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ロングインタビュー

退部選手インタビュー Part.3 勝木 来幸選手/イーリ ニコラス選手

 取材日:2020年5月24日

退部選手インタビュー Part.3 勝木 来幸選手/イーリ ニコラス選手

挑戦する気持ちが身に付きました。今後の人生に活かしていきます!

勝木来幸

RAIKO KATSUKI

PROFILE
  • 1992年6月12日生まれ、京都府京都市出身
  • 京都市立西京極中学→常翔学園高校→明治大学→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2015年入部/5年間在籍)
  • ポジション/PR
  • 2019−2020シーズンまでの公式戦出場回数/21
5年間、お疲れ様でした。今の心境をお聞かせください。

「2018年6月の練習試合で右足の前十字靭帯を断裂し、昨年復帰しましたが、怪我の影響でパフォーマンスがなかなか上がらず、以前はできていたプレーができなくなった。また、復帰後も膝の痛みがありました。それで2019−2020シーズンを現役最後の1年にしようと思い、トップリーグに臨みました。シーズン半ばで中止となり、最後までやり切ることはできなかったですが、すっきりしています。これからは会社にこれまでの恩返しをしようと、今は一生懸命業務に取り組んでいます」

ラグビーがしたいとは思わないのですか?

「不思議とならないですね。15年間ラグビーをしてきたので、心にぽっかり穴があいたようになるのかと思っていたのですが、まったくそうならなかったです。所属部署で新しい業務を任されましたし、今後はビジネス関係の資格取得に挑戦しようと思っています。現役時代とは違った意味で、毎日が楽しくて仕方がありません」

ところで、在籍した5年間を振り返って、もっとも印象に残っている試合を教えていただけますか?

「1月18日、静岡で行われたトップリーグ第2節のヤマハ戦です。復帰後、カップ戦に出場させていただいたのですが、その時はプロップでした。ヤマハ戦は久しぶりにフッカーとしてメンバーに入ったので、自分でも驚くくらいに緊張してしまって...。しかも、交代してすぐにマイボールラインアウトの局面になったんです。成功したのですが、あまり良いスローイングができなくて後で(アンドリース・)ベッカーコーチに怒られました(苦笑)」

もっとも印象深いシーズンは?

「ミスを恐れずがむしゃらにやった1年目も印象深いですが、やはり前十字靭帯を断裂した2018−2019シーズンが一番です。大学1年の時以来となるフッカーに挑戦し、ずっと春から調子が良かったのですが、練習試合の初戦でいきなり怪我をしました。ラグビー人生で初の大怪我だったので、その日は落ち込みましたが、翌日には気持ちを切り替え、ポジティブにリハビリに取り組みました。もちろん、試合に出られない悔しさはありましたが、客観的にチームメイトのプレーを見ることできて自分に足りないものがわかるなど収穫もありました。また、チームが『勝つ集団』になっていく様子を見られたことも良かったです」

コベルコスティーラーズで成長したところはどこですか?

「メンタルですかね。いい意味でプライドをズタズタにされましたから(苦笑)」

というのは?

「大学時代はずっと試合に出ていましたし、4年の時はキャプテンを務めていました。どこかで『試合に出場できる』という自信があったのだと思います。それでも1年目は試合に出られていたのですが、2年目、3年目とシーズンを重ねるごとに出場機会が減っていった。そこで、現実から目を背けずに自分に何が足りないのかを考えて、いろいろなことに取り組みました。結果が出た時もそうでない時もありましたが、5年間で失敗を恐れずに挑戦する気持ちやあきらめない精神が身に付いたと思います。この経験をこれからの人生に活かしていきたいと思います」

今後、チームに期待することとは?

