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試合後のコメント

ジャパンラグビートップリーグカップ2019第5節vs NECグリーンロケッツ戦のコメント

 取材日:2019年7月19日

ジャパンラグビートップリーグカップ2019第5節vs NECグリーンロケッツ戦のコメント

これまでプール戦全勝のコベルコスティーラーズと1敗を喫しているとはいえこの試合に勝てば準決勝進出の可能性があるNECグリーンロケッツとの一戦は、激しい雨が降る中で予想に違わぬ白熱したゲームになった。事実、ディロンヘッドコーチも終了後「タフな試合だった」と疲弊した表情でもらすほど。

試合は公式戦では初めて10番をつけて出場するエリス選手のキックオフでスタート。序盤は両チームともにボールが手につかずミスで思うような攻撃が継続できずに一進一退を繰り返す。スコアが動いたのは12分。井関選手のビッグゲインからチャンスを作るとパスをつないで最後は山下(楽)選手が左中間へと飛び込む。神戸らしいトライに観客から大きな歓声が湧き上がる。山下(楽)選手のゴールキックも成功し、7-0。ここで相手BKにシンビンが出て、コベルコスティーラーズはさらに攻勢をかける。16分、NEC陣ゴール前の相手ボールスクラムを押し込んでターンオーバーすると、すぐさま日和佐選手がパスアウトし、エリス選手が左端の山下(楽)選手へとつなぎトライを決める。立て続けにスコアし、コベルコスティーラーズがリズムを掴むかに思えたが、相手からのプレッシャーと雨という悪条件が重なりミスを連発する。26分、自陣22mライン付近の相手ボールラインアウトからモールを押し込まれてトライを許すと、34分にも自陣ゴール前のラインアウトからモールでトライを献上。前半終了間際、コベルコスティーラーズはNEC陣ゴール前のラインアウトから連続攻撃を仕掛けて最後にナエアタ選手がトライラインを割ったかに思えたが、グラウンディングができておらずノートライに。14-14と同点で前半を折り返した。

後半の立ち上がりもミスが出て、フラストレーションが溜まる展開が続く。相手キックを自陣ゴール前でノックオンし、ピンチを迎えるとトライラインを背負っての防御の時間が続く。必死のディフェンスで攻撃をしのぐが、11分、ゴール前スクラムを押し込まれて逆転のトライを決められてしまう。神戸のラグビーをやるために自分たちの仕事を全うしよう。円陣でエリス選手が発破をかける。この言葉でギアが上がる。ここからコベルコスティーラーズが怒涛の攻撃を仕掛ける。12分、キックオフをマイボールにするとフェイズを重ねて最後はアーウォン選手がインゴールへ。ゴールキックは失敗に終わり、19-21。その5分後には、NEC陣ゴール前ラインアウトから用意したサインプレーを仕掛けてマクカラン選手が抜け出し、逆転のトライ。攻撃の手を緩めないコベルコスティーラーズは一気に畳み掛ける。 24分、NEC陣ゴール前スクラムからBKへと展開し、最後はナエアタ選手がインゴールへ。さらに31分、有田選手が、34分、バイフ選手がだめ押しのトライをマークする。NECも意地を見せ、試合終了間際にトライを決めるが、47-26でノーサイド。コベルコスティーラーズは雨中の激戦を制して、プールD組全勝で準決勝進出を決めた。

試合後、ディロンヘッドコーチは「前半序盤からNECのプレッシャーに押されて苦しい試合展開になりましたが、ハーフタイムもポジティブな言葉が飛び交っていました。そこでコーチ陣からどんなオプションを使うべきなのか指示が出て、選手がグラウンドで体現してくれました。2週続けて悪天候での試合になりましたが、自分たちのラグビースタイルを崩すことなくプレーし多くのトライをマークした選手たちを誇りに思います」とまとめた。準決勝は8月4日(日)ヤンマーフィールド長居にてサントリーサンゴリアスと激突する。「我々はまだまだ成長できる。すべての精度を高めてサントリー戦に臨みます」とディロンヘッドコーチ。プール戦で見えた課題を修正し、コベルコスティーラーズは昨シーズン達成できなかった二冠に向けて勝ち上がっていく。

アンドリュー・エリスキャプテン、有田隆平選手、ブロディ・マクカラン選手のコメントです。

SH

アンドリュー・エリス キャプテン

「今日は準々決勝だと思って戦おうと話していました。NECは今シーズン戦った中でもっとも手強い相手でしたし、大雨かつ蒸し暑い状況でプレーするのは非常に困難でした。リードされた場面もありましたが、『神戸のラグビーをする』というマインドセットを持って戦い勝利できたことを嬉しく思います。これまでの戦いと同様にこの試合でもたくさんの課題が出ました。準決勝に向けて少しレストを取り、良いコンディションでグラウンドに戻って自分たちのラグビーの精度をさらに高めていきたいと思います。ファンの皆様が楽しみなように、我々もサントリーとの一戦が待ち遠しいです。ファンの方々のために、会社のために、OBのために、最高の準備をして準決勝に臨みます!」

HO

有田隆平 選手

「今年最初で最後の神戸開催試合です。地元ファンの皆様の前で神戸のラグビーをご覧いただこうと思っていたのですが、相手も準決勝進出の可能性がある中で序盤から強いプレッシャーをかけてきました。そこで自分たちらしいプレーがなかなかできなくて、難しい試合にしてしまいました。特に前半はミスや反則が続き、皆、フラストレーションを感じていたと思います。常に自分たちのラグビーをしようと声をかけ合っていたのですが、後半リードされた後、すぐに取り返すことができたことが大きかった。そこからチームに勢いがつき、自分たちのラグビーができるようになりました。後半17分のブロディ(・マクカラン)のトライはサインプレーから生まれたものです。うまくはまって会心のトライになりました。セットプレー、モールディフェンスなど、まだまだ良くしていかないといけないところはありますが、準決勝に向けてしっかり修正していきたいと思います」 

FL

ブロディ・マクカラン 選手

(マンオブザマッチ受賞)

「公式戦で初めてトライを取りました。また、マンオブザマッチも初めて受賞し、嬉しく思います。しかしマンオブザマッチは僕だけの力ではありません。80分間通してFW全員が激しくファイトしました。FW全員で取った賞です。試合内容については、今日は準々決勝と思って戦おうと話していました。ただ、相手も勝てば準決勝進出の可能性がある中で、とても気持ちが入ったプレーをしてきました。そこで前節のマツダ戦では止めることができたラインアウトモールから2トライを奪われてしまってクロスゲームにしてしまいました。この部分は再度修正しないといけません。相手にリードされた場面もありましたが、チームはパニックにならず終始落ち着いていました。そして神戸のラグビーをやろうと原点に戻り、苦しい試合をものにすることができました。準決勝はサントリーと対戦することになりましたが、相手がどこであれ自分たちのラグビーをやり切るだけです。サントリーはいい選手がそろっていますが、勝つ自信はあります!全員で良い準備をして準決勝を戦います!」

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