝ち点5を獲得した。

ホルテンヘッドコーチは「第1節は、本来のパフォーマンスを発揮でできずに終わりました。この試合も納得のいくパフォーマンスではないのですが、山中のスティーラーズキャップ100試合を勝利で飾ることができて嬉しいですね」と安堵の表情を見せた後、「アタックではラストパスの精度、ディフェンスでは1人1人のタックルの精度や連携など課題が出ました。特にターンオーバーされた後のディフェンスの切り替えのところがよくありません。その精度が上がれば、20点上積みすることができたと思います」と、まだまだ改善の余地があると話した。キャプテンの橋本は、「トライシーンでは、神戸らしさを出すことができました。ただ、ディフェンスに関しては、修正していかなければいけません」とホルテンヘッドコーチと同様にディフェンスが課題だと指摘した。李も「ディフェンスは正直、良くないと感じています。1人が抜かれても、2人目、3人目でカバーしようと話していたのですが、フェイズを重ねられて攻撃を受けた時にゲインされたり、反則を取られたりすることが多かったです」と語った。

チームはプレシーズンマッチも1勝4敗と、勝ちに飢えていた。スティーラーズキャップ100試合を達成した山中は、「勝つことができて良かった。この勝利がチームに良い影響を与えると思います。ここから勝利を重ねていけるようにしていきたい」と大きな1勝になったと話した。これからチームはまだまだ成長していける。3本のトライを決め、プレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたラウマペについて、ホルテンヘッドコーチは「日本のラグビーに慣れようとしているところで、まだピークにはありません。今日は彼の力の一部を見せてくれましたが、今後はさらに長い時間、チームを前へと押し上げてくれることと思います」と期待した。

第3節は、柏の葉総合公園競技場にて、NECグリーンロケッツ東葛との対戦だ。神戸ラグビーの成熟度をさらに高めて、連勝を誓う。

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