取材日:2018年12月8日
トップリーグ総合順位決定トーナメント兼日本ラグビーフットボール選手権大会準決勝vsトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦のコメント
トップリーグ総合順位決定トーナメント1回戦でリコーブラックラムズに勝利したコベルコスティーラーズは、準決勝で、リーグ戦で引き分けに終わったトヨタ自動車ヴェルブリッツと対戦した。
ゲームキャプテンを務める橋本(大)選手は「前回の対戦では、相手からプレッシャーを受け、自分たちのラグビーができずに終わってしまいました。また、ペナルティーが多く出て、規律を守ることができなかったという反省点もあります。トヨタ自動車はフィジカルが強いチームです。フィジカルバトルに勝って、自分たちのボールを動かすラグビーをやり切りたい。セットプレー、特にスクラムがポイントになってくると思いますので、負けないようにしたい」と、抱負を述べた。また、この試合は、重選手が12番をつけて出場することとなった。
ディロンヘッドコーチは「リコー戦で負傷した山中に代わってグラウンドに入った重がCTBで良い動きをしました。彼にはフィジカルの強さをいかしたボールキャリーやタックルに期待している」と、コメント。重選手も「トップリーグでは今シーズン初めてのスタメン出場です。フィジカルを前面に出してアタック、ディフェンスともに圧倒できるように頑張ります!」と、力強く宣言した。
トヨタのキックオフではじまった試合は、神戸陣22mライン付近でボールを奪われると、いきなりピンチを迎える。ゴールラインを背負いながら、防御の時間が続く。自陣での再三のピンチを粘り強いディフェンスで凌ぐが、6分、神戸陣22mライン付近中央でハイタックルの反則を犯してしまい、PGで先制を許す。しかし、ここからコベルコスティーラーズがギアを上げる。10分、トヨタ陣22mライン付近でのマイボールスクラムから左へと展開すると、ラストパスを受けたハッティング選手がインゴールへ。その後もトヨタ陣でアタックを仕掛けるコベルコスティーラーズは、25分、ハーフウェイライン付近のマイボールスクラムからテンポよくボールを繋ぎ、カーター選手がトライ。ゴールキックも決まり、12-3とリードを広げる。30分にPGで追加得点をされるが、35分、38分と2本のPGを決め、18-6で前半を折り返した。コベルコスティーラーズのキックオフで開始した後半、トヨタ陣22mライン付近でターンオーバーすると、フェイズを重ねて、ゴール前まで攻め込む。しかし、トヨタ自動車の堅守に阻まれ、ゴールラインを割ることができない。ハンドリングエラーや反則が出て、得点ができないまま時間は進み、逆に15分に、トヨタ自動車にトライを奪われる。さらに、その後のゴールキックも決まり、18-13と差を詰められてしまう。ここから互いにPGを2本ずつ決め、35分の時点で、24-19と5点差。前回の戦いでは、終了間際、トヨタ自動車にトライを奪われ、同点にされてしまったが、同じ轍は踏まないとばかりに、38分、トヨタ陣10mライン付近でターンオーバーすると、そこからパスをつなぎ、カーター選手がラインブレイク。最後は、カーター選手のキックしたボールに合わせたアンダーソン選手がインゴールで押さえ、試合を決めるトライをマークする。ゴールキックも決まって、31-19に。試合はそのままノーサイドを迎えた。
試合後の記者会見で、ディロンヘッドコーチは「前回の対戦では、最後の最後にやられてしまいましたが、今回は終盤にトライを決め、真逆の展開にすることができました」と安堵の表情を見せた後、「大一番を前にさまざまな対策を講じてきました。セットプレーもそのひとつです。今日の戦いに向けて、コーチ陣たちがフォワードをしっかりオーガナイズし、選手たちも良いパフォーマンスを発揮してくれたことが勝利につながったのだと思います」と、試合を振り返った。12月15日(土)、コベルコスティーラーズは決勝の舞台に立つ。「1回戦も、今日の試合も決勝に臨む気持ちで戦ってきました。いつもと変わりなく、良い準備をして、3回目の決勝に臨む」と、ディロンヘッドコーチ。ゲームキャプテンの橋本(大)選手は「チームを支えてくれたいろいろな人の思いを背負って決勝戦に臨みたいと思います。良い準備をして頂点に立ちたい!」と、決意を口にした。
