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-Long interview-

2022/06/14 | 取材日:2022年5月12日

退団選手インタビュー Part.11 平島 久照

平島 久照HISATERU HIRASHIMA

■1983年1月15日生まれ、熊本県熊本市出身

■熊本ラグビースクール→熊本西高校→福岡大学→コベルコ神戸スティーラーズ(2005年度)

⬛︎ポジション/プロップ

⬛︎2021−2022シーズンまでの公式戦出場回数/180

⬛︎代表歴/日本代表(42キャップ)

「1つの練習、1つの試合を大事にやってきました。
すべてが楽しかったですし、やり切りました!」
今の心境をお聞かせください。

「公式戦180試合に出場しましたし、やり切った!という気持ちです」

まだまだプレーできるように思います。

「そう言っていただけるとありがたいですね。練習も試合もやろうと思えばできるのですが、その後、疲れが取れなくなってきて…。翌日に思い通りのプレーができないなど、体力的にきつくなっていました。特にこの3シーズンはコロナの影響で自宅待機になることがあり、トレーニングができない時期があって、一度落ちたコンディションを取り戻すのが大変でした。それが顕著に出たのが今シーズンでした。 コンスタントに負荷の重いトレーニングし続けることができていればいいのですが、 一度途切れてしまうと、コンディションがガクンと落ちてしまいます。コロナ禍がなければ、もしかしたらまだ続けられていたかもしれないですが、いつ引退してもいいように、1つ1つの練習や1試合1試合を大事にやってきたので後悔はありません」

17シーズンも続けられると思っていましたか?

「まったく思っていなかったです(笑)。大学も強豪校ではありません。3年間頑張ってみて、通用しないようだったら社員として会社に残るか、退職して熊本に帰ろうと思っていました。それが、17年もプレーすることになるとは。1年1年の積み重ねていって、気がつけば17年間という長い間プレーすることになったという感じです」

改めて福岡からコベルコ神戸スティーラーズに入団した理由を教えてください。

「U19、U21日本代表に選ばれたこともあり、いくつかのチームから声をかけていただいていたのですが、最終的にスティーラーズの練習を見学させてもらった時に、細部にこだわりを持ってラグビーをしている感じがしました。そういうチームでプレーしたいと思い入団を決めました。実際にスティーラーズは、スクラムをはじめ、あらゆる面でこだわりのあるチームだと思います」

そういうこだわりのあるチームで、2011年シーズンにはキャプテンを務めたこともありました。

「そうですね。大学時代にもキャプテンをしたことがありますが、トップリーグチームのキャプテンは先輩も後輩もいてまた別物で、チームをまとめるリーダーシップを学べました。また、キャプテンの経験だけでなく、17年間の間には、多くの指導者の下で、いろいろなスタイルのラグビーをして、2018年シーズンには優勝を経験することができました。個人的には、カンビー(カンバーランドコーチ)からの指導のお陰で日本代表に入ることができ、ラグビーワールドカップにも出場できた。さまざまな経験を積ませてもらって、17年間を振り返って、すべてが『楽しかった!』と思えます。幸せなラグビー人生を送ることができました」

カンバーランドコーチとの出会いは大きかったのでしょうか?

「大学にはスクラムコーチがいなかったですし、入団して2年間は清水(秀司)さんやマツさん(松原裕司)、中道(紀和)さんからスクラムを教えてもらいました。カンビーから指導を受けたことも大きかったですが、その経験も僕にとっては良かったです。その後、カンビーが来て、どういう気持ちで組むのか、どういうプロセスで組めばいいのか、言葉でわかりやすく教えてもらって、神戸のスクラム自体が向上しました。それまでもこだわりを持ってスクラムを組んでいましたが、カンビーからの指導で、より強くまとまって組めるようになったように思います」

カンバーランドコーチからの教えで特に印象に残っていることは?

「マイボールでも、相手ボールでも、スクラムでアタックするマインドを持つということです。マイボールでも前に出る。相手ボールでもプレッシャーをかけ続ける。そういうマインドで組むことが左プロップには大事だと言われました。右プロップは、スクラムの時にフロントローの中で一番しんどい位置にいますので、『1番』が前に出る気持ちで相手の『3番』にプレッシャーをかけて崩しにかかる。そうすれば、スクラムは勝てると。カンビーから教えてもらった、この考えは、僕にとってスクラムを組む時のベースになっています」

影響を受けた選手はいるのでしょうか?

「たくさんの選手から影響を受けましたが、一番は、清水さんです。清水さんは、ポジションが同じで、入団した当時、会社の部署も同じでした。グラウンドでは、スクラムを指導していただき、会社では仕事を教えてもらいました。清水さんは、ラグビーでも仕事でも、1つ1つのことを真摯に丁寧に取り組まれていました。そういう姿勢が大事なんだと思い、僕も1つの練習、1つのプレーを大事にしてきました。それから、マツさんも。マツさんからもスクラムを細かく教えていただきました。年齢が近くて喋りやすくて、ヤンブー(山下裕史)と一緒に昼食や飲みに連れていってもらって、スクラムやラグビーのことを話して。それに、マツさんはオンとオフの切り替えも上手かったです」

印象に残っている試合を教えてください。

「どの試合も同じではないので、1試合1試合に思い出がありますが、1番嬉しかった試合は、サントリーサンゴリアスに勝って優勝した『ジャパンラグビー トップリーグ2018−2019』決勝です。ずっと優勝を目指していましたが、入団14年目にしてようやく頂点に立つことができました。あのシーズンは、チームのやっていることに一貫性があって、求めているラグビースタイルに対して、1つ1つ積み上げていったように思います。一貫性があるから、出来不出来の波が少なくて。こういうチームが優勝するんだなと思いました」

試合以外で印象に残っていることは?

「試合が終わった後に、マツさんや(林)慶鎬さんら先輩たちに連れられて、後輩と一緒にみんなで飲んでラグビーの話をしたことですね。2018年シーズンもよくみんなで集まっていました。こういう会は、チームを1つにするために大事なのだと思います」

今後はどうされるのでしょうか?

「チームに残ってスクラムの強化にかかわることになりました。カンビーから教えられたものをベースに、自分なりに考えてアレンジして、若い選手に落とし込んでいきたい。また、将来的には、自分がカンビーから指導を受けて日本代表になれたように、僕も選手を育てて日本代表に選手を送ることができたらいいなと思います」

チームメイトへメッセージを。

「ずっと意識していたことは『楽しむこと』です。スクラムも楽しみましたし、練習も、試合も楽しもうと思っていました。そういう気持ちで取り組むことで、成長できましたし、結果も得られました。目の前のことを楽しみながら、成長していって欲しいと思います」

ファンの皆様へメッセージをお願いします。

「試合会場で応援してもらったり、イベントで声をかけていただいたり、ファンの皆様からはいつも力をもらっていました。皆様の応援があったから頑張ることができました。皆様もチームの一部です。試合会場で良い雰囲気を作っていただき、ありがとうございました。スティーラーズは、優勝できる力がありますので、僕たちのことを信じて、これからも応援してください!」

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