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試合後のコメント

3月12日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」第9節vsリコーブラックラムズ東京 試合レポート

 取材日:2022年3月12日

3月12日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」第9節vsリコーブラックラムズ東京 試合レポート

第4節以来のホストゲーム。地元・神戸でアタッキングラグビーを炸裂させ、今季最多の56点をマーク

新型コロナウイルス感染者が出た影響もあり、自分たちのラグビーを体現することができずに、前節の東京サントリーサンゴリアス戦では思わぬ大敗を喫したコベルコ神戸スティーラーズ。今節は、1月29日に開催された第4節以来の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場での試合となる。地元のファンの前で強い神戸スティーラーズを見せようとチーム一丸となって戦いに臨んだ。第9節で対戦するのは、リコーブラックラムズ東京(BR東京)だ。試合前にディロンヘッドコーチは「BR東京は攻撃力の高いチームで、特にスタンドオフのアイザック・ルーカス選手は警戒すべきプレーヤーです。相手に攻撃をさせずにボールを保持し続けることがポイントになります。激しいディフェンスで相手からボールを奪い、我々がボールを持てば前に出続けてトライラインを超える。神戸らしいラグビーをお見せしたい」と意気込みを語っていた。

BR東京のキックオフではじまった試合は、エリア獲得を狙ったキックがダイレクトタッチになり、そこから自陣でのプレーを余儀なくされるが、相手の攻撃を止めて、ミスを誘う。3分には、自陣からボールを継続すると、神戸出身の李選手がラインブレイクし、キックを蹴って敵陣深くに入る。ボールをキープし続けて攻撃し、チャンスを伺う神戸Sは、10分、オフサイドの反則でペナルティーキックをタッチに出すと、ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、有田選手がトライをマークする。前節では、先制のトライを決めてから流れが変わったこともあり、油断は禁物だ。「地元のファンに勝利を届けよう」と集中力高くプレーする神戸Sは、17分、BR東京陣10mライン付近のマイボールラインアウトからFB・BK一体となった攻撃を展開し、最後はクルーデン選手から飛ばしパスを受けた山下(楽)選手がディフェンスの背後にキックしたボールをバックマン選手がインゴールで押さえ込む。クルーデン選手のゴールキックも決まり、14−0とリードを広げる。しかし、直後のキックオフのボールを確保した神戸Sは自陣から積極的にボールを動かし攻撃を仕掛けるが、ハンドリングエラーが出て、攻守が入れ替わると、さらに反則が出てしまう。23分、神戸陣22mライン付近のBR東京ボールスクラムからバックスにボールを展開され、トライを献上。ゴールキックも決まり、14-7となる。だが、この失点をきっかけにギアが一段上がる。29分、BR東京陣ゴール前でのマイボールスクラムから中嶋選手がパスアウトしたボールを李選手が受けると、クルーデン選手へと回し、そのままトライをマークする。勢いに乗る神戸Sは、自陣深くから山下(楽)選手が蹴り出したキックがBR東京陣22mライン内へバウンドしてタッチへ。このキックは新ルール「50:22」が適用され、神戸ボールラインアウトのチャンスを生む。ラインアウトからサインプレーを用いて前に出ると、ゴール前のラックからバックスへと展開し、最後はクルーデン選手からパスを受けたバックマン選手がディフェンスの壁をこじ開け、インゴールへ。前半終了間際にも、BR東京のインゴールドロップアウトのキックをキャッチした李選手がカウンターアタックを仕掛け、22mライン付近のラックから中嶋選手、クルーデン選手、山下(楽)選手へとパスをつないで、山下(楽)選手がラインブレイクし、最後は内側へサポートしていたクルーデン選手へリターンパスしトライをマークする。ゴールキックも決まり、35−7で前半を折り返した。

後半は、随所で好プレーを見せていたクルーデン選手からラファエレ選手に代わり、李選手がスタンドオフに入った。前半のラスト10分で怒涛の3トライをマークした神戸Sは、この勢いのままスコアを重ねたい。後半最初の得点は、14分。BR東京陣ゴール前10m付近の相手ボールのミスボールを中嶋選手から代わった日和佐選手が拾い上げると、すぐさま攻撃に転じ、パスをつないで、最後はラファエレ選手からオフロードパスを受けた中島選手がインゴールへ飛び込む。李選手のゴールキックも決まり、42−7とする。その後、アイザック・ルーカス選手に李選手が鋭いタックルをお見舞いする場面もあったが、23分、26分と、相手のキーマンであるルーカス選手に突破を許し、個人技から立て続けにトライを奪われてしまう。もうこれ以上、得点を許さない。フレッシュレッグが投入され、チームにエナジーを与える。フロントローが全員入れ替わった28分のマイボールスクラムではプレッシャーをかけて、相手の反則を奪う。33分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込むと、崩れたところでモエアキオラ選手がボールを拾い上げて、ラックを形成し、最後は日和佐選手からパスを受けた小瀧選手がトライを決める。さらに見せ場は続く。直後のキックオフからパスをつなぐと、モエアキオラ選手がビッグゲインし、一気にBR東京陣22mラインまで攻め込む。激しく攻守が入れ替わる中、最後の最後まで目が離せない展開となる。BR東京陣ゴール前10m付近でリコーボールのスクラムで神戸Sが反則を取られると、相手はクイックタップから速攻を仕掛ける。そこに今村選手から代わった”炎のタックラー”橋本(皓)選手がドミネートタックルを繰り出し、相手のボールを奪い取ると、最後は李選手の蹴ったキックパスを大外のモエアキオラ選手がキャッチしてトライをマーク。そこで試合終了を告げるホーンが。李選手のゴールキックも決まり、56−21で神戸Sが、地元・神戸で見事勝利を飾った。

ディロンヘッドコーチは「前節とは打って変わって良いラグビーをすることができました。東京SG戦の大敗から気持ちを切り替えて、この試合に向けて1週間フルに使って準備をし、それをきっちりグラウンドで出すことができて、地元のファンの前で勝利し嬉しく思います」と笑顔を見せた。プレイヤーオブザマッチに選ばれた李選手は「前節は連携のミスもありトライを奪われてしまいました。今週はチーム全員で話し合い、しっかりコミュニケーションを取って課題を修正し、ラインブレイカーであるアイザック・ルーカス選手に2トライを奪われましたが、前節から比べるとディフェンスの連携も良かったと思います」と手応えを感じている様子だった。また、トライにつながるキックパスについては「BR東京戦に向けて準備していたプレーです」とコメント。司令塔として攻撃を操り、前半に1トライと5本のゴールキックを決めたクルーデン選手は「BR東京という難しい相手に対し、勝利することができたことは自信になります」と力を込めた。

今節よりリーグワンは後半戦に入った。次節からは南アフリカ代表でラグビーワールドカップ2019日本大会の優勝メンバーであるCTBルカニョ・アム選手が出場可能だ。さらに、昨シーズン、ユーティリティバックスとして攻守で活躍した元オールブラックスのベン・スミス選手の復帰も発表された。巻き返しに向けて臨戦態勢は整った。李選手は「この勝利をきっかけに、強い神戸スティーラーズを取り戻したい」と意気込んだ。残り7試合、コベルコ神戸スティーラーズは目の前の戦いに集中して1勝を積み重ねていき、1つずつ順位を上げていく。

〜次回のコベルコ神戸スティーラーズ・ホストゲーム〜 第10節 3/27(日)12:00 KICK OFF コベルコ神戸スティーラーズ vs 東芝ブレイブルーパス東京 @東大阪市花園ラグビー場

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https://kobesteelers.tstar.jp

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