2003-2004シーズンのトップリーグ初代王者の戴冠から15年、待望の優勝に向けて、コベルコスティーラーズは、昨季の覇者、サントリーサンゴリアスを迎え撃つ。
山下裕史選手、橋本大輝選手、張碩煥選手、ダン・カーター選手、重一生選手のコメントです。
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山下裕史 選手
「トヨタ自動車は、FWの選手が大きくて強い。また、南アフリカ出身の監督が指揮をしているということで、フィジカルを前面に出したラグビーをしてきます。FWがフィジカルバトルに負けてしまったら、流れは相手に傾くと思っていました。前半序盤、ゴール前ラインアウトからモールを押される場面が2度ありましたが、そこでトライをさせなかったことは大きなポイントになったと思います。もし、トライを取られていたら、そのままトヨタ自動車のペースになったかもしれません。また、スクラムも重要だと考えていました。そこで負けずに戦えたことも良かった。特に後半28分、相手ボールのスクラムで反則を取って、PGで得点できたこともチームにとって大きかった。リーグ戦では引き分けに終わったトヨタ自動車に勝利を収めることができ、嬉しく思います。決勝は、2012−2013シーズンの日本選手権大会以来です。個人的に優勝したことがないので、今回こそ優勝をしたい!決勝戦も熱い応援よろしくお願いします!」
FL
橋本大輝 選手
「予想通りタフな試合になりました。セットプレー、特にスクラムで相手に強みを出させなかったことが勝因の1つだと思います。後半35分、相手にPGを決められ、24−19とされた時には、自分たちのミスが重なって苦戦を強いられていたので、もう一度、自分たちのスタンダードに立ち返ろうと話しました。そこで修正することができ、終了間際にトライを取って、リーグ戦の決着をつけることができたことは、チームが成長した証だと思います。次は決勝戦となりますが、チームを支えてくれている多くの人たちの思いを背負って80分間、自分たちのラグビーをやり続け、優勝を手に入れたいと思います」
LO
張碩煥 選手
「トヨタ自動車はFWが強いので、FW戦で負けないようにしようと1週間取り組んできました。序盤、ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれましたが、トライをさせなかったですし、セットプレーも、1本マイボールスクラムで反則を取られましたが、それ以外は安定していたと思います。決勝戦でもFWはセットプレーで負けないようにしたい。そして、精度高く自分たちのラグビーをやり切って、優勝したいと思います」
SO
ダン・カーター 選手
「1回戦vsリコー戦が終わった後、チームに長く所属した選手からチームや会社の歴史を改めて教えてもらって、それを理解した上で準決勝に臨みました。トヨタ自動車という強豪との戦いに勝利し、決勝進出を決めることができ、エキサイティングな気持ちでいっぱいです。私自身のパフォーマンスについては、リコー戦から6日間と短い期間でしたが、良い準備ができ、キックも7本中6本決めることができましたし、トライも決めることができた。ただ、このトライに関しては、本当であれば、クーピー(アシュリークーパー)のトライになるところを、最後に私がボールを奪い取ったんです(笑)。また、今日は、FWの8人がいつも以上に良い仕事をしてくれたので、司令塔として、プレーがやりやすかった。FWに感謝したいと思います。1週間後、決勝戦が行われます。決勝は何が起きるかわかりません。チームには私を含め、優勝経験のある選手がたくさんいますので、彼らと一緒に仲間を引っ張っていき、良い準備をして戦いに臨みたいと思います」
CTB
重一生 選手
「DC(カーター)やクーピー(アシュリークーパー)がサポートしてくれたので、自分の仕事を全うすることができました。今日は、アタック、ディフェンスともに、今の自分ができることをすべてやり切ることができたと思います。ここまで来たら、優勝しかありません!勝ちにいきます!会場でぜひ大きな神戸コールをよろしくお願いします」