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試合後のコメント

4月16日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」第13節vs埼玉パナソニックワイルドナイツ 試合レポート

 取材日:2022年4月16日

4月16日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」第13節vs埼玉パナソニックワイルドナイツ 試合レポート

勝負どころでミスや反則が出て勝利を失うも、勝ち点「1」をもぎ取る。

4月16日(土)7位のコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)は、熊谷スポーツ文化公園ラグビー場にて、現在10連勝中で2位の埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)と対戦した。上位4チームによるプレーオフトーナメント進出に向けて、負けることは許されないという状況で、前回の対戦では終盤に3トライを奪われて37−41で逆転負けを喫した相手との一戦だ。燃えないわけがない。ゲームキャプテンを任された橋本(皓)選手は「第4節では悔しい思いをしたので、それを今節でぶつけたい」と意気込んだ。ディロンヘッドコーチは「気持ちは非常に高まっています。埼玉WKは一人一人の能力が高いチーム。勝利するには、全員がチャレンジーとして相手に向かっていってベストパフォーマンスを発揮することが必要です。第4節では不用意な反則があったので、規律を守って戦わないといけない」と述べた。ミスや反則を減らして、自分たちのラグビーを80分間、いかに精度高くやり続けることができるのか。そこが勝敗のポイントなる。また、今節はチームに再加入した元ニュージーランド代表の万能バックス、スミス選手がリザーブに入った。

会場は埼玉WKのチームカラーである青に染まり、完全なるアウェーの雰囲気だが、関東や関西方面から駆けつけてくれたファンの皆様のためにも、良い試合をして勝利を届けたいところ。風下に立つ前半は、我慢の40分となった。相手キックオフではじまった試合は、いきなり自陣22mライン付近で反則を犯してしまい、埼玉WKに先制のPGを許す。さらに、8分、相手ボールスクラムでの反則からゴール前ラインアウトとなり、トライを献上。風下ということもあり、神戸Sは自陣から積極的にボールを回して攻撃を仕掛けるも、ミスや反則が出て、敵陣へとなかなか入ることができずに苦しい展開が続く。16分には、相手キックが「50:22」の好プレーとなり、ゴール前での攻防となる。埼玉WKの攻撃を懸命なディフェンスでしのぎ、相手の反則を誘うと、ここから神戸Sが攻撃を開始。細かくパスをつないで連続攻撃を仕掛けてゲインラインを越える場面があり、徐々に敵陣でプレーする時間が増えてきた。待望のトライは、27分。ゴール前ラインアウトからモールを形成し止まったところで中嶋選手からクルーデン選手へと回し、最後はラストパスを受けたモエアキオラ選手がトライをマークする。31分、埼玉WKのキックオフをキャッチし、そこから攻撃を継続するも反則を取られて、PGで加点されるが、神戸Sのキックオフから相手がテリトリーを獲得しようと蹴ったキックがデッドボールラインをそのまま越えて、埼玉WK陣10mライン付近で神戸Sボールのスクラムに。神戸SはFW・BK一体となった攻撃を見せるも、クルーデン選手が蹴ったキックはインゴールで抑えることができず。トライにはならなかったが、神戸らしいアタックにスタンドは湧き上がる。さらに見せ場は続く。ドロップアウトをキャッチしたモエアキオラ選手に、オーストラリア代表34キャップを誇る埼玉WKの大型WTB、コロインベテ選手のタックルが突き刺さると、再びスタンドがどよめく。この直後、10mライン付近から神戸ボールスクラムからブラインドサイドに展開。中嶋選手からパスを受けたモエアキオラ選手に再びコロインベテ選手が襲いかかる。日本代表復帰を目指す若き才能と世界的プレーヤーは見応えある攻防を繰り広げた。その後、埼玉WKに反則が重なり、39分、神戸Sは、ゴール前ラインアウトからモールを押し込んで、有田選手がトライを決める。クルーデン選手のゴールキックは惜しくも失敗に終わるも、10−11で風下の前半を1点差で折り返した。