「チームにはこれからも勝ち続けてほしい。その中で日本人選手がもっと試合に出て活躍してほしいと思います。特に社員選手には頑張ってほしいなって。社員選手が試合に出ることで、より一層、社員の方々がチームに親近感を持つと思います。個人的には同じ部署の前川(鐘平)さん、沢居(寛也)さん、井関(信介)の活躍を楽しみにしています!」

ではファンの皆様へメッセージをお願いします。

「試合に出ていない時でも注目していただいて声をかけてもらって嬉しかったです。父親がやっているお店(『くいしんぼう かつきカレー』)にも足を運んでくれたファンの方もいましたし、昨年開催された『コベルコチャリティーマッチ2019』に父が屋台を出店した際にもたくさんの方々にお買い上げいただきました。ファンの皆様には感謝しかありません。今後はOBとしてチームを応援していきますので、皆様と一緒にスタンドを盛り上げたいと思います。これからもよろしくお願いします!」

グラウンド内外で最高の時間を過ごすことができました!

イーリ ニコラス

NICHOLAS EALEY

PROFILE
  • 1988年10月14日生まれ、北海道札幌市出身
  • バーンサイドクラブ→セントビーズ高校→拓殖大学→パナソニック→オタゴ→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2015年入部/5年間在籍)
  • ポジション/SO
  • 2019−2020シーズンまでの公式戦出場回数/38
今の心境をお聞かせください。

「トップリーグが中止となり、このメンバーで連覇を達成するチャンスがなくなって残念に思いましたが、すぐに気持ちを切り替えることができました。僕のコベルコスティーラーズでのラストゲームは部内マッチになりましたが、最後にチームメイトと試合ができたことは良い思い出です」

在籍した5年間を振り返って、まず思い出されることは何でしょうか?

「仲間と一緒によく飲みに行きましたね。絆をさらに深めることができ、一生続く友情を築くことができたと思います。グラウンド内外で最高の5年間を過ごすことができました」

もっとも印象に残っている試合を教えてください。

「2018−2019シーズンのトップリーグ第2節のサニックス戦です。DC(ダン・カーター)が怪我をし、急遽、僕が先発出場することになりました。DCの代わりに10番を付けてピッチに立つことを光栄に思いましたし、試合会場の北海道月寒屋外競技場は出身地である札幌市内にありますので、親戚たちが観戦に来てくれて、みんなの前でプレーでき嬉しかったです」

試合以外ではどうですか?

「レガシー活動は印象深いですね。この活動を通して会社と社員の皆様のサポートを感じることができました。サントリーとの決勝戦では、選手が作業服を着てグラウンドに入り、とても感動しました」

入部当時と比べてチームはどこが成長したと思いますか?

「スキルの面だけでなく、メンタル面でも成長したと思います。特にこの2シーズンで、どのチームにも『勝てる』というマインドセットを持つことができるようになりました。実際、2018-2019シーズンはトップリーグで優勝を達成しています。でも、まだまだ強くなると思いますので、成長を止めずにさらなる進化を遂げてほしいです」

コベルコスティーラーズで学んだこととは?

「将来、指導者になりたいと思っていますので、いろいろなタイプのコーチから指導を受けた経験は今後に活かすことができると思います。チームを成功に導くために何をすべきなのかを学ぶことができました」

影響を受けたチームメイトを教えてください。

「アンディー(アンドリュー・エリス)です。アンディーはオンとオフの切り替えがとても上手くて、オンの時はやるべきことに全力で取り組み、オフの時は家族や仲間と心から楽しんでいました。オンとオフの切り替えの上手さは見習おうと思いました」

今後、チームに期待することとは?

「もちろん、トップリーグ連覇です。これしかありません。連覇を目指して頑張ってください!」

では最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。

「コベルコラグビーフェスティバルやファンクラブイベント等で皆様と楽しい時間を過ごしたことも良い思い出です。コベルコスティーラーズはチームだけでなく、ファンも日本一です。これからもチームにあたたかい声援を送ってください。5年間、ありがとうございました!ファンの皆様と最高の旅ができて幸せでした。僕はチームを離れますが、また皆様とどこかで会える日を楽しみにしています」

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