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試合後のコメント

4月23日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」第14節vsクボタスピアーズ船橋・東京ベイ 試合レポート

 取材日:2022年4月23日

4月23日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」第14節vsクボタスピアーズ船橋・東京ベイ 試合レポート

取って取られての白熱の一戦も、最後に競り負けて悔しい敗戦

4月23日、コベルコ神戸スティーラーズは、10勝3敗で2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイと対戦。今節は、モエアキオラ選手が大学3年の時以来だというNo.8に起用され、入団2年目の山田選手、3年目の池永選手が初めてリザーブ入りを果たした。22日に行われた試合で東芝ブレイブルーパス東京が勝利し、プレーオフトーナメント進出への道は絶たれてしまったが、前節の埼玉パナソニックワイルドナイツ戦の翌日に、57歳という若さで急逝したカンバーランドコーチに勝利を捧げようと、チームはひとつになり、敵地・江戸川区陸上競技場に乗り込んだ。

試合前には、神戸スティーラーズのみならず、長年に渡り日本ラグビー界に貢献したカンバーランドコーチへ黙祷が捧げられ、両チームの選手が喪章をつけて戦いに臨んだ。カンバーランドコーチのためにも「負けられない」と、気持ちの入る神戸Sは、7分、ハーフウェイラインで李選手が相手のパスをインターセプトすると、ボールをつなぎ、モエアキオラ選手が裏へと蹴ったキックを山中選手がキャッチ。山中選手がディフェンスにつかまりながらもアンダーソン選手へとパスを通すと、先制のトライをマークする。幸先の良い滑り出しとなったが、対するS東京ベイも4強入りに向けて落とすことができない大事な一戦であり、その後も取っては取られての、激しい攻防が繰り広げられる。13分、フィジカルの強さが持ち味のS東京ベイFWにモールを押し込まれてトライを献上すると、2分後には、神戸Sが、自陣10mライン付近のマイボールラインアウトから連続攻撃を仕掛け、最後はクルーデン選手がディフェンスのギャップをつき、トライラインに飛び込む。李選手のゴールキックも決まり、12−7とする。24分に、S東京ベイに再びラインアウトモールを押し込まれて、あわやトライかというシーンもあったが、グラウンディングが認められず、ノートライの判定に。この試合、神戸Sはスクラムを組んでは相手の反則を誘い、アタックでは何度もゲインを切り、神戸らしいプレーが多々見られた。31分にPGを決められ、差を詰められるも、37分、S東京ベイ陣22mライン付近でのラインアウトからバックスへと展開し、クルーデン選手がラインブレイクすると、ラックから張選手、クルーデン選手、山中選手とつなぎ、最後はシカリング選手がインゴールへ。ゴールキックも決まり、19−9で折り返した。

良い流れで前半を終えたと思えたが、後半開始早々に痛恨のミスが出てしまう。S東京ベイのキックオフのボールをキャッチした山中選手のキックが、風に乗り、そのままデッドボールラインを越えてしまい、蹴った位置からの相手ボールのスクラムに。そこからFWを交えた縦への鋭い連続攻撃を仕掛けられ、トライを奪われる。ゴールキックも決まり、19−17と2点差に。その3分後の6分、神戸Sが、9分には、S東京ベイがそれぞれトライを決め、26−22で迎えた12分、神戸Sは、S東京陣ゴール中央25mで反則を得ると、迷わずショットを選択し、PGを決めて7点差とする。さらにリードを広げたいところだったが、ミスや反則が出て、トライを取り切ることができない。逆に25分、ハーフウェイライン付近のマイボールラインアウトから攻撃を重ね、S東京ベイのディフェンスを崩したタイミングで左へ展開したパスが、相手にインターセプトされトライを奪われてしまう。ゴールキックも決まり、29−29とゲームは振り出しに。直後のクルーデン選手のキックオフを、長身のアンダーソン選手がキャッチし、アタックを展開するも、相手の激しいプレッシャーに反則を犯してしまう。規律を守り、自分たちの流れを生み出したいところだったが、30分、相手キックを競りに行った際の立ち位置が反則となり、PGで加点を許し、29−32に。すると、33分、S東京ベイ陣10mライン中央で、今度は相手が倒れこみの反則を犯す。ここで李選手が落ち着いてPGを決め、再び同点に。ここから畳み掛けたいところだったが、S東京ベイのキックオフから攻撃を展開しようと、井関選手がボールを持ち込んだところで相手に絡まれ、反則を取られてしまう。PGで加点され、32−35に。残り時間はあとわずか。クルーデン選手が深く蹴り込んだキックオフを相手がキャッチし、テリトリーを獲得しようと蹴ったキックに対して「相手を自陣に釘付けにしたかった」という日和佐選手が気迫のチャージを見せる。3点を追う神戸Sは、37分、S東京ベイ陣22mライン付近でマイボールラインアウトのチャンスを掴み、攻撃を仕掛けるも、ボールを奪われてしまう。そこから相手がキックでボールを蹴出し、神戸陣22mライン付近でマイボールラインアウト。なんとかキープして、敵陣へと入りたいところだったが、またしても反則が出てしまう。万事休す…。40分、スクラムからボールを展開されて、トライを献上し、32−40で敗戦となってしまった。

ディロンヘッドコーチは「カンバーランドコーチが急逝し、チーム内に衝撃が走りました。難しい状況の中でも、試合に向けてやるべきことをやって努力した選手を誇りに思います」と、選手を労った。ゲームキャプテンを務めた橋本(皓)選手は「常に勝利を目指して戦っていますが、この試合はなんとしても勝ちたかったです。戦う姿勢を見せることはできましたが、カンバーランドコーチに勝利を届けたかった」と、肩を落とした。前節に続き、リードを守り切れず、悔しい逆転負けという結果に、「勝負どころでミスや反則が出てしまった」と、橋本(皓)選手は反省を口にする。ただ、敗れはしたが、「山田、池永といった若い選手がファーストキャップを獲得し、タイトな試合を経験できたことは、今後チームにとってプラスになる」とベテランの日和佐選手は話す。また、山下(裕)選手は、「スクラムだけで見たら良かった。しっかりプレッシャーをかけて反則も取ることができましたから」と振り返った。試合後の円陣で橋本(皓)選手は「残り2試合、神戸のプライドを賭けて戦おう」と檄を飛ばした。トップリーグと同様に、「リーグワンでも初代チャンピオンを」という目標は叶えることはできなかったが、これからもチームの歴史は続く。まずは、2試合をしっかり勝ち切って、来シーズンへとつなげていきたい。きっと天国のカンバーランドコーチもそれを望んでいるに違いない。

〜次回のコベルコ神戸スティーラーズ・ホストゲーム〜 第15節 5/1(日)14:30 KICK OFF コベルコ神戸スティーラーズ vs 横浜キヤノンイーグルス @神戸総合運動公園ユニバー記念競技場

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