取材日:2019年8月4日
ジャパンラグビートップリーグカップ2019トーナメント準決勝vsサントリーサンゴリアス戦のコメント
相手はチャレンジャーとして向かってくる。それを受けるのではなく、気持ちで上回り、どれだけ自分たちのラグビーをやり続けることができるのか。強豪・サントリーサンゴリアスとの一戦を前に、どの選手も同じ言葉を口にした。トップリーグチャンピオンのプライドをかけて、コベルコスティーラーズは準決勝の舞台に臨んだ。
試合は直前にスタンドオフがパーカー選手からエリス選手に変更するというアクシデントに見舞われたが、コベルコスティーラーズは序盤から積極的にアタックを仕掛ける。相手にPGで先制を許した後、16分、待望のトライが生まれる。サントリー陣22mライン付近の相手ボールスクラムで反則を誘ったコベルコスティーラーズはペナルティキックを得てラインアウトを選択。ラックでFWが前進を図った後にBKへと展開し、最後は井関選手が今シーズン公式戦初トライをマークする。さらに、直後のサントリーのキックオフが直接タッチラインを割り、神戸ボールのセンタースクラムに。バックスへと展開した後、エリス選手の絶妙なキックパスをアンダーソン選手がタッチライン際でタップすると、サポートしていた橋本(大)選手がキャッチしてタックルを受けながらインゴールまで走り切り追加得点を奪う。25分にターンオーバーからトライを許すが、取られたら取り返すとばかりにその3分後、サントリー陣ゴール前ラインアウトからモールを押し込み有田選手がトライを決める。キックを使いながら相手陣内で試合を進めるコベルコスティーラーズは、前半終了間際にもゴール前ラインアウトからモールを押し込んでトライを奪い、24-11で折り返した。
サントリーのキックオフではじまった後半、いきなりミスが出てしまう。さらに相手ボールスクラムで反則を取られると、自陣22mライン付近でサントリーボールラインアウトのピンチを迎える。FWが必死にディフェンスをするが、そのまま一気にモールを押し込まれトライを献上。ゴールキックも決まり、24-16と差を詰められる。その後は互いにミスが目立ち、中盤でのプレーが続く。そして、19分、自陣22mライン付近のサントリーボールラインアウトからBKに素早く展開されると、アーウォン選手が矢のようなスピードでタックルに入り相手をひっくり返す。しかし、これが危険なプレーとみなされイエローカードが出される。サントリーのPGが決まり、24-19と5点差に。しかし、ここで選手たちは落ち着いていた。自分たちのやるべきことは何か。互いに確認し合う。自分たちの攻撃をし続けようと、平島選手から代わった山﨑選手がFWらしからぬスピードでラインブレイクし、14人とは思えない攻撃を見せる。21分、PGで加点し、27-19と再び8点差に。その後も相手に得点を許さない。再び15人となったコベルコスティーラーズは、36分、アンダーソン選手がトライを決める。39分、インターセプトからトライを奪われるが、サントリーの反撃もここまで。ミスがありながらも、終始攻めの姿勢を崩さなかったコベルコスティーラーズが32-26でサントリーサンゴリアスを下し、決勝進出を決めた。
試合後、ディロンヘッドコーチは「サントリーは最後の最後まで集中力を切らさずアタックしてきましたが、選手たちが終始落ち着いてプレーし勝ちを物にすることができました。この試合に向けていい準備をした選手、スタッフを誇りに思います」と笑顔を見せた。カップ戦初の戴冠まで、マジック「1」。「この大会で頂点に立つことだけを考えて春からトレーニングを積んできました。目標達成まであと一歩のところまで来ています」と、ディロンヘッドコーチ。決勝戦の相手は、昨シーズンのカップ戦で22-24と僅差で敗れたクボタスピアーズだ。カップ戦の借りはカップ戦で返す。2019年最後の公式戦を勝利で締めくくるべくコベルコスティーラーズは、8月10日(日)花園ラグビー場で最高のパフォーマンスを披露する。
アンドリュー・エリスキャプテン、橋本大輝選手、井関信介選手、山下裕史選手のコメントです。
SH
アンドリュー・エリス キャプテン
FL
橋本大輝 選手
WTB
井関信介 選手
PR
山下裕史 選手
「JJ(ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチ)にはパシフィックネーションズカップのメンバーから外れた時点で、所属チームの試合に出場させてほしいと話していました。それをJJが認めてくれて、神戸の首脳陣も僕のことを必要としてくれました。金曜まで日本代表の合宿が福岡であったので、チームに合流したのは土曜日の朝のキャプテンズランからです。サンウルブズでの試合以来の久しぶりの実戦、しかも、準決勝という大舞台。負ければ終わりというプレッシャーがある中で途中出場し、ゲームを楽しむことができました。決勝も出場のチャンスがあればチームの勝利に貢献できるよう頑張ります!」