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試合後のコメント

1月22日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」第3節vsクボタスピアーズ船橋・東京ベイ 試合レポート

 取材日:2022年1月22日

1月22日(土)「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」第3節vsクボタスピアーズ船橋・東京ベイ 試合レポート

タフな1週間を乗り越えて掴んだリーグワン初勝利!ここから巻き返しを図る!

開幕2連敗中のコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)は、昨シーズンのトップリーグ準々決勝で悔しい負けを喫したクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)と対戦した。前節を終えた後のミーティングで「チャレンジャーとして戦っていこう」と気持ちをひとつにした選手たちは、ホームスタジアムであるノエビアスタジアム神戸へ。海底火山の大規模噴火と津波によって被災したトンガ王国に向けての黙祷が行われた後、クルーデン選手のキックオフで試合がはじまった。開始早々、神戸Sはチャンスを掴む。ハーフライン付近のマイボールラインアウトからバックマン選手が大きくゲインを切ると、ボールをつないでゴール前へ。相手に絡まれて反則を取られるも、ペナルティキックを蹴り出した後のS東京ベイボールのラインアウトがノットストレートとなり、神戸陣10mライン付近でマイボールスクラムに。ここでS東京ベイに反則があり、神戸Sはペナルティキックで敵陣へ。6分、ゴール前ラインアウトから粘り強く攻撃を継続し、最後は張選手がトライをマークする。ゴールキックも決まり、7-0。幸先の良い滑り出しとなるも、11分、神戸陣10mライン付近のS東京ベイボールのラインアウトからNo.8に防御を破られると、左右に攻撃を展開され、トライを献上する。その後、攻め込まれる時間が続くが、前節からディフェンスを修正してきたという神戸Sは固い防御でゴールラインを死守する。相手が立て続けに反則を犯し、ピンチを脱すると、逆にクルーデン選手が相手のキックをチャージしてボールを奪うと、一気に相手陣22mライン付近まで攻め込む。ここは相手にボールを奪われるも、ファイト溢れる好プレーはチームに勢いを与える。32分、相手のキックを自陣10mライン付近でキャッチしたモエアキオラ選手がスペースを見て、ボールを蹴り出す。このキックは新ルール「50:22」が適用され、S東京ベイ陣22mライン付近で神戸ボールのラインアウトに。そこからサインプレーで相手の防御を崩して、左へと展開するとラファエレ選手からラストパスを受けた山下(楽)選手が内側へと切れ込み、トライをマークする。ゴールキックも決まり、14−5に。前半終了間際、S東京ベイにPGで加点されるが、14−8とリードして折り返した。

相手キックオフではじまった後半。相手PRからタックルを受けて反則を犯すと、3分、PGを与えて、14−11になり、じわりじわりと差を詰められる。ブレイクダウンで圧力を受け、ターンオーバーを許すが、6分、相手のキックをラファエレ選手がうまくキャッチすると、カウンターを仕掛けて、FW・BK一体となった攻撃で最後は山下(楽)選手がディフェンスをかわしてトライを決める。19−11とリードを広げるも、12分、自陣10m付近で反則を犯してしまうと、S東京ベイはすかさずショットを選択する。PGで追加得点を許し、19−14に。PGで得点を刻んでくる中で、自陣での反則は命取りになりかねない。そこで、キックを蹴った相手への山下(楽)選手のチャージがレイトタックルの反則となり、自陣ゴール前でのS東京ベイボールのラインアウトというピンチに。ベテランの山下(裕)選手が「エナジーを出せ!」と檄を飛ばす。モールを押し込まれゴールラインに迫られるも、崩れたところで、山下(楽)選手がボールに絡んで反則を誘うプレーでピンチを脱する。勢いをつけた神戸Sは、20分、PGで追加得点すると、27分、山下(楽)選手のタックルから相手の反則を得て、ゴール前ラインアウトのチャンス。外に展開し、最後はクルーデン選手のキックパスを、モエアキオラ選手から代わった井関選手がキャッチし、ディフェンスにつかまりながらも、前進してトライ。27−14とリードを広げた。しかし、ここから我慢の時間が続く。33分には、自陣ゴール前で反則を犯すと、S東京ベイにタップキックから速攻を仕掛けられ、中央にトライを奪われ27−19に。ここで経験豊富なクルーデン選手が動く。ゴールキックをチャージし、ボールを叩き落とした。このビックプレーに橋本(大)キャプテンは「アンカーグループの1人として勝利への執念を体現してくれました。ゴールキックが決まれば6点差になり、あのチャージがなかったら負けていたかもしれません。試合を決める大事なプレーになりました」と、振り返る。40分にはPGを決められ、27−22とされるも、ホーンが鳴りノーサイド。神戸Sは開幕3戦目にしてようやくリーグワン初勝利を掴んだ。

思い返せばタフな1週間だった。15日に行われた第2節で横浜キヤノンイーグルスに大敗。試合後、トンガの海底火山の噴火の知らせが入った。17日は、阪神・淡路大震災の発生日だ。

「神戸が震災を乗り越えてきたように、僕らも2連敗から復活し、本来の姿を地元の方々の前で見せなくてはいけないと思いました。そして、チームにはトンガ出身の選手が3人います。彼らが家族と連絡がつかず不安な中でもチームにコミットしてくれました。いろいろなことがあった1週間ですが、逆にチーム一丸となれた1週間になりました」と橋本(大)キャプテンは話す。2トライを挙げマンオブザマッチに選ばれた山下(楽)選手は「トンガ出身の3選手が、母国が大変な状況の中で落ち込んでいる表情を見せずに頑張っている姿を見て、僕らが頑張らないといけないという気持ちになりました」と奮起したという。苦しみながら得た価値ある1勝に、ディロンヘッドコーチは「ようやく本来の姿を見せることができ、選手、コーチを誇りに思います」と笑顔を見せた。もちろん、完璧な内容だったわけではない。反則数「19」、被ターンオーバー「8」と、課題は多い。特にブレイクダウンの修正は急務だろう。しかし、2018シーズン以来、連敗を喫したことがない神戸Sは、初めて大きな壁にぶつかり、「変わらないといけない」と自分たちで試練を乗り越えた。次節は、昨シーズンの覇者・埼玉パナソニックワイルドナイツとの対戦だ。チャレンジャーとしてひたむきに食らいつき、神戸ファンの前で勝利をもぎ取ってくれるはずだ。

〜次回のコベルコ神戸スティーラーズ・ホストゲーム〜 第4節 1/29(土)14:30 KICK OFF コベルコ神戸スティーラーズ vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ @神戸総合運動公園ユニバー記念競技場

チケット購入はこちら(試合終了まで購入可能)!

https://kobesteelers.tstar.jp

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