ディロンヘッドコーチはハーフタイムに「埼玉WKはキックリターンからのスコアが多いので、キックの使い方を工夫しながら、風の力を借りてキックをうまく使っていこう」と告げた。勝負の後半は、神戸Sのキックオフではじまった。4分、埼玉WK陣22mライン付近のマイボールスクラムからBKへと展開すると、アム選手、クルーデン選手とつなぎ、最後はモエアキオラ選手が、コロインベテ選手を弾き飛ばしてインゴールへとダイブし、逆転のトライをマークする。ゴールキックも決まり、17−11に。神戸Sは、風を味方につけると、山下(楽)選手のキックが「50:22」となり、埼玉WK陣22mライン付近でマイボールラインアウトのチャンスとなる。しかし、有田選手が放ったボールはジャンパーの頭上を越えて、相手に奪われてしまう。その後、反則が重なり、11分、ハーフウェイライン付近の埼玉WKボールのラインアウトからBKへボールを展開されると、ディフェンスを崩されて、トライを献上。ゴールキックも決まり、17−18と再び追いかける展開に。フレッシュレッグスが投入され、勢いを増す埼玉WKを前に、なかなか反撃の糸口が見えない中で、山中選手がボールを持っていない選手へタックルをしてしまいシンビンになると、そこから19分、24分と立て続けにトライを奪われて17−30とリードを広げられてしまう。なんとか追いつきたい神戸Sは、相手の反則から敵陣へと入ると、28分、ゴール前ラインアウトから力強くモールを押し込んで、中嶋選手に代わった日和佐選手が右端へグラウンディング。難しい角度のゴールキックをクルーデン選手が沈めて、24−30と6点差に迫る。残り10分の攻防。精度高く戦いたいところだったが、ミスや反則が続き、自陣でのプレーを余儀なくされる。35分、22mライン付近の埼玉WKボールスクラムからキックパスから中央にトライを決められ、24−37と再び13点差に。厳しい状況となったが、気迫のプレーを見せる神戸Sは、相手の反則にタップキックから速攻を仕掛ける。相手はたまらず反則を重ねると、42分、ゴール前ラインアウトを起点に、山下(楽)選手がトライをマークし37−29に。クルーデン選手がゴールキックを決め、37−31とし、勝ち点1をもぎ取った。

ディロンヘッドコーチは「最後の最後に得点しボーナスポイントを獲得しましたが、勝ち切るために、この試合に臨みましたので、心の痛む結果になりました」と述べた。橋本(皓)選手は「自分たちのミスや反則でチャンスを手放したことが悔やまれる」と言葉を絞り出した。コロインベテ選手とマッチアップし観客を沸かせたモエアキオラ選手も「規律を守れなかったことが、この結果になってしまった」と反省を述べた。「80分間、精度高く神戸のラグビーを」と臨んだ一戦だったが、要所で規律を守ることができず、埼玉WKはそこを見逃さずに得点に変えた。スミス選手は「高いレベルでの戦いになると、実力の差というよりも、規律をどれだけ守れるかが勝敗の分かれ目になってきます。埼玉WKは、反則やミスから得たチャンスを逃さなかった。ただ、規律の部分は修正することができますし、時間がかかるものではありません。なぜ、ミスや反則が起きたのか、しっかりと向き合って、問題を解決していきたい」と前を向いた。

今節の結果で、現在4位の横浜キヤノンイーグルスとの勝ち点差は「14」となり、プレーオフトーナメント進出はかなり難しい状況となったと言わざるを得ない。ディロンヘッドコーチは「コロナ陽性者が出て、2試合不戦敗となってしまったことが大きいですが、どのチームも同じルールに則ってリーグ戦を戦っています。非常に残念な結果になりましたが、残り3試合に向けてやるべきことをやり、勝利を目指します」と決意を述べた。まだ今シーズンの戦いは終わったわけではない。神戸を代表するチームとしてプライドを持って最後の最後までリーグワンを戦い抜く。

〜次回のコベルコ神戸スティーラーズ・ホストゲーム〜 第15節 5/1(日)14:30 KICK OFF コベルコ神戸スティーラーズ vs 横浜キヤノンイーグルス @神戸総合運動公園ユニバー記念競技場

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https://kobesteelers.tstar.jp

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